2024/12/13 fry
前回の章
一番下の弟だった貴彦と縁を切った俺。
叔母さんのピーちゃんもあんまりだ。
様子縁組したなら一言伝えてくれていれば、こうまで複雑な心境になる事なんてなかった。
内緒でそれを行い、バレて聞いても誤魔化した貴彦。
その腐った性根が許せないのだ。
それにしても家の戸籍謄本を見て知ったという加藤皐月。
どこまで金に意地汚いのだろうか。
先輩の坊主さんが「智、おまえはこの家を出たほうがいい」と再三言われ続けてきた。
まさか、こんな仕打ちまで受けるなんてな……。
取り乱しはしなかった。
だが、俺は根底にまで一生消えない傷を負ったのだ。
いずれこの事を書く前に、今一度整理しよう。
身内の事だけでいい。
俺が狂う前に……。
いつの頃か分からないが、幼少時代の写真を手に取る。
虐待を繰り返したお袋は、俺が小学二年生の冬に出て行った。
俺たち男三兄弟を置いて。
親父は昔から女遊びが酷かった。
料理をしようとしただけで、親父は「女みてえな真似しやがって」と殴られた。
高校生の時、三人の人妻が家へ一斉に乗り込んできた。
その時いた一人の加藤皐月。
今じゃ戸籍上俺の母親になっている。
叔母さんのピーちゃんからは「何故おまえたちのお母さんが離婚をしないか分かるか? うちの財産が目当てだからだよ」と再三言われて育った。
まず社会人になって親父とお袋を離婚させたい。
だから大学の進学などまったく考えずに、すぐ就職が決まる自衛隊を選んだ。
まず、この選択こそが俺の間違いの発端なのだろう。
この頃から叔母さんのピーちゃんとの仲が悪くなったような気がする。
自衛官として社会人になった俺は、高校卒業と同時にお袋のところへ行き、離婚の話をした。
他の男性と一緒に暮らしていたお袋は了承し、親父と離婚をする。
少し見直した俺は、出て行ったお袋の言い分も聞いてやろうと何度か足を運ぶ。
オヤジなそんな俺に対し「お袋が恋しいのか? 岩上の姓を捨てろ」と言った。
親父のケツを拭いただけなのに……。
それでも俺はお袋の言い分を聞きに行った。
だがお袋は変わっていなかった。
「何でこんな馬鹿に育っちゃったんだろ。私が育てていれば……」
そう絶対に言ってはならない禁句を自分で口にした。
お袋との縁はここで完全に切れた。
全日本プロレスを目指すようになった俺に対し、ピーちゃんの嫌がらせに近い行為が始まる。
俺の食事だけ食卓に並べられる事はなかった。
自分でご飯を作っていると「私が台所使うからどけ」と邪険にされた。
冷蔵庫にあるキャベツの葉一枚使っただけで「泥棒が」と罵られた。
俺、そんなに悪い事をしているのか?
この頃自身の根底に沈殿していた憎悪に気付く。
歌舞伎町時代を謳歌していた俺。
怪我して無職で金の無い弟の貴彦へ、せめて兄らしい事をと小遣いをやるようになる。
感謝するどころか「兄貴は金の使い方を分かってないから、俺が使ってやってんだ」と周りに風潮尾しながら図に乗る貴彦。
俺は貴彦を蹴っ飛ばすが、この辺でコイツとの関係はおかしくなった。
徹也から「家の一大事なのに兄貴はいつも知らん顔だ」と言われ、初めて家の状況へ目を向けた。
この頃加藤皐月が、家へ勝手に住み着き出した。
誰も知らない中、親父と加藤は籍を入れていた。
加藤皐月が、俺たち三兄弟の戸籍上母親になっていたのだ。
ピーちゃんは「おまえがあの時余計な真似をするからこうなった」と俺を責める。
おかしいのは両親を離婚させた俺でなく、親父と加藤だろ?
何故本人たちにそれを言わない?
