Ⅲ-3-1 雰囲気
男の身体は被われており、顔(頭部)だけが露出している。山(草地)を挟んだ向こう側にはやはり頭部だけを露呈した動物が低く臥せている。
二者の間を遮蔽する地面、この高さは距離(遠隔地)を現しているのだろうか。
男は前方を確認しようと立ち、動物(他者)のほうは見えないにもかかわらず隠れようと身を低くしている。隠れているが感じており、男(対象者)を攻撃するために狙っているのかもしれない。
二者の真意は隠されているが、対象への観察、見えない時空への警戒は共に同じ傾向をもって対立している。
この対立、何を言おうとしているのだろ。脳の指令、五感の能動、見えない時空への脅威、存在は体制でもある。
写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館
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