Ⅱ-1-9 正立方体 No14
黒い敷布の上の正立方体…敷布の下にのぞく紐状のものは何を主張しているのだろう。
正立方体と言うのは人類の叡智だろうか。ほかの動物には決して作ることのできない形であり、人類は熟慮しこの形を発見したのである。発見は同時に人類自身である。
黒い敷布…これは暗黒の宇宙空間に例えられるかもしれない、ならば、紐状のものは《時間》、永続する時間の一端を切り取って見せたということである。
黒と白は宇宙空間と時間の飛躍だろうか。正立方体の正体は丸い地球の存在者が作り出した世界の理詰め、哲学、法則、戒めなどの精神界であり、曖昧さをそぎ落すと、どこを見ても同じ面の出るフラットな応えになるということかもしれない。
平等というよりは硬質な拒否感、冷徹な感触が過る。人類全体の時間(歴史)を可視の形に凝縮すると、シンプルに正立方体という答えに辿り着くという一つの仮説・主張を感じる。
写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館
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