オレは「スペシャルマン」と呼ばれる正義のヒーローだ。常人の及ばない様々な特殊能力を秘めている。この力で悪を倒し続けているのだ。
さて、ヒーローの条件の一つとして認識されているものに、正体を秘めると言う事がある。
オレはこれが不満だ。何故隠さなければならないのだ? はっきり言って悪い事をしているわけではないのだ。その逆じゃないか。オレは世のため人のために悪と戦っているのだ。むしろ悪のヤツらのほうが、堂々と正体をさらしている。これはおかしいと思わないか?
だからオレは堂々と正体をさらすことにしている。本名は桜木徹也、二十六歳。独身。恋人無し。普段は平凡な会社員。ここまで正体を明かしても、オレは平気だ。そう、オレに後ろめたい事など何も無いからだ。どうだ、すごいだろう。
最近は悪の軍団「ブラックシャドウ」を壊滅させるために戦っている。この前も都心に現れた「ブラックシャドウ」の手先「ブラックナイト一号」と戦った。
ヤツは巨大な人型アーマーメカに乗り込み、オレを襲う。その破壊力は凄まじかった。オレは攻撃をかわしながら戦った。かなり手こずったが、最後はオレの決め技「スペシャルキック」をお見舞いし、「ブラックナイト一号」はアーマーメカと共に爆発した。オレは勝ったのだ。しかし、気は抜けない。いつまた「ブラックシャドウ」が敵を送り込んでくるのか分からないからだ。
戦いの翌日、オレの携帯電話が鳴った。政府の某用人からだった。
「今回の損害は、ビル三軒、信号機四基、タクシー八台、その他色々だ。一応立て替えておいたが、請求書は回しておいた。一生かけて支払ってもらおう」
「待ってくれ、それならば、ブラックシャドウにも請求しろ」
「したいのはやまやまだが、住所が分からない。それに、悪の軍団が支払うと思うかね?」
「・・・イヤ、支払いっこないだろうな・・・」
「じゃ、そう言う事で。頼もしいな、正義のヒーローは!」
オレは電話を切った。迂闊だった。下手に正体をさらすんじゃなかった。こんなんじゃ、オレが悪のヒーローになってしまうかもしれない。
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さて、ヒーローの条件の一つとして認識されているものに、正体を秘めると言う事がある。
オレはこれが不満だ。何故隠さなければならないのだ? はっきり言って悪い事をしているわけではないのだ。その逆じゃないか。オレは世のため人のために悪と戦っているのだ。むしろ悪のヤツらのほうが、堂々と正体をさらしている。これはおかしいと思わないか?
だからオレは堂々と正体をさらすことにしている。本名は桜木徹也、二十六歳。独身。恋人無し。普段は平凡な会社員。ここまで正体を明かしても、オレは平気だ。そう、オレに後ろめたい事など何も無いからだ。どうだ、すごいだろう。
最近は悪の軍団「ブラックシャドウ」を壊滅させるために戦っている。この前も都心に現れた「ブラックシャドウ」の手先「ブラックナイト一号」と戦った。
ヤツは巨大な人型アーマーメカに乗り込み、オレを襲う。その破壊力は凄まじかった。オレは攻撃をかわしながら戦った。かなり手こずったが、最後はオレの決め技「スペシャルキック」をお見舞いし、「ブラックナイト一号」はアーマーメカと共に爆発した。オレは勝ったのだ。しかし、気は抜けない。いつまた「ブラックシャドウ」が敵を送り込んでくるのか分からないからだ。
戦いの翌日、オレの携帯電話が鳴った。政府の某用人からだった。
「今回の損害は、ビル三軒、信号機四基、タクシー八台、その他色々だ。一応立て替えておいたが、請求書は回しておいた。一生かけて支払ってもらおう」
「待ってくれ、それならば、ブラックシャドウにも請求しろ」
「したいのはやまやまだが、住所が分からない。それに、悪の軍団が支払うと思うかね?」
「・・・イヤ、支払いっこないだろうな・・・」
「じゃ、そう言う事で。頼もしいな、正義のヒーローは!」
オレは電話を切った。迂闊だった。下手に正体をさらすんじゃなかった。こんなんじゃ、オレが悪のヒーローになってしまうかもしれない。
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