続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)秋の弓。

2021-05-26 07:25:49 | 飯島晴子

   秋の弓ひくかたはらの草木かな

 秋の弓はシュウ・キュウと読んで、終、朽。
 ひくかたはらの(引傍)はイン・ボウと読んで、隠、亡。
 草木はソウ・モクと読んで、総、黙。
☆終わりは朽ちる。
 隠(世間から離れ)亡(死ぬ、無くなる)。
 総て黙(声を出さない)。

 秋の弓はシュウ・キュウと読んで、修、究。
 ひくかたはらの(引傍)はイン・ボウと読んで、隠、謀。
 草木はソウ・モクと読んで、想、黙。
☆修(整え)究める。
 隠(かくした)謀(はかりごと)を黙っている。

 秋の弓はシュウ・キュウと読んで、宗、赳。
 ひくかたはらの(引傍)はイン・ボウと読んで、引、某。
 草木はソウ・モクと読んで、曾、目。
☆宗(一族の中心人物)は赳(強くたくましい)。
 引(導く)某(なにがし)は、曾(世代が重なること)を目(見つめている)。


若林奮『1-5-9』

2021-05-26 06:47:21 | 美術ノート

   1-5-9 スプリング蒐集・右手の先

 スプリング…ばね、体の弾力。跳ねたり衝撃を受け止めたりするための筋力。
 円筒形の筒(連鎖するものの一端)にストッパーのようなものに右手中指二本の指先の跡がある。極めて力の入らない指である。

 この指跡は、抵抗だろうか。微力のストッパーは何を示唆しているのだろう。振動、流れゆく時間への儚い抵抗・・・時空はそれでも進んでいく。一方方向の流れに制止はないから、この指跡は心理的な防衛反応であり、意識外(無意識)の鼓動である。

 精神の尺、外気との接触による反応の直進、連続に見えるものの小さな不連続。意識下の小さな煩悶、この空気感を審議する小さな反応は呼吸を止める。
 この指を放せば元に戻り以前と変わらない時空との関係を保つかもしれないが、指跡は自己証明である。


 写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館


『城』3659。

2021-05-26 06:33:54 | カフカ覚書

「それは、どんなことをしますの」
 Kは、説明をした。その説明を聞いて、お内儀は、欠伸をしただけだった。
「あなたは、ほんとうのことをおっしゃらないのね。なぜほんとうのことを言ってくださらないの」
「あなただって、ほんとうのことをおっしゃっていませんよ」
「わたしがですって! あなたは、またぞろずうずうしい口をききはじめましたね。


☆「それはどういうことですか」 
 Kは説明をした。その説明で彼女は喜んでいた。
「あなたは本当のことを言っていない。なぜ、どうして本当のことを言わないのですか」
「あなたも又本当のことを言っていない」「わたしがですか」
「あなたは大胆にも再び何か企んでいますね。