続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

D『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』

2021-06-30 06:28:38 | 美術ノート

   『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
 レディ・メイド:鳥かごに入れられた152個の角砂糖型大理石、温度計、イカの甲。

 鳥かごはまさしく拘束であり、社会制度、規律である。その中の152個の角砂糖型大理石は、同じ思考、観念・常識を持つ人たちかもしれない。
 温度計はその異常な暑さ、熱気を測るものとしての皮肉。
 イカの甲は《死》、人は常に死と隣り合わせであり、死には抗えない恐怖と威圧が潜んでいる。イカの甲(死)だけが鳥かご(拘束・社会制度・規律・約束etc)から半分実を突き出している。

 イカの甲(死)は、鳥かごに収まらない。つまり自由である。イカの甲(死)は固定観念に窮する人に手を差し伸べている、誘ってさえいる。鳥かごの外は自由が溢れているが、生きる(生活)保障を期待できない。
 しかし、鳥かごは決して閉塞ではない。しかし、多くはこの中に安息を求め、知らず知らずに同じ傾向の型に馴染んでいく。

『ローズ・セラヴィよ、何故くしゃみをしない?』
 なぜ、世界は気づかないのだろう。本当の自由に!


 写真は『DUCHAMP」www.taschen.comより


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