続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1167。

2013-01-28 06:43:08 | カフカ覚書
わたしにすれば、父の荷厄介になるのがこころ苦しいだけで、そのほかの事は、どうだってよかったのです。それで、宿屋の経営のことを考え、この新しい仕事のおかげでいくらかでも苦しみを忘れることができるかもしれないとおもって、ハンスの求婚に応じたのです。それだけの話なのですわ」

 宿屋/Wirtshaus→Wort haus/言葉、一族。
 ハンス/hans→haus/一族。
(十分)reichen→Leiche/死体、遺体。 

☆祖先(神)は重い死を望まれた。死の死、遺体なんか重要ではありませんでした。新しい一族の言葉を考え、現場不在をもたらした一族の国家をいくらかでも忘れることができたのかもしれません。それだけの話なんです。

躍進する忘却力。

2013-01-27 07:00:29 | 日常
 目覚しい勢いで発達しているわたしの忘却力に呆然! この先、恐らく減退することはないと思われる忘却力。

 あんなに大好きな作家の名前が思い出せない。このブログにも何回も書いている。あれは確か・・・。

(あいうえお・・・じゃない。かきくけこ・・・でもない。・・・・はひふへほ・・・でもない。)

 もちろん「ん」でもないし・・・全然思い出せない。ああ、わたしはどうなるの?
 そのうち、彼の名前には○○が付いていたことを記憶の隅に、ぼんやりとしたモヤモヤが。


 ルネ・・・ああ、そうだった。ルネ・マグリット!(ああ、良かった思い出せて)

 
 こんな具合である。信じがたいほどの忘却力の躍進。


(人間、忘れるから生きていかれる)って、誰かが言っていた。(それにしてもひどすぎる)


 本当にこれでいいのだろうか。
《記憶力に優れていたら、もっと違う人生を歩んでいたに違いないことを忘れているわたし》
「これでいいのだ」と言い聞かせている。

『洞熊学校を卒業した三人』76。

2013-01-27 06:54:46 | 宮沢賢治
 狸は兎の手をとってもっと自分の方へ引きよせました。

 狸はリと読んで、理。
 兎はトと読んで、吐。
 手はシュと読んで、趣。
 自分はジ・フンと読んで、字、粉。
 方はホウと読んで、法。
 引きはインと読んで、隠。

☆理(道理)を吐く(言う)趣(ねらい)。
 字(文字)の粉(入り混じって区別がつかない)法(やり方)は隠している。

『城』1166。

2013-01-27 06:32:49 | カフカ覚書
そして、わたしたちを信用しているからと言って、前金も要求せず、借料も非常に安くしてくれました。

 信用している/Vertrauen→Vertragen/置き換える。
 前金/Geld・・・有効である。
 ~せず/ein→kahn/小舟。
 借料/Pacht・・・契約。 

☆わたしたちに、小舟が有効であると置き換え、予言者は安っぽい契約をしてしまったのです。

四人会。

2013-01-26 06:49:17 | 日常
 ひょんなことから、月イチで集まり、食事をし、おしゃべりをしている四人。昨日はMさんは都合がつかず欠席、Tさんはご主人の検診で遅れるからと連絡が入った。
 ハイランド、粟田、長沢、大矢部と至近距離ではあるけれど、全く違う町の住人。しがらみがないから何でも自由なおしゃべりをして会話も終盤疲れ果て言葉少なになったところでお別れということになる。全くお店には申し訳ないと思うほどの長時間、席を占領しているおばさん族。粟田の夢庵さんで午前十一時から午後三時まで四時間も・・・。(信じがたい暴挙)

 どうしたら四時間も間がつなげるのか・・・というのは愚問であって延々おしゃべりは尽きないのである。集まること事態に抵抗を感じていたわたしだけど、気付けば皆勤、この二年席をはずしたことがない。内心疲労困憊、付いて行けないほどの違和感に困惑していたのに・・・どうして?