親父が社長になり、叔母さんは家業を辞め、それでも三階のフロアーすべてを使って住んでいる。
好き放題に金を使う親父と加藤。
そこに貴彦とピーちゃんの養子縁組の話。
本当にみんな狂っている。
俺もまともだとは言えないが、みんなはそれ以上だ。
嘆くな。
もうここまでは実際に目の当たりに起こった事実なのだ。
三十八歳無職の俺。
何ができる?
小説を書くしかないんだろ?
ホームラン劇場の亡くなった酒井さんに誓ったんだろ?
俺の小説を世に出し、映像化するって……。
松本清張の『鬼畜』を超える作品を書くんだろ?
『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』で……。
書こうよ。
グダグダ考えていないで、とにかく書こう。
俺にはそれしかできないのだから……。
職安に行き、休業補償を申請した。
三ヶ月分は、二十万円近い金額をこれで受け取る事ができる。
俺は同級生の飯野君を食事へ誘う。
暗い出来事ばかりが多かったので、明るい話がしたかった。
帰ってからミクシィを起動し、記事を書く。
忘れっぽいのでこの興奮を日記に書いておこう……。
昼、同級生のかわごえれっずさんと、ステーキを食いながら、暇なので大きな神社へ行こうと唐突に言い出した。
できれば群馬県にある『春名神社』や茨城の『鹿島神宮』などへ……。
壮大な自然に囲まれ、自己を認識したくなったのだ。
でもこの辺にはそんな神社がないので、いきなり東松山市にある『神秘珍々ニコニコ園』へ行こうと決める。
何でそんな事をいきなり言い出したかというと、昔、私が十九歳の頃、仕事で近辺を通り掛かった時、偶然見つけたのだ。
その時は「何だ、この変なところは?」と素通りした為、約二十年経った今になり、急に気になりだした訳である。
携帯で調べながら東武東上線『高坂』駅まで行き、『神秘珍々ニコニコ園』を見つけようとしていたが、車でグルグル何度も同じところを回り、結局見つけられなかった。
何でも二千四年に惜しまれつつ閉園してしまったらしい……。
二千七年三月末に、ニコ園があった建物が撤去され、それに伴い作品群も廃棄されることになったと、かわごえれっずさんが調べてくれる。
不完全燃焼のまま適当に車を走らせると、『吉見百穴』の看板が……。
かわごえれっずさんは行った事がないとの事で、『吉見百穴』へと向かう。
入場料三百円で中に入れるが、別段そんな気分にもなれず外から百穴を撮影。
これが吉見百穴だ!
帰り道、ジンギスカンの看板が目に入り、妙にジンギスカンが食べたくなった。
俺:「たまにはさ、温泉でもつかりながらジンギスカン食って、酒飲んでへべれげになりながらモヘーって寝られたら幸せじゃない?」
れっず:「そうだね」
俺:「じゃあ、独身男集めて小旅行なんてどう?」
れっず:「いいねえ」
そんなこんなで話題が盛り上がり、早速家に帰ってインターネットで色々と調べてみる。
全日本プロレス、浅草ビューホテル、新宿歌舞伎町、整体開業と来た私は、みんなが楽しむような事をまったくしてこなかったのだ。
急に損をした気分になり、様々なプランを考えてみる。
ジンギスカンもいいけど、バンガローに泊まりバーベキューなんてのもいいなあ……。
一人で色々想像し、妙に楽しくなった私はかわごえれっずさんへ電話を掛け、こういうのはどうだろう?、こうしてああしたら面白くない?と長話をした。
じゃあまずできる事からやっていこうかと、話し合いをする内に食べ物の話になってきた
以前私が作ったちゃんこ鍋。
二月になったら、私が全日本プロレス仕込みのちゃんこ鍋を作る。
「川越でピザハットがレストランを出して食べ放題らしいよ」と教えてもらった時、「そういえば二五四沿いに食べ放題の店あったでしょ?」と聞くと、かわごえれっずさんは「カーニバルブッフェでしょ」と答える。
俺:「じゃあ、そこ行かない?」
れっず:「申し訳ないけど、さっきステーキ食べたばかりだから……」
こうなると無性に何だかカーニバルブッフェに行きたくなってきた。
KDDIを辞めてから何もせず、ただ時間が経つような日々を過ごしてきたが、そろそろ動き出すとするか。
そうなると、執筆意欲も沸いてきた。
そういえば先日童心に帰り、原点である山中恒の本を読んだっけ。
彼は児童作家のくせに、妙に反社会的なところがあるんだなあという新発見があった事を思い出す。
待てよ……。
今度は児童小説でも挑戦してみようかな?
