◆はたかっ・・・自己主張する 勢力を広げる しゃしゃり出る
現代では使ってはならない表現ですが、五島のことわざに「女はたかって家ばっしゃぐっ」(女があまりしゃしゃりでて騒ぐと一家が衰亡する)というのがありました。藩政時代の価値観が生んだ表現だったのもしれません。
【用例】
A・今時は「女はたかって」ちは言われんてん「傾城(けいせい)はだかって家ばっしゃぐっ」ち言いなおしちょこかね。
B・そんほうが無難じゃね。男ば迷わすっ口達者でうまろしゅ丸めこんとんじょㇶなやっの言うこっに流されたら個人も世間もうまく回らんごてなっち昔ん人は感じちょったっじゃろね。社会的立場のある人はハニトラには負けんごてせんばね。
【一般語訳】
A・今時は「女はだかって」と言うわけにはいかないから「傾城(けいせい)しゃしゃり出て家運が衰亡する」と言いなおしておこうかね。
B・そのほうが無難だね。男を迷わせる口達者でうまく丸めこむのが上手な奴の言うことに流されたら個人も世間もうまく回らなくなると昔の人は感じていたんだろうね。社会的立場のある人はハニトラには負ないようにしないとね。
※傾城・・・美人が原意だが、色香に迷った男を支配する女性のニュアンスでつかわれる漢語。
※「はたかっ」は男性に対しても使う言葉。徒党を組むといったニュアンス。
(見出し画像は五島市福江石田城近くの五島家家中屋敷跡)