過去に「この人、面白い!」と確信した物書き(学者や作家)、音楽家、芸術家およびその作品を数十年間、しぶとく追い続けていけてきたが、たくさんの感慨に包まれる。過去を振り返ると、多くの作家、アーティストならびに作品群と自分の来歴とが、強く溶けあいながら堆積している様子が見渡せる。また、それらの多くは、まるで濃厚な〇〇(ほにゃらら)のような味わいを醸しながら、いまでも私を愉しませてくれる。愉しむ中で、「古いのに、新しい作品に勝っている」と感じることもままある。また、「過去の遺産を踏まえ、模倣しながらズレを作り出そうしているということに敏感で意識的である新人や新作品」からは新味を発見できることがある。||「温故知新」は遠い昔の中国の諺(『論語』)なのに、現代人であっても実践するのは言う程易しくない。それどころかAIの時代、温故はますます蔑ろにされて、知新だけに目が向いてしまう。人間が繰り返す愚かさを見ていると、技術がいくら進化しても、人間の賢さは進化していないとわかる。進化していないからこそ2500年前の諺がいまだに重宝されている。未来においても有用であり続けるはず。そして、改めて『故事・諺辞典』の類を捲ってみたら、その多くが実は、人間が到達不能な理想の境地や修正不能な人間の本性を集約したものであるということに気付き、愕然とするのであった。(爺屋88’)|写真は自作栞。|
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