子供が読むんだから、シンプルで尚且つ面白おかしく。
すぐピーンときた。
真田広之主演の『里見八犬伝』は子供の頃大好きだった。
中学生、いや小学生でもいいけど、『里美』って女の子がおばあちゃんから『里見八犬伝』の話を聞いて、ビー玉に『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』の文字を書いて同級生に配る。
すると不思議な事に同級生たちは犬塚信乃や犬山道節の魂が乗り移り……。
うん、これはこれで結構面白いかもしれないなあ、『平成里美八犬伝』なんて題名にしちゃったりしてね。
馬鹿みたいなどうでもいい話題でも、明るく生きたかった。
始めよう。
『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』の執筆を……。
長い長い時間を掛けて、今俺は人生最大のマスターベーションをしているのだろう。
完成を目指している訳じゃない。
応募する為に書いている訳でもない。
ただひたすら書きたいから書いているだけ。
今年の一月十日から始めて、昨日までの時点で原稿用紙換算八百八十四枚まで執筆。
まだ書きたい事の二十分の一も書けていないから、どれぐらいの長さになるのかさえ自分でも分からない。
小松左京賞が三五〇枚~八〇〇枚、ポプラ社小説大賞が二〇〇枚~八〇〇枚、きらら文学賞が三〇〇枚~八〇〇枚、角川の日本ホラー大賞が一二一~一二〇〇枚なので、どこにも応募先がない。
まあそんな事どうでもいいんだけどね。
これが本当に完成しちゃったら、多分小説すら書かなくなるかもしれないなあ。
自分の気の向くまま好き勝手に書いている『鬼畜道 ~天子の羽を持つ子~』。
とりあえず今現在で原稿用紙千四十枚まで書けた。
ワードで原稿用紙換算する際、さすがにパソコンが重くなる……。
果たしてこれで四万枚なんて超えるようなものを書けるのか?
まあいいや。
ジャンボ鶴田師匠の言うように、何事も人生はチャレンジである!
小説を執筆しながら、ミクシィに思った事を記事に書く。
そんな日々を過ごしながら、一人のマイミクと出会う。
彼女は過去文学賞の選考委員も経験がある大の文学好き主婦。
そんなマイミクのしほさんから、貴重でありがたいアドバイスを頂いた。
しほちゃん
『忌み嫌われし子』 読ませていただきました。
読後感は「救いがねえ~っ」て感じですが、長男が頑張って、生き抜こうとするところに希望があるんでしょうか……。
どっちかっていうと罪のない奥さんと娘さんのその後のほうが思いっきり気になって、立ち直れなさそうなんですけど。
一番かわいそうなのはこの二人では?
全体的にとっても面白くて、最後まではらはらどきどき読めました。
そうきたか~って感じです。
ぜんぜん終わりまでネタばれしませんでした。
でもまあ、女の人が読んで、うげって思うのはわかる気がします 。
奥さんを犯す前に旦那が刺して、息子が死にながら自分の身の上を話して旦那が後悔して、息子を想う……。
殺人犯になっちゃうけど頑張って生きていく…、ぐらいのほうが嫌悪感少ないですね。
女の人は女の人が酷い目に遭うものは生理的に受け付けません。
救いがないと。
でも面白かったです。
俺は彼女がキチンと『忌み嫌われし子』を読んで、感想をくれた事に感謝した。
だが次のメールで打ちのめされる。
明らかに俺はこれまで図に乗っていたのだ。
しほちゃん
うーん、趣味で書いてる分にはよくできてるし、いいと思うんですけど、もし本気でどっかの賞に応募するんであれば、これだと出しても受からないと思うんですよね。
生意気言ってごめんなさい。
ジャンルとしてはいいと思うんですけど、もうちょっと推敲したほうがいいかも?
