「子供が亡くなりました。お葬式をお願いしたいのですが」
それは、生まれて11日目の赤ちゃんお葬式でした。
出産して、里帰りしてすぐのことでした。
急に赤ちゃんの様子が変わり、救急車で病院へ向いましたが
赤ちゃんは亡くなり、解剖されてお母さんの元へ帰ってきました。
奥様のご実家はクリスチャン。ご主人の家は仏教徒です。
でも、無宗教で家族だけで送りたい。というご希望でした。
部屋には、レンタルされたベビーベットがあり、まだ使ってないと事。
それでは、ベビーベットに今日は寝かせてあげましょう。
その隣にあるテーブルにマーガレットを飾り、写真を置きました。
産院でお母さん抱かれ、唯一撮った写真。それが遺影写真になりました。
夕方、ご夫妻と小さなお兄ちゃんとおばあちゃん、九州からご主人のご両親、会社からご主人の同僚3名が駆けつけてのお通夜です。
・・・赤ちゃんは11日と言う短い命でした。
昨日、病院から帰ってきた、赤ちゃんを抱きしめて
「お母さんのところに、帰ってきて」と涙を流されたお母さん。その横で
3歳のお兄ちゃんは「お母さん、泣かないで」と声を掛けていました。
楽しい思い出さえも作ることなく、送る葬儀は本当に辛い葬儀です。
ご縁があって、私がこの場を勤めておりますが、この子を送るのに
良い葬儀などあろうはずがありません。
しかし、すでに赤ちゃんは逝ってしまいました。
ご家族の為に、この式が少しでもお慰めになる事を念じて
勤めさせていただきます・・・
ほんの15分ほどの通夜でした。
翌日、出棺の準備で伺うと、奥様が赤ちゃんを抱っこしていました。
「私、昨夜はずっとこの子を抱っこしてたんです。内緒だけど、夜中におっぱいも
あげました。」
「私、この子の様子にどうして気付かなかったのかしら」
「今でも、悔やんでいます。あの暗い、冷たい、警察の霊安室に
この子を、1人で置いてきた事を。ずっとそばにいてあげればよかった」
よしよし、と赤ちゃんを腕の中でゆすりながら、独り言のように話しかけてきます。
出棺が迫り、赤ちゃんを棺に納めた時
今まで、冷静に振舞っていた奥様が「いやー」と悲鳴をあげ棺に取りすがりました。
今でも、忘れられません。
その後、ご主人の膝に抱かれた棺と共に火葬場に向われました。
この奥様からその後、何度もお手紙を頂きました。
この季節になると、花屋さんの店先に出る、マーガレットを
見るのが辛くなります。
でも、やっぱりマーガレットを買って供えてしまいます。
この前、上の子が窓を指差し「おじいちゃんが赤ちゃんを抱っこして
来ているよ。赤ちゃんがお母さんは悪くないよって言ってるよ」と
話してくれました。子供には見えたのでしょうか。
この奥様のお父様は1年前に亡くなられています。
奥様の心の負担を取りにこられたのかもしれません。
今、お兄ちゃんは中学生になりました。
それは、生まれて11日目の赤ちゃんお葬式でした。
出産して、里帰りしてすぐのことでした。
急に赤ちゃんの様子が変わり、救急車で病院へ向いましたが
赤ちゃんは亡くなり、解剖されてお母さんの元へ帰ってきました。
奥様のご実家はクリスチャン。ご主人の家は仏教徒です。
でも、無宗教で家族だけで送りたい。というご希望でした。
部屋には、レンタルされたベビーベットがあり、まだ使ってないと事。
それでは、ベビーベットに今日は寝かせてあげましょう。
その隣にあるテーブルにマーガレットを飾り、写真を置きました。
産院でお母さん抱かれ、唯一撮った写真。それが遺影写真になりました。
夕方、ご夫妻と小さなお兄ちゃんとおばあちゃん、九州からご主人のご両親、会社からご主人の同僚3名が駆けつけてのお通夜です。
・・・赤ちゃんは11日と言う短い命でした。
昨日、病院から帰ってきた、赤ちゃんを抱きしめて
「お母さんのところに、帰ってきて」と涙を流されたお母さん。その横で
3歳のお兄ちゃんは「お母さん、泣かないで」と声を掛けていました。
楽しい思い出さえも作ることなく、送る葬儀は本当に辛い葬儀です。
