シンドバッドは二番目の航海の時、ふと立ち寄った島の砂浜に転がると、ついつい眠ってしまった。目が覚めると、シンドバッドの船の姿が見えなかった。沖合いを見ると船の姿が小さくなって遠ざかって行く。
「取り残されてしまったか。欲深なヤツらを雇ったせいだな」
シンドバッドは言いながらも口元に笑みが浮かんでいる。それから悠々とした動きで小枝や枯葉を集め始めた。ある程度集めると、それに火をつけた。そろそろと煙が立ち昇り始めた。煙は勢いを増し、天高く上った。
しばらくすると、地を覆う黒い影が現われた。シンドバッドは空を見上げた。
「おお、来てくれたか。降りて来い!」
羽音高く降りて来たのは巨大な鳥、ロック鳥だった。シンドバッドはその嘴の先端をなでてやる。ロック鳥は暴れない。懐いているようだった。
「あの船だが、沈めて来て欲しいのだ。分かるか?」
ロック鳥は一声叫ぶと一度島の奥地へ飛び、両足に大きな岩を掴んで戻ってくると、そのまま沖へ向かって飛んでいった。ロック鳥はあっと言う間に船に追いつき、その上に掴んでいた岩を落とし、沈めてしまった。
「はっはっは! 思い知ったか! どんな事にも万全の備えをしているのが真の船乗りだ!」
それから戻ってくるロック鳥を見てつぶやいた。
「・・・ただ、あの鳥の餌の象の調達に、金がかかるのが難点だがな」
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「取り残されてしまったか。欲深なヤツらを雇ったせいだな」
シンドバッドは言いながらも口元に笑みが浮かんでいる。それから悠々とした動きで小枝や枯葉を集め始めた。ある程度集めると、それに火をつけた。そろそろと煙が立ち昇り始めた。煙は勢いを増し、天高く上った。
しばらくすると、地を覆う黒い影が現われた。シンドバッドは空を見上げた。
「おお、来てくれたか。降りて来い!」
羽音高く降りて来たのは巨大な鳥、ロック鳥だった。シンドバッドはその嘴の先端をなでてやる。ロック鳥は暴れない。懐いているようだった。
「あの船だが、沈めて来て欲しいのだ。分かるか?」
ロック鳥は一声叫ぶと一度島の奥地へ飛び、両足に大きな岩を掴んで戻ってくると、そのまま沖へ向かって飛んでいった。ロック鳥はあっと言う間に船に追いつき、その上に掴んでいた岩を落とし、沈めてしまった。
「はっはっは! 思い知ったか! どんな事にも万全の備えをしているのが真の船乗りだ!」
それから戻ってくるロック鳥を見てつぶやいた。
「・・・ただ、あの鳥の餌の象の調達に、金がかかるのが難点だがな」
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