ご迷惑でなければちょっと気になった点、指摘させてもらってもいいでしょうか~?
不愉快に思われたら本当にごめんなさい。
まずはじめに、ところどころケアレスミスがありますよー。
最初パパさんの役職、部長ってなってるのに途中で課長になってます。
吸収率が早い←吸収が早い、もしくは吸収率が高い。
あとところどころ漢字の変換ミスがあるので探してみてね~。
大企業や、ちゃんとした企業には採用の際に住民票も戸籍謄本も提出するので、名前を偽って入社するのは無理。
本当の名前、聞く必要ないかも。
十八歳までお母さんに育てられながら、お母さんの実家のじいちゃんばあちゃんと一切交流が無いのは不自然。
もし妊娠してお母さんが実家に帰ったなら、連絡つくはず。
おじいちゃんおばあちゃんに育てられたっていう河合君のおいたちには無理があるのでは?
その辺の設定が甘い。
キャラ全員に感情移入できない。
パパさんの思い込みと河合君の思い込みだけで話が展開してるので、まったく共感できないし、身勝手な感じがして好意を持てない。
奥さんと娘さんのキャラが薄い。
最酷い目に遭って、そのまんまっていうのが不完全燃焼。
最後勝手に悟ったようになって天国に行くのも余計かなあ。
単純に読んでると同情の余地がなくて、河合くんが助かっても読後感が悪い。
最後まで河合君が悪に徹したほうがいいんじゃあ?
忌み嫌われし子ってタイトルになぞらえて時々はいるこの台詞も、ちょっととってつけた感じですよね。
全体的な文体が軽いので。
もっとおどろおどろしい世界観があるならいいんですけど……。
まあ~、などなど突っ込みどころ満載な感じなんですけど、全体的にまとまってるし、文章は読みやすいので、もうちょっと練り直してから作り直してみてはどうでしょうか?
ブログにハマっていく様子とか、他の人とのやりとりとかは共感できるし、読んでて面白い感じがしました。
もっともっといろんなパターンでどんどん話ができそうな内容です。
いろんなパターン作ってみて、一番評判いいので応募してみては?
ところで出版社に直接持ち込みとかした事ありますか?
一度編集さんに見てもらってはどうでしょうか?
専門家にアドバイスもらうとより、完成度高くなると思いますよ!
あまり人に読ませないって伺いました周り中中の人に見てもらって、アドバイス聞いて仕上げたほうがきっと面白くなるはず。
同じく小説家志望の方や、実際小説家の方とか特に勉強になります。
何様か~って思われたら本当にごめんなさい。
実際小説を一本仕上げるのって本当に大変な作業だし、まとまった作品を作るのって難しいですよね。
よーくわかります。
小説書いた事の無い人には分かんないですよねえ。
でもトモさんには才能があると思うか是非是非是非売れ筋の作家さんになってどんどん色々な本出して欲しいです。
彼女の反論を言えない的確な指摘。
これまでの自分を振り返ると、本当に甘いなあって痛感する。
まだまだ未熟なのだ。
それなのに小さな賞を運良く獲ってしまい、変なプライドだけが先行していたような気がする。
例えるなら、調教を受けていない馬がいきなりレースに走り出し、たまたま勝っちゃったようなもんだ。
いつも原稿用紙に換算すると三百枚~五百枚前後の作品が多く、勢いだけで書いていた。
自分で馬に例えるなら長距離タイプなんて思っていたけど、馬鹿だなあって反省する。
文学界という舞台に立っていたつもりなのが、まるで立っていない状況だったと自分を恥じた。
様々なアドバイスをくれたマイミクのしほさんには本当に感謝してもし切れない気持ちでいっぱい。
もっともっと頑張らなきゃ。
さてと、今は『鬼畜道 ~天子の羽を持つ子~』を頑張るぞー!
このやり取りをきっかけに俺はしほさんは、とにかく小説についてメールで論争を繰り広げた。
しほちゃん
> へー、すごい経歴を持っているんですね。
いやいや、まったく大した事ないです。
誰でもなれるんですよ。
うちの学校日本文学科だったからやっぱり小説家を目指してる人もいっぱいいて、教授も全員小説家やら新聞記者やら詩人の方ばっかりなわけですよ。
地方の少人数の学校だったので教授たちともみんな仲良しだったんですよねー。
なもんでそんな機会も普通にありました。
> 持ち込みってした事ないんですけど、いい方法って何かありますでしょうか?
持ち込むとしたら、どこの出版社いいとかヒントあったら教えて頂きたいです 。
面倒じゃなければよろしくお願いします 。
小説を毎月刊行してる雑誌ってありますよね。
文芸~とか。ちょっとお堅い感じのが。
そういうところって毎月新人大賞募集してるんですよ。
全部読んでみて、一番自分の作風とあってる文芸雑誌にしぼって毎月購読して、毎月投稿するのが一番かと思います。
…で、持ち込みも大歓迎って大抵書いてあるので、事前連絡してから原稿持って行ったらいいですよ。
でっかい賞にいきなり応募するのはかな~り難しいです。
大抵みなさん、どっかの同人雑誌とかに定期連載してたり何冊も本出してる人ばっかりだと思うんですよね。
自費出版がメインの出版社の賞だと多分今のままでも十分受賞できそうなんですけど。
自伝小説いいですよね!
私も読んでみたいです。
全体的に無駄なエピソードが多いので影響ない部分は思い切って削っちゃうと、話の本質がより明確になりますよー。
あっちこっちとんだり、回想シーンが長い癖がありますよね。
文章構成磨けば、かなり完成度高まると思います。
ここをこうしたらもっといいのに~って思うのがすごーくいっぱいあります。
トモさんのいいところは読みやすい文章で一気に読めちゃうとこなので、ストーリー展開気をつければ、どんなジャンルでもいけるはず!
先生に見てもらってくださいね。
彼女の厳しくて温かい毒舌。
俺に一番欠けている部分の指摘。
血となり肉となっているのを感じた。
苛立つどころか、感謝さえ覚えている。
独学でこれまで勢いのみで書いてきたのだ。
悪い部分は悪いと指導してくれ、それでいてちゃんと長所も認めてくれている。
KDDIを辞め、失業保険で三ヶ月は食べていける状況。
これは自身の執筆スキルを上げる為の必要な期間なのだろう。
流れを大事にして下さい。
以前群馬の先生に言われた言葉。
なるほど、今こうした感情を持ち、こう考えられる環境を言うのか。
しほさんが俺の小説に興味を示してくれ、色々な問題点を指摘してくれる。
俺は彼女の行為にどっぷり甘えよう。
俺は『新宿クレッシェンド』を出してくれた出版社サイマリンガルとのこれまでのやり取りについても、詳しく話してみた。
しほちゃん
> あと俺はミステリー作家なんかじゃないですよ。
そうなんですね!
今まで拝見したのがミステリー系だったので、てっきりミステリー系が得意なのかと思ってました。
でもトモさんの書き方だとミステリーよりも自伝とか、コメディタッチのもののほうが似合う気がしますね。
ブログもとっても面白いし!
言葉の使い方にセンスを感じます。
しっかし、出版社酷いですね。
どこの出版社ですか?
印税払わないのって詐欺にあたるんじゃあ?
ちゃんと弁護士たてて請求したほうがいいんじゃないですか?
賞の賞金とかはちゃんと入ったんですか?
