「カニエ・ウェストこそが真の男である!」と独眼鉄先輩は言った

2021年01月02日 | 映画

 カニエ・ウェストこそは、男の中の男と呼ぶのにふさわしいのではないか。

 私はここ数年、新年に目標とするべき「アニキ」や「師匠」を表明してきた。

 2017年度は杉作J太郎さん、2018年度はチャーリー・シーン、2019年度は平山夢明先生などをリスペクトする文を書いてきたが、今年度は人気ラッパーのカニエ・ウェストでキマリである。

 映画評論家の町山智浩さんは『週刊文春』のコラムなどで、よくカニエのアニキが大暴れしている様をネタにしているが、もう何度読んでも笑ってしまうのだ。

 『トランプがローリングストーンズでやってきた』でネタにしていたのは、「Kanyeing」(カニエる)というスラングで、これは

 「邪魔なやつが、しゃしゃり出てくること」

 日本語でいえば「空気読めない」「ウザい」ってことだけど、まあ端から見ているとメチャクチャでおもしろい。

 たとえば、「Kanyeing」が流行ったそもそもの発端は、2009年のMTVビデオ大賞で、最優秀女性アーティスト賞をもらったテイラー・スウィフトがスピーチしようとしたのを邪魔したところから。

 いったんは和解しおさまったと思いきや、次に出した新曲で、

 
 「俺、テイラー・スウィフトとセックスできそうな気がするんだ。なぜって、あのビッチを有名にしてやったのが俺だから」


 これ以上底がないという、サイテーなうえにも最低な歌詞をつけたのだが、アニキの暴走はこんなものではすまない。

 その語録はイカしたものばかりで、


 「俺の人生で一番つらいことは、カニエ・ウェストの生演奏が観れないことさ」

 「ライバルが誰かと考えると、思い浮かぶのは過去の人ばかりだね。ミケランジェロとかピカソ、あとピラミッドだな」

 「俺はウォルト・ディズニーだ。ハワード・ヒューズだ。スティーブ・ジョブズだ。俺と並べて、彼らも光栄だろう」

 「俺はアンディ・ウォーホールだ。同時代でもっとも影響力があるアーティストだから。俺はシェイクスピアだ。ナイキだ。グーグルだ」

 
 昔、ある作家だったか、マンガ家だったかが、「宇宙に行ってみたい」という理由に、

 

 「オレがいない地球を一度見てみたい」

 

 と答えたそうだが、それを彷彿とさせるオレ様ぶりだ。ピラミッドとかグーグルとか、もはや人ですらない

 カニエ・ウェスト対王の墓。今年の年末は、このカードで決まりであろう。

 内田樹先生はその著書の中で、

 「あなたの師を探しなさい」

 再三述べておられるが、私の師はまさに、このお方しかあり得ない。

 というわけで、私の今年の目標は

 「カニエ・ウェストのようなスターになる」。

 まずはその前段階として、形から入るタイプの私は、

 「新年会で、これまで自分とケンカした女の子を、ビッチ呼ばわりする歌を歌う」

 ことからはじめてみたいと思う(←絶対ダメだろ)。

 2021年も、よろしくお願いします。

 


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2 コメント

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Unknown (シャロン)
2021-01-05 19:18:29
なおさん、明けましておめでとうございます。

カニエ・ウェストみたいな人が、世界をおもしろくすることに大きな貢献をしてますよね。

ただ、こういう人は「遠きにありて想うもの」くらいがいいのも事実で、近くにいたらトラブルの元ですよね(笑)。テイラー・スウィフトもいい迷惑でしたでしょうし。

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Unknown (なお)
2021-01-05 17:30:59
あけましておめでとうございます。カニエもそうだしメイウェザーとか、日本だと本田圭佑やローランドだと思うんですけど、なんていうんだろう…要するに自分のバリューを最大限に上げれる人って言うんでしょうか。俺はマイケルジャクソンを超えるとか、ワールドカップで優勝するとか、世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か。とかまさに天才の言葉だと思うんですよね。凡人は馬鹿にしたり、観測気球だと思うかもしれないけど、絶対に言えないわけです。全員が全員まともな常識人じゃつまらないし、やっぱりぶっ飛んだ人間のぶっ飛んだ言動が世界を変えていくのではないでしょうか。だからスケールは違いますが学術会議なんかも絶対に必要なんです。変な奴の変な意見も必要なんですよね。本田なんかマイケルを超えるって言ってるわけですから当然カニエも射程圏に捉えているでしょうし、対談してもらいたいですね。多分相当気が合うと思いますよ(笑)そういうわけで本年も何卒よろしくお願い致します。
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