詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

☆青春恋愛小説「恋花~KOIBANA~」第六十八話「模試が終わって」

2014年11月14日 | 恋愛小説「恋花~KOIBANA~」
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第六十八話「模試が終わって」


健人と紫苑に促されるまま、塾の喫茶コーナーに入っていった。

模試が終わったあとみんなそそくさと帰路についていたので、喫茶コーナーを利用している塾生はいなかった。

「どういうことだ?星波」
健人の瞳の奥が静かな怒りで満ちている。
「お前、体調が悪かったんじゃないのか?」

「ごめん。でも、今日、庄司君の誕生日で・・・
一緒に祝う約束をしていたから・・・」

「お前・・・俺に嘘をついたのか?
おばさんたちには、本当のこと言ってるのか?」

「いいじゃない!!
私が親に話をしてようがしてまいが。
健人に・・・・
関係ない・・・」
まっすぐに目をみたまま言い切れない後ろめたさで、思わず目をそらしてしまう。

健人の顔が、紫色に変化していく。
こんなに怒った表情の健人を見るのは、知り合って初めてだ。
はじめての私に対する健人の怒った顔・・・

こんなことを言いたかったわけじゃない。
携帯の電源まで切っていたのに、わざわざ知らせてくれた健人にお礼が言いたかったのに・・・
でも、もうほっといてほしかった。
庄司君とKISSをする直前で、現実に引き戻された・・・
まるで12時過ぎてすべてが消えてしまったシンデレラのように・・・・
悲しみに打ちひしがれている私を一人にしてほしかった。

そんなことより、中途半端に飛び出してきた庄司君にもう一度きちんと
謝って・・・誕生日プレゼントを渡さなくては・・・そんな思いをめぐらせていると
無言の私の表情をみて健人が鼻白んだ。

「勝手にしろ!」
がたん!ものすごい音で椅子から立ち上がり、私を一瞥し、喫茶コーナーの出口に
健人が大股で向かう。

一瞬にして我に返る。
「怒らせちゃった。そりゃそうだよね。自分の勉強そっちのけで
私の勉強を見てくれているのに。呆れちゃうよね・・・・」
思わず涙で視界がぼやける。

すぐそばで静かに見守っていてくれた紫苑が言う。
「星波・・・・気持ちはわかるけど、星波の両親の性格、健人はよくわかっているから。
私も、今回限りは、健人に一票かな・・・・」
紫苑の手が、優しく私の背中をなでる。

「わかっているのに・・・わかっているんだけど・・・
でも、私、庄司君に嫌われるのが怖い・・・・」
ポツリポツリ
テーブルの上に、小さな水溜りがいくつも出来てくる。


第六十九話「健人の怒り」
へつづく



※恋愛小説「恋花」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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