続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『城』1515。

2014-01-25 06:33:02 | カフカ覚書
こちらが教えてやったことをいいかげんに変えてしまっては、間違ったことを教えられたと言いたてるのです。わたしは、クラムに会ってもらえる見込みなんかまったくないと、まえから言ってやっているし、きょうだって言ってやりましたし、しょっちゅう言っているんです。それで見込みがないんだから、この調書に応じたからといって見込みができるわけないでしょうよ。

 ~ない/keine→khan/小舟。
 クラム/Klamm→klan/氏族。

☆彼に知らせたことを虚偽の情報にし、虚偽の情報に立ち向かうなどと主張するのです。わたしはまえからいつも言っているし、現今でも言っている。クラム(氏族)を迎え入れる見込みは非常に少ないと。小舟を渡されたときには、この記録を通しても見込みはありません。

枯れていく理。

2014-01-24 06:45:48 | 日常
 芽を出し、葉をつけ、花を咲かせる。大輪の花もあれば、はきだめ草など目立たない小さな花もある。世界に一つの花であるという自負はともかくとして、いずれ枯れていくという道理を外すものはない。

 生まれたときから背負う宿命に逆らうことは不可能であり、その例に洩れる人は皆無である。
 不可逆である有機物質としての順路は時の経過に寄り添い、人の姿を変えていく。

 いつまでも・・・「永遠」は果てなき夢であり、願望という妄想の中にのみ息づいて人を鼓舞する。


 けれど老いて感じるのは、人の精神は老化に協力せず、むしろ逆行の傾向さえ垣間見られる。鏡に映した老婆然としたわたしは老とは無縁の気持ちでいる。吹聴できないが明らかに精神は昔と変らない(錯覚かもしれないが)。

 やがて枯れていく運命を理の当然として受け入れる覚悟は、とっくの昔についている。けれど、老婆然とした姿に相応しい衰弱した気分にはなれないのである。


 確かに足腰弱り、「おばあちゃん、大丈夫?気をつけてね」などと声を掛けられる風情ではある。
「はい、はい、ありがとう。(ご親切に)」などと答えるとしても、気分はとてつもなく解放されていて愉快この上ない。

 ただ、わたしは他人を刺激しないことを旨としているので、枯れたような微笑をもって、姿同様の精神を演技することを心得ている。なぜなら時間差こそあれ、本当に枯れていく日は、約束された事実であるらしいのだから。

 理の当然・・・人はこの事実に逆らうことは出来ない。

『ポラーノの広場』219。

2014-01-24 06:13:09 | 宮沢賢治
  イ警第三二五六号 聴取の要有之本日午后三時 本警察署人事係まで出頭致され渡し
                               イーハトーボ警察署


☆啓(人の眼を開いて理解させる)が題(テーマ)である。
 散(ばらばら)の字を吾(わたくし)は録(書き記し)合(一つにあわせる)。
 帳(ノート)に趣(ねらい)の要を誘(いざない)、詞(ことば)を翻(形を変えて作り直す)。
 化(形、性質を変えて別のものになる)の後の語(言葉)は散(ばらばら)に字を翻(ひっくりかえす)。
 継(つなぐ)冊(書付)は、諸(もろもろ)に図った字を繋いでいく。
 推しはかり、透(すけて見える)知(心に感じ取ること)に努/つとめる。
 啓(教え導く)冊(書きつけ)の諸(もろもろ)である。

『城』1514。

2014-01-24 05:57:06 | カフカ覚書
 Kは、お内儀の顔を無言のまま見つめた。
「なぜわたしの顔をにらんでいらっしゃるんですの」と、お内儀はたずねた。わたしが違ったことでも言ったでしょうか。この人は、いつもこうなんですよ、モームスさんいつだってこういう調子なんです。

 違ったこと/anderes→Ende/死。
 言った/gesagt→Sage/伝説、~という噂だ。

☆Kは沈黙したままお内儀(言葉)を見た。「あなたはなぜわたしを見ているのですか」とお内儀(言葉)はたずねた。
 ひょっとしたら、死の伝説?常に秘密の大群(大勢の死んだ人たち)もいつだってこうです。

眠りすぎ?

2014-01-23 06:26:51 | 日常
 話を聞くと、大抵の友人たちは夜遅くまで起きている。
 
 Aさんは、「夜中の一時に息子さんの食事の仕度をし、朝は五時に起床」とのこと。
 Bさんは、「夜の食事のあとTVを見て、それから後片付け、そして拭き掃除など室内を綺麗にしてからでないと眠れないので、結局かなり遅くの就寝になる」という。
 Cさんは、「眠れないのでビデオなどを見ているうちに夜中も一時二時になり、それからやっと眠るの」と言った。

 手仕事に励んでいるうちに時計を見るとすでに!・・・という人たちもいる。(少しでも早く仕上げたくて)と、口を揃える。

 今のわたしは、夜も九時を過ぎれば全身の力が抜け、やる気ゼロの状態。(もう少し根性があったら何かできるのに・・・)でも、とにかく眠い、眠くて仕方ないので床に就く。バタン・キュー。
 寝床で本を読むなんていう習慣も無いし、第一、本の背表紙を見ただけで目を閉じてしまうという体たらく。

