お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラックジョーク『名医ハリー・68』

2020年06月19日 | 名医ハリー(ショートショート)
336
「わたし、ハリー先生のお手伝いをしたのよ」
「新人外科医のあなたが?」
「ええ、自宅の先生からの指示で手術をしたの。いわゆるリモート手術ね」
「で、上手く行ったの?」
「ハリー先生のリモート手術よ」
「ああ、外の黒い車はそのせいか……」


337
「スミスさんの所、やたらと見舞い客が多いわね」
「スミスさんの奥さんがあちこちから連れて来ているのよ」
「あら、個室になって寂しそうだからかしらね?」
「いいえ、そんな中に一人でもあれの人がいたら、うつしてやろうって魂胆のようよ……」


338
「ねえ、看護師のお姉さん、今はウイルスが流行していて心配ね。どこの誰に感染するか分からないんだもの」
「大人になると、どこの誰でも良いって思う事も多いものなのよ、メイベルちゃん……」


339
「あなた、感染病棟の看護に異動なんですってね」
「そうなのよ。向こうは人手が足りないらしくてね。でも、ちょっと心配だわ」
「あなたなら大丈夫よ」
「あら、励ましてくれるの?」
「いいえ、あなたなら、ウイルスの方から絶対避けて通るからよ」


340
「わたし、アリス先生のお手伝いをしたのよ」
「新人外科医のあなたが?」
「ええ、自宅の先生からの指示で手術をしたの。いわゆるリモート手術ね」
「で、上手く行ったの?」
「上手く行き過ぎて、先生が驚いて失神しちゃったのよ」
「ああ、外の救急車はそのせいか……」




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