これは面白い作品だった。が、決して愉しいと言えない実に見終わって重たくなるさくひんなんですが
作品としては実に面白いっていうか、プロットが見事だし
“事実を元にした作品です”って断り入れても通じるお話ですが、あくまでフィクションですからね
フィクションだからここまで描けたって言うのもあるんでしょうか
戦後ドイツのは悪法とか言ってもいいような、って戦後を早く終わらせて敗戦国復興を狙ってナチスを悪としてドイツは戦争を起こしてしまった
全ての責任はナチスにあり、ヒトラーにあるってことで片付け国の復興にかけたドレアー法の偏りを我々に示してというか、こういう映画を当事国のはドイツが作れるっていうのがすごい
日本はいつまで戦後を引っ張るのか
さらに隣国韓国との関係もまだまだ戦後は終わらないんでしょうね
って見終わってしみじみと考えさせられる映画でもあった
お話としては今日のお話、戦後75年の時代ですが・・・
ある実業家がホテルの最上階のスイートで殺された
ある実業家がホテルの最上階のスイートで殺された
殺人犯の爺さんは血だらけでロビーに降りて来て、警察に簡単に逮捕されるも黙秘を決め込んで何も喋らずに、状況証拠のみで裁判にかけられることに
しかし裁判となると、形式でも弁護人が必要になるので裁判所は犯人のフリーニに国選弁護人をつける
このフリーニにはイタリアの名優フランコ・ネロ
2時間の作品で全く喋りません何、フリーニにフランコ・ネロというイタリア人をキャスティングしてるのも深い意味が隠されていたんですね
国選弁護人に選任されたのは新人弁護士でトルコ難民でドイツ国籍を取ったカスパーという人物
そしてなんと難民としてドイツに来てから初めて友人となったドイツ人の友達の祖父であり、その友人の姉と恋人関係に落ちていた時期もあったし
個人的にも被害者には世話になっていた、実に皮肉な展開ですが
本人は仕事と私情は別物と考えて弁護士活動を全うしようとするものの
被告人コリーニは全く暖簾に腕押しで、何も語ろうとしません
いわゆる死刑を受け入れようって言う覚悟が見えます
もう裁判は始まる前から判決死刑は見えてるような裁判
ドイツの法廷って、地下に重罪犯を拘束し、裁判はアクリル板で囲まれた檻が法廷にあって、そこで被告人は裁判を受けるようになっており、
弁護士だけが武装廷吏にアクリル板を開けてもらって地下まで行って裁判前の打ち合わせしたりするんですね
さらに証言席は裁判長とトイメンに座るように設定されてるんですね
で、新人弁護士は減刑を勝ち取るためにコリーニの過去を探っていくんですね
その過程を描くために映画尺も2時間あったんですね
で、過去も過去1945年ナチス親衛隊が守っていたイタリアのとある田舎町で
ドイツ軍人が二人殺されたたために、守護隊隊長はドイツ人一人に村人十人に報復を科す
その時無理矢理二人目に選ばれたのは当時少年だったコリー二のは父親
少年の目前で処刑された父は銃殺弾が腹部に当たり
司令官は軍用拳銃ワルサーP38で3発撃ってとどめをさす
そうなんですコリー二は、わざわざワルサーP 38を入手して今回の犯罪を犯していたんですね
プロットもしっかりと組み立てられてるんですね
弁護人が子供時代被害者の書斎でワルサーを見ていたり
と伏線もしっかり貼ってあり
その守備隊長が被害者で、
コリー二はその時の少年だったんですね
しかし加害者は戦後にできたドレアー法によって戦時中の戦争犯罪から回避されて実業家としてドイツ復興に寄与していたんですね
ドイツ人が仕舞い込んでいた触れられたくないドレアー法の是非を再び全世界に問うた作品でした
重かったですが、見応えのある作品でした
2019年製作、ドイツ映画
マルコ・クロイツパイントナー監督作品
出演:エリアス・ムバレク、アレクサンドラ・マリア・ララ、ハイナー・ローターバッハ、フランコ・ネロ、ヤニス・ニーヴナー、ステファノ・カセッティ