『青春の泉』
燃える朱の空を背景にROSEAUという文字を刻んだ石碑、鳩(鷲)の頭部、羽を広げた形である。左右には馬の鈴(伝説、口伝、噂etc)と一枚の木の葉(葉脈は木の根であり、枝葉の広がりは薄い平面と化している)
巨きな人間の軌跡のようでもある石碑は過去の遺物と化している。かつての物語を刻んだ巨石の意味は、すでに風化している時空かもしれない。
人類の成した功績、考えるという術を有した世界は幻影だったろうか、海の砂の数、空の星の数をはるかに超えた未来に、なお残存するかもしれない人類の軌跡。
茜の空、沈んで行ったであろう現在と思しき思考の欠片…懐かしさを秘めた人類の墓場でもある。
写真は『マグリット』展・図録より
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