@死を覚悟する日々の生活、思うだけで重く暗いツボの中で上から蓋をされたような気分になる。でも患者は日々こんな思いをしながら死と格闘しているんだと。今後、患者の選択は二つに一つ、延命治療、もしくはその措置の拒否、多分この先誰もがこの選択をしなければならない時が来る。いずれにせよ本人にはその後意識がない事だろうが、家族だけが「生きているだけで・・」という奇跡を託す様な事態が多くなるだろう。その為にも患者はできる限り自分の判断・決断を伝えておく必要があると強く認識した。介護する家族の負担は相当なものになりその家族が病気でもなれば自分の所為にもなる。今後さらに医療が進歩すればするほど延命治療は増え、長生きする人が増え、看護する人が増えていくことは間違いない。
『最後の医者は桜を見上げて君を思う』二宮敦人
「概要」あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦い。結末は? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ。
「とある会社員の死」
・結婚1年目、妻は妊娠中、未だ若い営業マンの男がある日の検診で「白血病」だと診断され「即刻入院してください」とそのまま仕事の場合は命の保証をと確認される。治療には2つ、いや3つの選択があるという、薬治療、移植治療、そして何もしないで死と向き合いながら闘う。
「死神」先生との相談で移植治療を選択、ドナーが見つからず緊急事態に。男は手術の前に妻に手紙を残した「移植を選択した理由は『自分の人生を取り戻したい。だから自分で決めたい』」さらにその手紙には「子供に伝えておくれよ。父ちゃんは死んだけれど、でも、闘って死んだんだと。だからお前も自分の人生を、力一杯生きてくれと」
「とある大学生の死」
大学の医大に合格、最近転がる事が多く精密検査をする事になった医者家族の娘、女子大生。結果はALS(筋萎縮性側索硬化症:原因不明の病気、半数が3~5年後に呼吸器麻痺の状態から心臓停止状態になる難病)治療法無し。身体の機能が徐々に萎縮してやがて不全となり呼吸もできなくなる病気、それで医者が自宅での療養を要請し家族が看病ことにする。
患者の言葉「先生は一緒に凄く辛くなって、そして迷って、苦しんでくれた。不思議なんですが先生を見ていると私少しずつですが、心が落ち着いてきたんです。だから決断できたんです。もう迷いはないです」と延命治療を断った。また「私の最期を見て欲しいんです。この世にはやりきれない事があって、逃れられない苦しみがあるんだと知って欲しい」
患者の家族の言葉「生きているだけで・・・いいのに」
医者の言葉「患者と一緒に迷い、悩む、答えが出せなくとしても、その苦しさを分かち合うこと」
「とある医者の死」
若い先生が咽頭癌でステージ3と診断された。本人は唯一の家族である施設に入ったおばあちゃんと週一回の電話を絶やさずこなしていたが、手術を受けると声がでにことを打ち明けられずにいた。更なる検査の結果、他にも転移が見つかり手遅れとなった。そこで治療は抗がん剤と放射線のみとなり、できればおばあちゃんより先には逝来たくないと声だけの手術を敢行してもらった。
患者の言葉「俺はね、婆ちゃんより長く生きたい。今まで通りに電話をし続けて、声を聞かせてやって、婆ちゃんに毛ほども疑われないまま・・婆ちゃんを死なせてやりたいんだ。1年や2年ぽっち寿命が延びる、なんてのは勘弁して欲しいんだ。それは結局、苦痛が長引くだけだから」
「言えることは言っておきたいんだ。生きているうちに、ね。」
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