いや、実に重たい映画でした。2017年に韓国で実際に起きた卒業を控えて社会実習に大企業のコールセンターに実習生として勤めたJKの自殺事件をモチーフにして作られた、実話ベースの
二部構成の韓国映画
なんとオールインじゃなかったライツキューブから2月25日にリリースされた韓国映画
一時なりを潜めていた韓国映画ですが、2月も見応えのある作品がそれなりにリリースされましたねぇ
JKのソヒは担任教師から大手通信会社の下請けのコールセンター運営会社を紹介され実習生として働き始める。
しかし会社は顧客の解約を阻止するためにマニュアルを作って契約更新させるという方針で、そのために従業員同士の売り上げ競争を煽り就労契約書で保証された成果給も払おうとしなかった。
そんな中、若い男性チーム長が自殺をした事によって、ソヒは仕事が嫌になるのと未払い成果金も払ってもらえないまま、学校も彼女がこの仕事を辞めたら後輩の就労に響くと脅してくる始末。そんな中で彼女はある日凍てつく真冬の貯水池から水死体で発見される・・・
で、この自死までが2時間18分もある映画の1時間20分くらいかけて丁寧にソヒの視点だ綴られてくる
で、この自死までが2時間18分もある映画の1時間20分くらいかけて丁寧にソヒの視点だ綴られてくる
で、後半の1時間弱の尺は、自殺したソヒの足取りを一人の女刑事の視点で追っていくわけで
まぁ普通の韓国映画であるならば自殺の書類一枚で収めてしまうのが韓国の警察官
しかし、この女刑事はJKの自死の意味を探っていき
現代韓国が抱えてる大企業の闇を見つけ、教育機関である職業高と大企業とのこれまた不可侵というか暗黙の闇構造を炙り出していくものの
そこは一介の地方警察の刑事ですから教育庁にまで及ぶ構造的な闇にぶつかるものの
そこにまで彼女自身が追求していくわけにもいかず・・・
こんな歪んだ営利主義の韓国の社会構造の歪さにまではなんとかひとりの刑事でもたどり着けられるものの
これ以上前に進むことさえ難しいもどかしさを我々に示す
まぁ示されたこっちも観ていていたたまれないだけではあるんですけどね
一応問題提起にはなってる作品
まぁ、それにしても韓国の社会構造は酷いよね。って日本も過重労働で自死が起きてたりするから
まぁ、それにしても韓国の社会構造は酷いよね。って日本も過重労働で自死が起きてたりするから
ある意味同じようなもんですかねぇ企業第一主義だから起きる歪みなんですよね
この映画、先に書いたように前半は被害者って言っていいんだろうっていうJKの視点で描かれ
後半は自殺を証明して事件を終わらせるはずの刑事がJKの自死が社会構造の闇に踏み込んだものの
刑事自身もそのおっきな歪んだ社会構造を前にして何もできないことを思い知されるっていう二重構造なのね
しかし、高校は自分の学校の成果のためであり、決して生徒のためではないって言うことなのね
企業は資本主義の根本であるお金儲け第一主義
官公庁でさえ自身のことなかれ主義の現代社会の中で一般市民は一体どこまで泣き寝入りすればいいのか
そう刑事でさえ真相に肉薄していけるけど組織の前では一人の公僕でさえ何もできはしないという
いろんな問題を提起してる作品だったかな
この作品の邦題は「あしたの少女」だけど英題は「次のソヒ」ってことで
社会が変わらない限り、ソヒみたいな子がまだまだ出ますよ的な事を伝えたかったんだろうなぁ
2022年製作、韓国映画(日本公開作品)
チョン・ジュリ脚本・監督作品
出演:ペ・ドゥナ、キム・シウン、チョン・フェリン、カン・ヒョンオ、パク・ウヨン、チョン・スハ、シム・ヒソプ、チェ・ヒジン
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