続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

M『青春の泉』

2022-03-14 07:35:47 | 美術ノート

   『青春の泉』

 燃える朱の空を背景にROSEAUという文字を刻んだ石碑、鳩(鷲)の頭部、羽を広げた形である。左右には馬の鈴(伝説、口伝、噂etc)と一枚の木の葉(葉脈は木の根であり、枝葉の広がりは薄い平面と化している)

 巨きな人間の軌跡のようでもある石碑は過去の遺物と化している。かつての物語を刻んだ巨石の意味は、すでに風化している時空かもしれない。

 人類の成した功績、考えるという術を有した世界は幻影だったろうか、海の砂の数、空の星の数をはるかに超えた未来に、なお残存するかもしれない人類の軌跡。
 茜の空、沈んで行ったであろう現在と思しき思考の欠片…懐かしさを秘めた人類の墓場でもある。

 写真は『マグリット』展・図録より


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