まあ、印税って実際売れた数によるので出版者と断絶状態じゃあ把握できないのかもしれないけど……。
絶版にされちゃったりするんでしょうか。
悔しいですね。
本当だったら賞とった出版社と専属契約結んで、ちゃんとした編集さんと組んで、二人三脚で次回作をどんどん作っていく環境にいられたはずなのに……。
受賞作の著作権は、その出版社になっちゃってるんでしょうか……。
まあ私はただの読書好きのおばちゃんで、言いたい事も好き勝手に言ってる感じなんですが、きっと読者もみんなこんな感じだと思うので、一読者のファンレター程度に思って大目に見て下さいね。
物書きを仕事にするのはすっごいストレスで大変だと思うんだけど、一生の仕事にできて、みんなが自分の作品に感動したり、共感したりしたら最高ですよね~。
その人の人生観まで変えちゃうような作品を作っちゃったり。
褒めちぎってくれる女の子たちや、擦り寄ってくる女の子たちをよーく観察して、次は恋愛ものにチャレンジしてみては?
女の子の感情の豊かさ、激しさは男の人にはない最高の材料ですよー。
経験はまさに宝ですよ。
うん、やっぱりこの人の意見なら、どんなに厳しい事を言われてもスルスルと素直に入ってくる。
サイマリンガルとのやり取りは、やはり専門の人が見ても酷く思ってくれた。
俺の置かれた環境の酷さを少しでも分かってくれる人がいて、心の中が温かくなる。
最初の担当編集の今井貴子自体に、まず無理があったのだ。
だから俺といつまで経っても平行線で分かり合えず、結局彼女は会社を退職という形で逃げてしまう。
本をこの世に出してから変に凝り固まっていた感情が、次第に溶けていくのを自覚する。
クレッシェンドが授賞したタイミングの時に、しほさんと会っていたら、もっと的確なアドバイスを受けられたのにな……。
いや、ここでこう会えて、こうやり取りできるようになっているのですら、群馬の先生の言う試練なんじゃないのか?
流れを大事にと、試練が多い。
この二つを組み合わせた場面が今。
何となくそう感じた。
しほちゃん
書いてるうちに人物がどんどん動いていって、自分でも結末がわからないタイプ?
最初に頭の中で話を決めてから一気に書いちゃうといいと思うんですけど、脱線しちゃうなら、やっぱり大まかなプロットは立てといたほうがいいんじゃないでしょうか。
そしたら伏線張るのもできますしね。
文章構成力は自分で書く事以上に、いい文章をたくさん読む事で身につくと思うんですよね。
文学部の人とかは一週間で夏目漱石の作品を全部読んで、二十枚のレポートにまとめてこいとかそんな作業ばっかりしてます。
ぴったり二十枚で。
どの作品のどの部分をとりあげて自分なりの解釈を展開していくか…とか、そういった作業の繰り返しで自然と文章構成力が身についてくわけですよね。
面倒かもしれないけどやっぱりいろんな人の作品を読んで、それに対する自分の解釈をまとめてみるっていうのも、勉強になると思います。
人の批評を見るのも凄くいい勉強になります。
時間がある時は純文学とか読んでみるのもいいかもしれませんよー。
俺は正直に自分で小説を書くようになってから、他人の小説を読む事ができなくなった事を伝える。
純文学か……。
夏目漱石の吾輩は猫である。
読んだ事もないや。
もし自衛隊など選ばず、文学系の大学へ行き、キチンと専攻していたら、俺もこんな風な考えを自然と持てたのだろうか?
自衛隊、探偵、全日本プロレス、浅草ビューホテル、裏稼業全般、SFCG、岩上整体、大日本印刷、KDDI……。
確かに俺は滅茶苦茶過ぎる。
大まかなところだけピックアップして、これだもんな。
これらに絵、ピアノ、料理、総合格闘技、小説が加わったのが俺。
小説を書いたからこそ、とりあえずバラバラだったものが線になって、徐々に繋がった。
それである程度満足していたが、しほさんの指摘から言えば、まだまだ甘過ぎるのだ。
本当に的確な指摘過ぎて、何も言い返せない。
俺はまだまだ彼女から、学ぶべき事が多くある。
しほちゃん
そうそう、何かでそう書いてあったの拝見しました。
例えば、他の人の本読んじゃうと影響されるのが怖い…ってのもありませんか?
