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iPhone用ゲームアプリ(iOS6.0以上)
(担当S)
前回、我がSHIKIBUオートメーションのiPhone用ゲームアプリ「ハゲにハンマー!」が、アップデート申請で見事却下(リジェクト)されたと言う話をしましたが、今回はその続きです。
ここで少しアップルのiPhoneアプリの公開手順のおさらいをさせて頂きますが、AppStore / iTunesStoreに並んでいる全てのアプリはアップル社の事前審査を受けています。
この事前審査に合格しないと、例え開発費に数百万〜数千万かかったアプリであろうがAppStore / iTunesStoreに並べてもらえません。
なのでアプリ開発者にとっては、このアップル社の事前審査に合格することは大変重要です。
その点、SHIKIBUオートメーション謹製の「ハゲにハンマー!」は事前審査にはメデタク合格しAppStore / iTunesStoreに並べてもらってはいるのですが、改善アップデートを行ったら「お前の作ったアプリには暴力的表現が多いから不合格ね」とアップル社から言われ、SHIKIBUオートメーションとしてどう対処すべきか決めあぐねている…と言うのが前回のお話です。
少し話が脱線しますが、この手のIT技術者にしか分からない内輪話にどれだけ需要があるのか、私は以前から非常に疑問に感じていて、こう言う話をブログに書くのは極力避けていました。
なんだか嬉しそうに「アプリを作って申請したらさぁ、アップル社からこんな事を言われて、ホント困ってるんだよね」とブログに書いてる人もいますが、そう言う人が書く話が何かの役に立った事は、私個人の経験で言えば殆どありません。
そう言う話は8割9割、愚痴か自慢話であり「そりゃあんさん、そんな事をしとったらアップルやなくても文句の一つや二つはいいたくなるで」と思わず突っ込みを入れたくなるような話が殆どです。
なのにどうして私がこう言うIT技術者の内輪話な話をブログに書く気になったかと言うと、きっと同じ様な事で困ってる技術者さんは世の中に沢山いるはずだから、情報を共有した方がいいと感じたからです。
実際、私自身、今回の却下(リジェクト)には非常に狼狽し、ネットで同じ様な事例がないかを探しまくりましたが、残念ながら役に立つ様な情報は殆ど見当たりませんでした。
愚痴レベルの話は沢山ヒットするのですが、具体的な「こうしたらアップル社の審査を通ったよ!」と言う、私が一番知りたい話が全くヒットしません。
今回、私がとても狼狽した「暴力的な表現があるから、お前の作ったアプリは却下(リジェクト)やで」と言う却下(リジェクト)事例が、もしかしたらとても少ないのかもしれないと考えたりもしましたが、暴力的な表現があるゲームなんて世の中には星の数ほど存在するのに、それは有り得ないと思います。
恐らくワザワザ、ブログで公開するような話でもないだろうと思ってる人が多くて誰もブログに書かないか、単に面倒臭いのでブログに書いたりしていないだけではないかと思います。
だいたい、嬉々として自分の話(それも大して面白みのない、どうでもいい様な話)をブログに書く人の話は、大抵の場合役に立ちません。そう言う人は、単に己の自己顕示欲を満たす為にブログを書いてる場合が殆どですから。
と、余談がだいぶ長くなってしまったので、いきなり本題に入りますが、アップル社から却下(リジェクト)を食らった「ハゲにハンマー!」と言うアプリはこう言うアプリです(※下の写真参照)。
”ハゲ”のキャラクターをハンマーで殴り続けると言う、アップル社でなくても眉をひそめるたくなるような内容なのですが、この内容では却下(リジェクト)を食らっても別に不思議でもなんでもありません。
しかしどうした訳か初回の審査では無事合格し、今ではゲームアプリの一つとしてAppStore / iTunesStoreに並んでいます。
SHIKIBUオートメーション的には、少しスパイスを利かした毒気の強い目立つゲームアプリとして作ったのですが、少々やりすぎの感があるのは否めません。
しかし、ゲームに登場するキャラクターなんかはワザと下手くそな絵にして、極力暴力的な表現にならない様と一応は配慮はしていますし(もし、このゲーム内容で絵がやたらとリアルだったら、本当にシャレにならないゲームになってしまいますからね…)、暴力とかの表現の問題に対しては、それなりに気を遣ったつもりでいます。
「ハゲにハンマー!」は暇つぶしにちょこちょこっと遊んで貰える様に作った、所謂「カジュアルゲーム」の一つなんですが、そう言う性質のゲームであるために、過剰にリアルな演出は抑えています。
こう言うゲームを「悪趣味」と捉えるか、あるいは一種の「ブラックジョーク」と捉えるかは意見の分かれる所だと思いますが、きわどい内容であるのは確かです。
