シンドバッドは四度目の航海の時、その帰路で海賊に襲われた。船員たちは皆殺しにされて海へ放り込まれた。シンドバッドは船倉に隠れていたが、ついに見つかってしまった
「お前がこの船の主だな」海賊の首領が剣先をシンドバッドに押しつけながら言った。「大人しくしてな! 金目の物は全部もらって行くぜ」
「仕方ないだろう。しかし、この箱だけは勘弁してくれ」シンドバッドは組紐で縛られて封印してある黒塗りの木箱を胸に抱えて言った。「これは東洋の珍しい物なんだ。次はいつ手に入るか分からない」
「馬鹿だな。言わなきゃ、こんな木箱なんぞ気にもしなかったのに、もう遅いぜ!」
首領は無理矢理奪い取ると、シンドバッドを蹴飛ばした。
「命と船だけは助けてやる。面は覚えた。仕入れたらまた襲ってやるから、せいぜい仕事に励むんだな!」
首領は大声で笑いながら部下達と共に去って行った。
静かになったのを見計らい、シンドバッドは甲板に上がった。
海賊船が離れ始めていた。
集まった部下達を前に、首領は木箱の紐を解き、上蓋を外した。途端にもうもうと白煙が上がり、首領と部下達を包んだ。煙が消えると、海賊達はすっかりよぼよぼの老人になり、力尽きたようにばたばたと倒れて行った。
「これが『玉手箱』と言う物の正体だったのか! 東洋の神秘とは怖ろしいものだ・・・」
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「お前がこの船の主だな」海賊の首領が剣先をシンドバッドに押しつけながら言った。「大人しくしてな! 金目の物は全部もらって行くぜ」
「仕方ないだろう。しかし、この箱だけは勘弁してくれ」シンドバッドは組紐で縛られて封印してある黒塗りの木箱を胸に抱えて言った。「これは東洋の珍しい物なんだ。次はいつ手に入るか分からない」
「馬鹿だな。言わなきゃ、こんな木箱なんぞ気にもしなかったのに、もう遅いぜ!」
首領は無理矢理奪い取ると、シンドバッドを蹴飛ばした。
「命と船だけは助けてやる。面は覚えた。仕入れたらまた襲ってやるから、せいぜい仕事に励むんだな!」
首領は大声で笑いながら部下達と共に去って行った。
静かになったのを見計らい、シンドバッドは甲板に上がった。
海賊船が離れ始めていた。
集まった部下達を前に、首領は木箱の紐を解き、上蓋を外した。途端にもうもうと白煙が上がり、首領と部下達を包んだ。煙が消えると、海賊達はすっかりよぼよぼの老人になり、力尽きたようにばたばたと倒れて行った。
「これが『玉手箱』と言う物の正体だったのか! 東洋の神秘とは怖ろしいものだ・・・」
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