Ⅲ-3-11 飛葉と振動
飛葉とは何だろう。今までの経由から見ると、葉は生命であり、人である。
人が飛ぶ・・・感覚、対象世界への眼差しだろうか。
手足(胴体)は被われている、その男の前には棒状のものが林立している。人あるいは景色・光景の抽象化であり、究極の形態としての世界である。
この作品における振動、視覚・聴覚の受動、眼差しの能動、微かにも伝わりあう空気の波長。人(生命)が存在するとは、周囲との関係性そのものである。世界は広くも狭くも感じ得るそのままの大きさであり、五感(感覚)は休みなく世界と触れ合いその感覚を確認しあっている。
逆に言えば、存在するのは物体ばかりではなく、その隙間から生じる空気の揺れ(振動)が存在を支えていると言える。
存在は非存在との交感かもしれない。それをつなぐものが《振動》である。
写真は若林奮『飛葉と振動』展より 神奈川県立近代美術館
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます