新月のサソリ

空想・幻想・詩・たまにリアル。
孤独に沈みたい。光に癒やされたい。
ふと浮かぶ思い。そんな色々。

ブルー

2024-07-30 04:53:53 | 

岩場の片陰、人魚が海へ戻っていく
紺碧の空の陰、ひっそり波間に消えいった

海の底蒼く、仰げば揺らぐ陽炎青く
白き浜辺の幻に、僕らが駆けた足跡か
波がさらった砂の跡、夢の軌跡は辿れない

珊瑚の舞に遥か光月抱く夜
人魚の涙は泡と為り、蒼くたゆたい消えてゆく

小夜の漣詠うころ、僕らは何かを忘れゆく
それがなにかも知らぬまま
海は眠りに落ちていく

人魚はひとり海の底
いつかの夏は輝いて、月が彼らを映す夜
僕らは全てを忘れゆく


僕の中から消えていく
誓った言葉もあの砂浜も
東雲よ今ただ少しこのままで

彼女の瞳が遠のく前に、もう少し


コメント
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