『人間嫌いたち』
地平線は低い、つまりこれら対象物(カーテン)は見上げる位置に林立しているが、正面からの視点と重なっており、複合的な絵図となっている。
カーテンが硬直し直立している景などはあり得ない光景であるが、擬人化と言えば肯く。つまりカーテンの要素をもった精神の具現化である。このカーテンの形からすると両開きであるが、片側だけの乱立である。欠如は均衡の不具合であり不安定を示唆する。
しかし、強直なまでに直立するカーテンは、何かを隠している。カーテンが本来持つ意味は《遮蔽》である。
擬人化したカーテンの集合は猛威である。『人間嫌い』は《負》であるが、その集合(複数・集団)は《力》とも《脅威》ともなり得るのではないか。
写真は『マグリット』展・図録より
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