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(担当S)
■なかなか理解されない"ヒートポンプ"と言う言葉
担当Sは寒いのが大の苦手です。現在、担当Sは大阪に住んでいるんですけど、大阪と言う所は東・南・北を山に囲まれ、西には淡路島があって、一種の盆地みたいな地形になっています。
そのため冬は比較的過ごしやすいんですが、それでも2月頃になるとかなり寒くなります。
かなり寒くなるとは言っても氷点下を下回るのは稀で、北国のように毎日、氷点下以下の気温が続くなんてことはありません。
寒いのが苦手な担当Sは、氷点下以下の気温の日が毎日続くとか、そんな事は考えただけでめまいがします。
北国の人はホンマにタフやなぁと、担当Sは素朴に思ってしまいます。
もし担当Sが北国に移住したら、おそらく一日中、ストーブの前から離れられないでしょう。
そこで今回は、暖房器具に焦点を当てて話を進めていきたいと思います。
さて、本題に入る前に、暖房器具の歴史について、少し説明させて頂きます。
その昔、暖房器具と言えば石炭をくべて使うダルマストーブが主流でした。
ダルマストーブは戦後しばらく使われていて、担当Sが通っていた小学校の校舎にもダルマストープ専用の煙突なんかが残っていました。
残っていましたと書いたのは、ダルマストーブを使っている所を担当Sが一度も目にした事がないからです。担当Sが小学生の頃は、既に灯油ストーブが主流でした。
灯油ストーブに送風ファンを取り付けたのが、灯油ファンヒーターです。灯油ストーブだとストーブの周辺しか暖まらず、部屋全体を暖めようとすると時間がかかりますが、送風ファンが付いている灯油ファンヒーターなら短い時間で部屋全体を暖める事ができます。
それらストーブや灯油ファンヒーターに比べると、エアコンの暖房が現れたのは結構、最近です。
今時のエアコンは、冷房も暖房も両方できるのが当たり前になっていますが、その昔エアコンと言えばクーラーの事を指すのが一般的でした。
夏はクーラー、冬は灯油ストーブで暮らすのが昭和の終わり頃までは一般的でした。
実はクーラーも、冷暖房が可能な現在のエアコンも、構造的には殆ど一緒なのです。何が違うのかと言うと、エアコンの中に充填されている冷媒ガスを、逆転できるかどうか、その違いなんです。
冷暖房が可能な現在のエアコンは、冷媒ガスを正転させたり逆転させたりして冷房と暖房に対応しています。
さて、そのエアコンでどうして暖房できるのかと言うと、家の外の熱を取り込んで、取り込んだ熱を室内で解放する能力がエアコンに備わっているからです。
エアコンには必ず室外機(下の写真参照)と言うものが付いています。プロペラみたいなものが付いているので、部屋の空気を換気していると誤解されることがあるみたいですが、室外機に部屋の空気を換気する能力はありません。
さっきから担当Sは「家の外の熱を取り込んで…」と何度も繰り返し書いていますが、これは一体、どういう意味なのでしょうか?
実はエアコンには、お部屋を直接、暖める(あるいは冷やす)能力はありません。
こんな事を書くと「じゃぁ、何でエアコンをつけたら部屋ん中が暖かくなんねん?」とツッコまれそうですが、エアコンに直接的な暖房能力はなくても、家の外の熱を取り込んで、その熱を家の中に解放する能力がエアコンにはあるので、それを上手く応用して暖房を行っているのです。
世の中には色んなタイプのエアコンがありますけど、つまるところ、どのエアコンも、家の外から家の中へ熱を運んでいるだけの装置なんですね。
こういう働きをする機械や装置を総じて"ヒートポンプ"と呼びます。
この"ヒートポンプ"と言う言葉はイメージし辛いので、なかなか世間の人には理解されません。
しかし、理解されずとも、省エネとかを考えた場合は、"ヒートポンプ"は非常に有効な技術なのです。
'"ヒートポンプ"を利用する事で何のメリットがあるかと言うと、少ないエネルギーで家の中を沢山あたためたり、あるいは逆に沢山ひやしたりできるので、その点にメリットがあります。
電気ヒーターなどの暖房器具と、エアコンの暖房時の消費電力を比較比すると、その差は歴然です。
例えば消費電力が4kw(キロワット)の電気ヒーターと比較して、同じ分だけの暖房をエアコンを使って行った場合、だいたい1~2kw(キロワット)くらいの消費電力でエアコンは同等の仕事をしてくれます。
電気代の節約にも"ヒートポンプ"は有効なんですね。
