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(担当S)
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※本記事は2016/12/03に投稿した記事に、修正を加えて再投稿したものです。
■マルコ・ポーロも見たとされる謎の古代コンピューター
[写真]マルコ・ポーロが見たとされる元の古代コンピューター
ブログ担当の担当Sです。
今回は、マルコ・ポーロが見たとされる、古代中国のコンピューターについて、お話しさせていただきたいと思います。
多くの人が知ってる通り、マルコ・ポーロは、かの有名な「東方見聞録」の著者です。
その「東方見聞録」によると、マルコ・ポーロは何人かの仲間と共に元(現在の中国)に渡り、時の皇帝クビライに謁見することになります。その時、マルコ・ポーロはクビライに、どうした訳か痛く気に入られます。
なぜ、マルコ・ポーロがクビライに気に入られたのかは分かりません。単に馬があっただけなのか、それともクビライが思わず感心するような事をマルコ・ポーロが言ったのか。
「東方見聞録」をマルコ・ポーロの創作だとする説がありますから、このクビライとの一件も、もしかしたら作り話かもしれません。
で、とりあえず話を続けますが、クビライに気に入られたマルコ・ポーロは、元の役人に召し抱えられ数々の要職をこなすようになります。
そんなある時、マルコ・ポーロは元の官吏ら数名と共に、開封(現在の河南省)への派遣を命じられます。
現地に着くと、開封の役人は大都(元の首都で現在の北京)から遠路はるばる来てくれた事に対して痛く感激し、一行は早速、宮殿の中へと招かれ歓迎を受けます。
開封の役人に言われるままマルコ・ポーロは宮殿の中へ入ろうとしますが、宮殿の建物の横に設置された、とても奇妙で巨大な機械に、彼の目が止まります。
その機械は一辺がおよそ10~15mはある箱のような形をしており、機械の隙間からは歯車のような物が顔を覗かせていました。
そして機械の上部には、天球を摸したと思われる直径2mほどの大きさの球が据えられており、その球をジッと見てると、微かにですが動いているようにも見えます。
初めて見るこの奇妙な機械に、強い好奇心を覚えたマルコ・ポーロは、傍にいた開封の役人に何の機械なのかと尋ねると、役人はこう答えました。
「これは天球の動きを正確に計算する機械で、天の動きに狂いがないかを、この機械を使って毎日、確認しているのです」
役人の話によれば、この世の吉凶というのは全て天の動きと連動しているので、災いが起こるときには、必ず天の動きに乱れが生じるが、その乱れを知る為には、この機械は欠かせないのだと言う。
役人は更に話を続けます。この機械は昔、開封に住んでいた、とある高名な学者が作ったもので、作られてから既に数世紀は経っているのだという事も、マルコ・ポーロに教えてくれました。
その後、マルコ・ポーロは開封の宮殿に三日ほど滞在しますが、例の機械が朝と昼と夕と三回、必ず決まった時間にドラを鳴らしたので、マルコ・ポーロは驚きました。
機械の仕組みがどうなっているのか、とても気になったマルコ・ポーロは、開封の役人に中を見せてもらえないかと頼みますが「機械の仕組は門外不出にせよとの伝承が伝わっているので、お見せする事が出来ません。仮にあなたが皇帝であったしても、それは一緒の事です」と言われて断られてしまいます。
謎を抱えたまま、マルコ・ポーロ一行は開封を後にしますが、その後、この一種のコンピューターとも言える奇妙な機械は、1世紀を待たずして戦火で失われてしまいます。
現代、この機械について残っているものと言えば、マルコ・ポーロが見たと言う伝承と、当時の中国人が書き残したと思われる数枚のスケッチだけです。
このような機械が、本当に古代の中国に存在したのでしょうか?
この謎が解ける日が、いつやってくるのかについては、誰も知る術がありません。
■千年の時を経て解かれる古代コンピューターの謎!
