続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『与えられたとせよ:(1)落ちる水(2)照明用ガス』③

2020-06-04 07:26:04 | 美術ノート

「覗き穴」。本来決して体感できない時空を《覗く》という身体器官の一部(視覚)をもって生存生息の原初を見せている。
 現実的な工作ではあるが、非現実を脳裏に複製させる。覗き穴から見るものは、その対象世界があまりにも見難いゆえに、脳はむしろ誤作動し、その世界へ引きずり込まれるという仕組みである。

 穴の向こうに見える裸身は性器を露わにした成人女性である。(人類のDNAは女性からしか辿れない)
 仰向けに大股開きで草原に横たわっており、右手にはガス燈を掲げている。背景には水の流れが垣間見える。人類の原初、初めから与えられていた《水と火》。
『与えられたとせよ』この前提条件は必須であり、生命体、生命連鎖の要であることは間違いない。
 裸身の大股開き・・・これほどおぞましいものはないと退け反るが、これほどの真理も二つとしてないのである。


 写真は『DUCHAMP』ジャニス・ミンク www.taschen.comより
 

 


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