志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

日本酒に関わる創作物のブルーオーシャン

2013-04-28 21:14:26 | 社会問題
多分少年ジャンプ黄金世代から10年ちょっとしたまでの年代にとって日本酒に関わる創作物といえば『夏子の酒』であろう。

それより、下の世代には、日本酒に関わる創作物は特に思い浮かばないだろう。

『夏子の酒』は、それだけポピュラリティのある作品であり、『日本酒業界』にも大きな影響を与えた。具体的には『酒造り』や『米作り』を志す人も現れた。ただもしかすると、そういう偉大な金字塔が確立してしまったために、なかなか、それを超える社会にインパクトを与える『日本酒』に関わる作品が出てこなかったのかもしれない。

『夏子の酒』は、どういう話とかというと『夏子』が理想の日本酒を追求するお話である。まさにシンプルイズベストである。
もう少し長くしても、『夏子』(と草壁)が理想の日本酒と米を追求する話である。ということであまり長くならない。

実は、日本酒に関わるここ30年ぐらいの物語は、『蔵元』や『杜氏』や『酒造技術者』がとうまり『個人』が理想の酒を追求するという言う物語が多い。(実話が元ネタのものは、まあそうなんだから仕方ないかもしれない)この筋が物語である限り、『夏子の酒』を超えるポピュラリティを獲得するのは困難だろう。

それを極めて安易にすこしずらすのであれば、『スラムダンク』方式というか『ワンピース』方式というか、酒造りの物語を団体戦にするやり方じゃないかなと思う。酒造りといえば『杜氏』ではあるが、『釜屋』さんにはじまり『船頭』さんに終わる団体戦であることは、『杜氏』さんだけでなくてそれぞれの『蔵人』さんのキャラ(異業種からの転職とか、農家兼蔵人とか、新卒就職できなくてとか、外国人とか)を立てて、それぞれの人の事情描けば、話が複線化できるし、プロットも複雑化できる。経済状況とか社会状況を絡めることも出来るだろう。はじめは何人かの蔵人は『日本酒なんか興味ない』という状態ならリアリティさを演出できる。そして最後は、協力して『美味しい日本酒』を造るという王道なら、そんなに予定調和をはずさないだろう。今のところは、まだこの物語はブルーオーシャンかもしれない。

でも本当にそんな物語があったらちょっとやだな。

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