 その上、昨日などは、近所の人が野菜をもって来てくれたのに気づかなかった。チャイムの音にも目覚めず、何時眠ったのかもしらないうちにコタツで横になって眠ってしまったらしい。

 わたしの祖母は、何時訪ねても居眠り状態・・・年をとると(お婆さんになれば)、半居眠り状態は当たり前なのねと学習したほど、祖母はいつもうつらうつらとしていた。

 わたしも目出度く、その域に入ったのだと思えば、まことに喜ばしいとも思えるのだけど、やっぱり少し淋しい老化現象の傾向。
《無理をしない・・マイペースで》と、自分を嗤いながらも、慰めている。

『ポラーノの広場』218。

2014-01-23 06:06:48 | 宮沢賢治
 すると所長は一枚の紙きれを持って扉をあける前から怖い顔つきをしてわたくしの方を見てゐましたが、わたくしが前へ行って恭しく礼をすると、またじっとわたくしの様子を見てからだまってその紙きれを渡しました。見ると、


☆諸(もろもろ)重なることが溢れている。毎(そのたびごとに)旨(考え)は二つある。
 秘(人に見せないように隠す)は全て教(神仏の教え)である。
 信仰の法(仏の教え)が現われ、全ての講(話)に教(神仏の教え)がある。
 霊(死者の魂)の要(願う)の思いを現わし、志(こころざし)を接ぐ図りごとが現われる。

『城』1513。

2014-01-23 05:52:02 | カフカ覚書
記入は、もう終っているのです。ただ二、三箇所抜け落ちているところがあるので、きちんとしておくために、あなたにそれを埋めていただきたいのです。それ以外に目的はありませんし、たとえあるとしても、かなえられるわけのものではありません」

 埋める/ausfullen→ausfuhren/実行する。
 二/zwei→zwang/強制、圧迫。
 三/drei→Drang/圧迫、衝劇、群集。
 それ以外/anderer→ende/端、死。

☆記述は全て完了しているのです。抑圧、圧迫の衝撃だということです。あなたがそれを実行なさるのなら、組織のために先祖の死の意図を存続する目的はありませんし、遂げられるものでもありません。

薄らぐ記憶。

2014-01-22 06:56:13 | 日常
 過去のことを思い出そうとして、案外思い出せないことに気づく。外注だったので、あちこちの会社を渡り歩いたけど、今となってはその道順すら思い浮かべることができない。
 最寄の駅くらいは分かる。それからバスに乗り何という停留場で降車したのか、どんな道を通り、どんな角を曲がっていったのかが定かではない。曖昧な記憶、抜け落ちてしまった情報・・・。

 年をとったから思い出せないのではなく、昔から記憶力に自信がなかった。帰りは仕事の代金で買い物をする、そしてバックの中に詰まった買い物を電車の中で思い出そうとして、せいぜい思いだせるのは7割、あとはどうしても不明。
 不明なものを抱えながら、ひたすら思い出す努力をする。

 家に帰り、バックを開けて「なあんだ、」という具合。

 それはずっと今でも同じ。ついでに買う、ある意味不必要なものでもあるから切迫感が希薄である。必要なものだけを購入するという気持に欠けている。外出したついでに買って置けば安心というレベルで購入するから、思い出せなかった品物は、家に在庫してあり不要なもののオンパレードになる。

 無我夢中だった繁忙期(?)、確かに夢の中のように自分を見失い、不必要なものを買いあさり、意味のないうわ言を口走っていたような気がする。

 二十代後半から四十代前半の約三十年は、朦朧としてよく思い出せないほど、ただ忙しく、長くは生きられないだろうと覚悟したほどに身体も弱り、精神も衰弱していた。

 精神が健全でないと、健全な介護、健全な子育ては出来ない。見送った両親はこの不出来な娘をどう思ったろう、手抜きだらけの子育て・・・山のような後悔。
 記憶力が薄らいでいくのは、わたしを救う恩寵かもしれない。

『ポラーノの広場』217。

2014-01-22 06:36:10 | 宮沢賢治
わたくしはすぐペンを置いてみんなの椅子の間を通り、間の扉をあけて所長室にはひりました。

 置いてはチと読んで、知。
 椅子はイ・シと呼んで、異、詞。
 間はカンと読んで、換。
 通りはツウと読んで、二。
 間はケンと読んで、兼。
 扉はヒと読んで、秘。
 所長室はショ・チョウ・シツと読んで、書、重、悉。

☆知(心に感じ取る)異(違い)は詞(言葉)の換(入れかえ)で、二つを兼ねている。
 秘(人に見せないように隠す)に書いたものは、重なっている悉(ことごとく)。

『城』1512。

2014-01-22 06:08:45 | カフカ覚書
これは、クラムの所轄下にある村の記録簿のためにきょうの午後に起こったことを正確に書きとめておかなくてはならないというだけのことにすぎないのです。

 村/dorf→dort/来世で。
 午後/nachmittags→nachen mittel/小舟、方法。
 起ったこと(響き渡る)/erhalten→erharten/裏付ける。

☆これはクラム(氏族)の用件に関して、来世の記録簿のために現今、小舟という方法を裏付けることを先祖は厳密に記述しておかなくてはならないのです。