最近の、乾燥まで全部やってくれる自動洗濯機には、この"ヒートポンプ"が搭載されているのですけど、それは従来の電気ヒーターで乾燥させる方式よりも"ヒートポンプ"を使ったほうが、大幅に電気代を節約できるので採用されているのです。
■気になる灯油ファンヒーターとのコストの差は…
単純にエネルギーの消費量だけを見たら、これは圧倒的にエアコンの暖房の方が有利です。
例えば畳12畳用の4kw(キロワット)の灯油ファンヒーターと、同じ能力の4kw(キロワット)のエアコンの消費するエネルギーの量を比較すると、4kw(キロワット)の灯油ファンヒーターは必ず4kw(キロワット)分の灯油を燃やす必要がありますが、エアコンなら暖房する能力が4kw(キロワット)の場合だと1~2kw(キロワット)くらいしか電力を消費しません。
この辺りまでは前章で比較した、電気ヒーターと事情は全く一緒ですね。
しかしエネルギーの消費量ついてエアコンの方がお得だとは言っても、灯油と電気じゃ単価が違うので、単純にどっちが損とか得とかいう比較はできません。
と、言うわけで、それぞれのエネルギーのコストについて検証してみます。
まず石油ファンヒーターについてですが、4kw(キロワット)の灯油ファンヒーターの場合、1時間あたり約390ccの灯油を消費します。灯油の1リットルあたりのお値段が約70円(店頭価格)くらいなので、お部屋を1時間あたためるには27円かかる計算になります。
一方のエアコンの暖房のコストはと言うと、4kw(キロワット)のエアコンなら最も効率が良い状態の時で、1時間に1kw(キロワット)の電力を消費します。電力1kw(キロワット)の単価が、だいたい23円(関西電力 従量電灯A)くらいですから、灯油ファンヒーターと比べるとエアコンの暖房の方が若干お得になります。
ただしエアコンの暖房の場合、気温や使われている環境により効率が変化しますから、同じ4kw(キロワット)の能力のエアコンでも電力を2kw(キロワット)消費する場合があります。そうなると灯油ファンヒーターの方が経済的にお得になります。
また、灯油価格もここ最近は下がってきてますが、需要の高まる冬場には価格が上昇する傾向にあるので、そうなるとエアコンに対して石油ファンヒーターはコスト的にかなり不利になります。
■結局は見極めが大事
前章でエアコンの暖房と灯油ファンヒーターと、どっちがお得かを検証しましたけれど、そんなに大きな違いはありませんでした。
エアコンの暖房の方が若干お得ですけど、エアコンを効率が悪い状態で使っていると、灯油ファンヒーターよりもコストかかる場合があります。結局、両者はどっこいどっこいと言う感じです。
ただし灯油価格は電気料金に比べ変動が激しいので、価格が急騰するような事があれば、エアコンによる暖房の方がコスト的にかなり有利になります。
エアコンもだんだん進化してきてますから、皆さんの自宅で今現在、使っているエアコンよりも、電気屋さんの店頭に並んでいる新型機種のエアコンの方が、より少ない電力で同等の暖房を行うことができます。
最新の一番効率の高いエアコンだと、灯油ファンヒーターよりもコスト的に、かなりお得になっています。
じゃぁ、灯油ファンヒーターは将来、必要とされなくなるかと言うと、そうじゃありません。
灯油ファンヒーターにはエアコンには無い、空気に潤いをもたらすと言うメリットがあります(注:灯油を燃やすと酸素と炭化水素が化学反応を起こして、二酸化炭素と水を発生させるから)。
人間の暑い寒いと言う感覚は、湿度にかなり左右されますから、体感的には灯油ファンヒーターによる暖房の方が、エアコンの暖房よりも暖かく感じられます。
エアコンの暖房だと、別に加湿器を使って空気に潤いをもたらさないと、体感的に寒く感じられるだけではなく、静電気の発生や季節性インフルエンザの感染(注:季節性インフルエンザは絶対湿度10mg/m3以下になると感染しやすくなります)を引き起こします。
結局は見極めが一番、重要だと思います。
以前、かなり急騰した灯油価格ですが、いろんな諸事情により、ここ暫くは安定した状態が続くと思います。
しかし再び灯油価格が急騰するような事があれば、奮発して新型のエアコンに買い替えた方が、結果的には安く付くかもしれません。
ちょっとネタが枯渇気味なので、今回は季節に関係するネタをやってみました。
次回はズバリ、タイムマシーンを取り上げます。
担当Sでした!
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