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『前兆』
漆黒の闇(暗い洞穴)から覗き見る形で鳥が羽を広げた形の山を仰ぎ見ている。地平線は見えず、樹林の上方が垣間見えているということは、相当に高い場所であり、鳥の形態をした山とも遠隔の時空の介在がある。
鳥が羽ばたく形態の山は何かを隠している。
それから七日待って、再びはとを箱舟から放った。はとは夕方のなって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。(『創世記』より)
鳥が羽を広げた形の山は、在りそうでない、つまり人の空想の絵図である。ここから始まる一つの大きな世界観、人々の生活に大きな影響を与える光とも指針ともなる某宗教の『前兆』をマグリットの視点でとらえたものであり、是非の言及はない。
写真は『マグリット』展・図録より
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