[写真]復元された「水運儀象台」
前章では、なんだかオカルトちっくな、古代コンピュータなるものが出てきましね。
先に断っておきますが、前章の話には、だいぶ創作が混ざっています。スンマセンm(_ _)m マルコ・ポーロについての資料が手元にあまりないので、彼が謎の機械を知るに至った経緯について不明な箇所については、思いっきり創作を挿し混んでいます。
とりあえず、創作の部分を列記すると…
①開封(現在の河南省)の役人らから熱烈な歓迎を受けたと言う話はウソ。
②謎の機械が数世紀も開封に存在したと言う話はウソ
③機械の内部を門外不出だから見せられないと言われた話はウソ。
④そもそもマルコ・ポーロの傍にいたとされる開封の役人の存在自体がウソ。
⑤そもそもマルコ・ポーロが開封への派遣を命じられたこと自体がウソ。
「なんや、ウソばっかりかい!」とお叱りを受けそうですが、ちゃんと本当の部分もあります。
本当の部分を列記すると…
①当時の中国の人が、天球の動きを非常に気にしていたと言う話はホント。
②謎の機械が決まった時間にドラを鳴らしたのもホント。
③謎の機械で天球の動きを監視してたと言うのもホント。
ちょっと本当の部分が少ないような気がしますけど、謎の機械が実在したと言うのは、どうやら本当みたいです。
マルコ・ポーロが、この謎の機械を中国にいた時に見たと言う話は、何かの資料で見た記憶があるので、そういう伝承があるのは事実みたいなんですけど、「マルコ・ポーロ、実は中国に行ってない説」が存在したりもするので、マルコ・ポーロが貿易商人とかから聞いた話を、あたかも自分が中国に行って見てきたように語っていただけなのかも知れません。
実は、この謎の機械の資料はちゃんと残っていて、11世紀の宋(昔の中国の王朝)の学者、蘇頌が「新儀象法要」と言う書物に設計図を書き残してくれてます。
前章の話では「数枚のスケッチ」しか残っていない事になっていましたが、スンマセン、これもウソでしたm(_ _)m
このマルコ・ポーロが見たとされる、謎の機械の正体は何なのかと言うと、それはズバリ天文時計です。
天文時計をコンピューターに含めるのは、議論の分かれるところだとは思いますが、電子式のコンピューターが現れる前は、機械仕掛けの計算機と言うものが数多く存在しましたし、また人間に代わって何かを予測したりする機械などを計算機と呼ぶ場合もあるので、この記事では天文時計の事を一種のコンピューターであるとして扱わさせて頂きます。
問題は、そんな昔の中国に、本当に天文時計を作るだけの技術があったのかと言う点です。
ヨーロッパで、このような天文時計が現れたのは14世紀頃ですから、マルコ・ポーロが生きた時代から実に100年も後の事です。
あまり知られていませんが、中世の中国は世界でもトップクラスの工学技術を持っており、機械時計にとって重要な機構である脱進機なども、723年に一行と言う名の僧と梁令?(?は王に賛)と言う人物の手によって発明されていましたから、マルコ・ポーロが生きた時代の何百年も前から、大掛かりな天文時計を作る技術的な下地が既にできていました。
実物は残っていませんが1088年から1092年にかけて、前述した蘇頌などを含めた数名の学者の手によって、宋の都である開封の宮殿に「水運儀象台」と呼ばれる、大掛かりな天文時計が作られます。
何故、宮殿内に大掛かりな天文時計が作られたかと言えば、当時は政治と占星術が密接に関わっており、何か災いが起こる前には、必ず天体の運行が狂うと信じられていたからです。
天体の運行が狂うとかと聞くと、何かとてつもない事でも起きるのではないかと思ってしまいますが、そうではなくて、夜空に突然現れる彗星や超新星の事を、天体の運行の狂いだと捉えていたのでした。
特に彗星は、洋の東西を問わず長い間、不吉な出来事の前触れだと信じられていましたから、当時の人達の目に天体の運行が狂ったように見えても、決しておかしくはありません。
こう言った占星術以外にも、「水運儀象台」のような機械があれば、農業で種を蒔く時期なども正確に把握する事ができたでしょう。
農業で種を蒔く時期を知るには正確な暦が必要になりますが、その暦を作るのには天文学の知識が欠かせません。
昔の占星術は天文学的な要素を多分に含んでいましたから、天体の運行を知るために作られた「水運儀象台」は、暦を知る上でも役に立ったはずです。
暦の知識がまだ乏しかった時代に、こう言う機械で種蒔きの時期を正確に把握できれば、皇帝の権力の強化などにも一役買ってたのではないでしょうか。
その「水運儀象台」ですが、形式的には機械仕掛けの天文時計に分類されますが、西洋の振り子やテンプを使った機械時計とは異なり、ししおどし(水の流入により、一定間隔で「カコーン!」と鳴る竹で出来たアレ)のような仕組みを応用して、時を刻んでいました。
この仕組みだと正確な時を刻むのには限界がありますが、それでも蘇頌らが開封の宮殿内に作ったとされる「水運儀象台」は、1日に2分程しかズレませんでした。
この話を聞いて「えっ?実物が残ってないのに、なんでそんな事がわかんねん?」と思ったそこのあなた。あなたは鋭いですよ!
実は、この「水運儀象台」を、京大とセイコーの共同チームが、残された設計図から再現する事に成功しているのです(この章の冒頭の写真がそれです)。
ちなみにこの時、世界中で同じような「水運儀象台」を再現する試みが実施されましたが見事、再現に成功したのは京大とセイコーの共同チームだけでした。
この再現によって、当時の中国が今まで考えられていたよりも、遥かに高い工学技術を持っていた事が実証されたのです。
中国は19世紀以降は一方的に西欧列強に押され続け、現代においても、ある意味ネタ国家的な扱いを受けていますが、古代中国は真に偉大な国家だったようです(※古代限定です)。
世の中には「これぞ、オーパーツ(その時代の技術レベルではとても作れそうもない、古代遺物の事)」と噂されるものが沢山存在しますけど、案外、古代人の技術レベルを過小評価しているだけなのかもしれませんね。
今回はオカルトネタのように見せかけて中国史を扱ってみました。
次回以降から、少しおもむきを変えてみようかと思います。
担当Sでした!
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