ご縁があって、私がこの場を勤めておりますが、この子を送るのに
良い葬儀などあろうはずがありません。
しかし、すでに赤ちゃんは逝ってしまいました。
ご家族の為に、この式が少しでもお慰めになる事を念じて
勤めさせていただきます・・・
ほんの15分ほどの通夜でした。
翌日、出棺の準備で伺うと、奥様が赤ちゃんを抱っこしていました。
「私、昨夜はずっとこの子を抱っこしてたんです。内緒だけど、夜中におっぱいも
あげました。」
「私、この子の様子にどうして気付かなかったのかしら」
「今でも、悔やんでいます。あの暗い、冷たい、警察の霊安室に
この子を、1人で置いてきた事を。ずっとそばにいてあげればよかった」
よしよし、と赤ちゃんを腕の中でゆすりながら、独り言のように話しかけてきます。
出棺が迫り、赤ちゃんを棺に納めた時
今まで、冷静に振舞っていた奥様が「いやー」と悲鳴をあげ棺に取りすがりました。
今でも、忘れられません。
その後、ご主人の膝に抱かれた棺と共に火葬場に向われました。
この奥様からその後、何度もお手紙を頂きました。
この季節になると、花屋さんの店先に出る、マーガレットを
見るのが辛くなります。
でも、やっぱりマーガレットを買って供えてしまいます。
この前、上の子が窓を指差し「おじいちゃんが赤ちゃんを抱っこして
来ているよ。赤ちゃんがお母さんは悪くないよって言ってるよ」と
話してくれました。子供には見えたのでしょうか。
この奥様のお父様は1年前に亡くなられています。
奥様の心の負担を取りにこられたのかもしれません。
今、お兄ちゃんは中学生になりました。
冷静でいられるでしょうか。
つい、自分の子供たちとかぶってしまうんじゃないでしょうか。
赤ちゃんのおひつぎは、小さくて、
ふたをするのがためらわれます。
お骨壺も、ほんとに小さいんですよね。
悲しくて、悲しくて仕方がありません。
赤ちゃんは将来があるはずなのに、短い生涯を一生懸命病気と闘いました。
赤ちゃんが生きた8か月を見守ってきて、この赤ちゃんを心から尊敬します。
この赤ちゃんは、周りの人にいろんな思いを残して、帰っていきましたね。
この赤ちゃんの存在がなければ、考えなかった事を教えに来たのでしょうね。
立派に役目を果たしたのだと思います。
ママや周りの人たちに、時々逢いに来てくれる、私はそう思いませんか?
わたしたちは今後、納得がいくまで、心の整理がつくまで、何年かかかるかもしれませんが、お骨はうちに置いて、手元で自分たちで命日には毎月祈ったり、声をかけたり、花を捧げたりしていきたいのですが、
葬儀のあとは、いつまでにどのようにしなければいけないということはあるのでしょうか。
まわりの、特に年配の親戚の方々などから、四十九日はとか、お寺で供養しないのかと言われてしまうのではないかと不安です。
まだいまはとてもあの子をひとりにする気持ちにはなれません。たとえご先祖さまがいるといしても。
出張続きでなかなかお返事が出来ずごめんなさい。
お答えから書きますね。
赤ちゃんの納骨に期日はありません。
お二人が納得するまでお手元においてさしあげたら?
今は他の人の言葉は、きっと心に届かないでしょう?
お二人の悲しみを他の人に伝えるのは難しい事です。
あなた方の悲しむ姿を見るのが辛いので、周りの人は
通常の手段を勧めてくるのでしょうね。
今は赤ちゃんを側において、話しかけてあげて下さい。後悔や謝罪や何処へともいえない恨み言が続くかもしれませんが、いつしか楽しい事の報告や可愛かった赤ちゃんの思い出が言えるようになり、生まれてくれた感謝もいえるかもしれませんね。
その時になったら、納骨する気持ちがわいてくるかも!
あせる事はありません。
赤ちゃんはあなた方を幸せにする為に生まれてくる、と言われています。
この世の縁は短くても、それを望んでいるので、きっといつかあなたを幸せにしてくれますよ。
それまでは赤ちゃんに協力してもらったら如何ですか。