 結局、わたし自身もおしゃべりが好きで食事とドリンク自由ののんべんだらりが性に合っていたからに他ならない。


 メンバーのTさんは裁縫の達人で、パッチワークから着衣、小物(バック等)に至るまで本職並みの仕上がり。料理に関しても何でも教えてくれるオールマイティ・・・。
 Mさんも、裁縫や料理に興味津々、この人は同学年で、覚えがある。何せ、一学年五百人以上(十一クラス)もいた団塊世代だから、クラスが違えば見覚えがあるという程度だけれど、確かに覚えがある。別々の人生を歩み、今再びここで席を共にしているという感慨には深いものがある。十代から六十代、半世紀を経ての巡り合いなのだから。
 MIさんは、この会の結成に一役買って出た人。元気で逞しく、懐が深い。


 昨日は二人だけだったので・・・(一時でお開きにしましょうか)と相成ったところにTさんが現れ、再び話に熱中、いつも通り三時の解散。

 友達は作られて行くもの・・・・進行形である。

『洞熊学校を卒業した三人』75。

2013-01-26 06:37:13 | 宮沢賢治
「さうぢゃ。みんな往生ぢゃ。山猫大明神さまのおぼしめしどほりぢゃ。な。なまねこ。なまねこ。」

 往生はオウ・セイと読んで、央、星。
 山猫はサン・ビョウと読んで、Sun(太陽)、平。
 大明神はダイ・メイ・シンと読んで、題、冥、信。

☆央(真ん中)の星である太陽の平(かたよらない/平等)が題(テーマ)の冥(死後の世界)の信(正しいと思って疑わないところ)である。

『城』1165。

2013-01-26 06:10:50 | カフカ覚書
そのころこの宿屋の主人だった人は、お内儀さんに先立たれ、宿屋をやっていけなくなり、それに、もう老人だったのですが、ある日わたしたちの小庭のまえを通りかかり、わたしたちがすわっているのを眼にとめると、立ちどまって、その場でいきなりわたしたちに宿屋を賃貸ししようと言いだしました。

 そのころ/damalige→da mal/痕(傷痕)
 宿屋の主人/Gestwirt→Geste wort/暗示、言葉。
 小さな庭/Gartchen→Gericht/厳しく罰する、非難する。審判。

☆その痕(傷痕)もまた言葉の暗示であり、自由な死がある。そしてそれゆえの仕組みであり、強制は断念したのです。存在はすでに先祖の時代の人間であり、先祖の痕(傷痕)はわたしたちの審判として終わり、わたしたちが来世にいるのを見て立ち止まり、いきなり契約したのです。

西雅秋先生の授業②

2013-01-25 06:46:12 | 美術ノート
 形とは何か・・・視覚、触覚において確認しうる状態。線、面、立体として感受しうる姿。

 わたしたちは形の中で暮らしている、生きていると言い換えてもいいかもしれない。その形は生きているわたしと共に必然的に劣化していくものである。時間による転移は不可逆であり、そのものが再生することはない。


 西雅秋先生の講座は「形の内と外ー型をとる」というもので、その通りのプロセスを踏み、対象の型をとって対象の形の内と外の認識を新たにするという授業だった。

 写し取った石膏の塊(作品)。(わたしの場合、ゴームリー氏の身体を写し取った模型であれば、模型の更なる模型である)
《このモノは何か》

 明かに対象を髣髴とさせる要素を含んだ物体であり、記憶の糸がそれを認識する。細部まで写し取ることが可能だとした時に感じる一致した概念と、矛盾する空漠のズレもまた真実である。

 自然における人為の介入・・・破壊ではないが再生でもなく何かを促すものでもない。単に記憶された形の再認識である模した形への感慨。
 形の中で時間は止まっているが、それを見る側の人間の時間は進行している。形は無機質であり精神的な要素は皆無である。にもかかわらず、見る側はそのモノに感情移入し、型を取った複製を記憶情報によって甦らせてしまう。

 同じである驚きは脳を刺激し、記憶、概念を再認識させる。

 世界はめざましく変化している、自然もまた誕生と死を繰り返し連鎖していく。その中で、一瞬の風景(対象)を切り取る作業(今回の授業)は、わたしたちの足をふと留めさせてくれたような気がする。
 時間に再生はないけれど、形には複製という(偽)再生があり、それは見る者の脳を認識という刺激で精神を高揚させてくれるものかもしれない。

『城』1164。

2013-01-25 06:11:56 | カフカ覚書
そういうわたしをハンスが見そめて、とこおりわたしのそばへ来ては、腰をおろしました。わたしは彼を相手に泣き言ひとつこぼしたわけではありませんが、彼のほうでは、わたしがなぜ悲しんでいるのか知っていました。そして、ひとの好い青年でしたから、いっしょに泣いてくれることもありました。

 そういう/Dort・・・来世で。
 ハンス/Hans→Hause/一族。
 ときおり/manchmal→manch mal/幾多の、痕(傷痕) 
 青年/Junge→Jude/ユダヤ人。

☆来世で一族に会ったのです。かなりの数の痕(傷痕)がありました。
 彼はわたしがなぜ悩んでいるのか知っていました。先祖の善いユダヤ人でしたからいっしょに守ろうとしてくれました。