だからこそアップル社から「お前の作ったアプリには暴力的表現が多いから不合格ね」と言われてしまった訳ですから…
と、ここで言い訳ばかりしてても話が全く前に進みません。実を言うと審査合格にむけて改良版は既に制作済みだったりします(だから今回、このネタをブログにした訳ですが)。
前回の話で「問題箇所にモザイクをかける事を検討中」みたいな事をちょろっと書きましたが、結局その手を使う事にしました。
他にも何かいい解決法はないかと考えてはみたのですが、ゲーム内容を損ねずに暴力的な表現を抑えるとなると、モザイクくらいしか思いつきませんでした。
上がその対策前・対策後の画像なのですが(※PCで閲覧している場合は左の画像)、なんだかやっつけ仕事感が半端ないです(笑)。
本ブログは子供が読んでも教育上、問題ない事を目指しているので、あえて遠回しな表現にしますが、かなり卑猥な感じがします(笑)。
モザイクをかけると言う方法以外にも、ハンマーをハリセンに変えるとか、”ハゲ”のキャラクターに帽子を被せるとか色々考えてはみたんですけど、アプリの名前がインパクトの強い「ハゲにハンマー!」であることから、ハリセンや帽子でお茶を濁す方法はやめにしました。
ハリセンや帽子でお茶を濁す方法だと「ハゲにハリセン!」とか「帽子を被ったハゲにハンマー!」って言うアプリ名に変えなければいけませんが、その名前だとイマイチ、インパクトに欠けますからね。
まだ審査に提出はしていないのですが(このブログを書き終わったら審査に提出しようと思っています)、本当にこんな解決策で審査に通るのかについては、全く自信ありません。
アップル社から言い渡された却下(リジェクト)の理由を額面通り受け取ると「暴力的なニュアンスのある表現は全て削除してや〜」と言う事になるのですが、さすがに言われた事を額面取りに受け取ってアップル社のいいなりになるつもりはありません。
言われた通り、なんの毒気のないゲームアプリにしてしまえば審査も楽々合格できるとは思いますが、そんなインパクトにかけるアプリを作っても何の面白みもないですからね。
審査に不合格になる可能性が高くても、アップル社が何処までなら暴力的表現を許してくれるのか、それを探ってみるのも必要ではないかと思っています。
問題箇所にモザイクをかける処理ついては、一応ユーザーが選べる様にはしています。
上の画像(※PCで閲覧している場合は左の画像)を見てもらえば分かる通り、アプリを立ち上げた時にアプリ自身が「モザイクをかけてもいいですか?」とユーザーに聞く様にしています。
こう言う事をすると、また審査で不合格になってしまいそうなので「モザイクをかけてもいいですか?」の問いに対する「はい(Yes)」と「いいえ(No)」を選ぶボタンは、「はい(Yes)」の方を「いいえ(No)」よりも約1.6倍も面積を大きくして、アップル社の審査員に対して「暴力的表現の抑制に対し、このアプリはこんなにも積極的なんですよ!」とアピールしているつもりでいます(これが本当にアピールになるかは、甚だ疑問ですが…)。
しかも一回「いいえ(No)」を選択しても、しつこく「本当にそれでいんですか!」みたいな事をアプリが聞いてきます。
モザイクの処理をスキップするには「いいえ(No)」を二回も押さなければいけない仕様になってます(モザイクOKの場合は「はい(Yes)」を一回だけ押せば済みます)。
こんな方法でお茶を濁すやり方が、本当に審査員に対して何らかのアピールになるのかは全く不明ですが、もし同じ様な問題で悩んでいる人がいたら、どう言う結果になったかこのブログで報告しますので暫くお待ち下さい。
モザイクを掛ける方法がアメリカ人の審査員に対して有効なのかも気になる所です。
と言うのも、アメリカでは見せたくない映像にモザイクを掛ける事は一般的でなく、世界的に見ても意図的に隠したい映像に対してモザイクを掛けるのは日本くらいです。
アップル社の審査員の中には日本人もいますが(※以前、アップル社の審査チームに問い合わせをしたら、日本人スタッフから日本語でメールが返って来た事があります)、やはりアメリカ人がイニシアティブを握っているアップル社の審査チームに対して、世界的に見れば一般的とは言えないモザイクで隠す方法がどこまで有効なのか、非常に気になる所です。
+++++アプリの宣伝です+++++
ゲームのジャンル的には落ちもの系ゲーム(いわゆる、落ちげー)になります。
指一本で遊べるとても簡単な操作性ながら、ぷよぷよの様な「連鎖反応消し」等のテクニックも使えます。
興味のある方は下記のリンクからどうぞ。
[gooブログ] アップデート申請したiPhoneアプリが「ガイドライン1.1 不快なコンテンツ」でリジェクトされた件(2)
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