執筆の時間が勿体ないってのも分かりますけど。
似たようなエピソード見て誰かの真似をしたと思われても嫌だとか。
でも人の作品からインスピレーションもらうのも、全然悪くない事だと思うんですよね。
いい作品を読んだ後は自分だったらこうしたい、ああしたい。って百人が百通りの感想があるわけだし。
正直これだけ本が溢れてるので、どんなにオリジナルのつもりでも大抵のストーリって出揃ってる感があります。
探せば自分が考えていた筋にそっくりなのなんていっぱい。
でもそれもまた鉄板ネタなんですよねえ。
ネタをいかに自分らしく仕上げるかっていう。
一番被らないのは、正に自伝風小説になるわけですけど。
そういう意味でもトモさんの経験を活かせる自伝小説っていいと思いますね。
私が自伝小説書いたとしても絶対面白くないもん。
波乱万丈あってこそですよね。
文豪と呼ばれる作家さんってすっごい波乱万丈な人生なんですよね。
だからこそ小説書けるんだろうなってつくづく思います。
そう…、俺が他の人より唯一勝っている点は経験のみ。
それしか無いのだ。
だから今書いている『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』はあながち間違っていないのだろう。
俺の自伝風小説になるのだから……。
滅茶苦茶な職歴に、チャレンジしてきた事。
そこへ家族の滅茶苦茶さまで加わるとしたら、書くジャンルは自伝しか無くなってしまうのだ。
たった数日間のやり取りで、ここまでお互いの意見を言い合える。
俺も彼女の事を全然知らないし、しほさんもこちらも現状を全然知らない。
俺は次に、家の現状を簡単に伝えてみる事にした。
おそらく誰もが驚くだろうという変な自信だけはあった。
しほちゃん
すっごいお父さんですね。
…っていうかすっごい家庭ですね。
三人兄弟なんですか?
父子家庭の?
何だか…こんな環境で育ったら、結婚に対して夢も希望も無いですね。
きっと……。
そして、女の人に対しても夢も希望も無いんでしょうね。
世の中凄い人もいるもんですね……。
怖いわ。
さっきちょうど新宿クレッシェンド読ませて頂きました!
やっぱりこういった話のほうが合ってるんですね!
構成も抜群だし、無駄のない感じ。
一気に読めました。
これが処女作なんて信じられません。
本当、才能が溢れてますね。
新宿歌舞伎町の一端を見た気がします
ゲーム喫茶なんて存在も知りませんでしたし。
一点疑問に思ったのは泉ちゃんは、何で主人公が好きなの?ってところかな。
好き好きって出てくる割にどんなところが好きで、そんなに一生懸命になってるのかが全然分からないから、頭が悪い女なのかなーって思いました。
普通職場の上司と一緒に食事しただけでいきなり上司を殴ったりしたら、警察に電話しますね。
そんな人好きになりません。
男らしいとかの問題じゃないよねえ。
暴力的だけど、こんなにいいところがあるのよーってエピソードがあったらもっと良かったかも!
…って単純に感想なんですけど。
男の人が描く女の人って、すっごい頭の悪い女が多いですよね。
みんなそうなんですけど。
女の人はそんな単純な存在じゃないよねって思うんだけど。
女流作家の書いた恋愛ものと男性作家の書いた恋愛もの見ると、男女は永遠に分かり合えないのねって思ってしまいます。
俺の処女作をこのように言ってくれた人は、初めてだった。
なるほどサイマリンガルの今井貴子が再三に渡って、校正したものをまだ改良の余地があると言い切れる。
もしこの作品をしほさんと共同作業で本にできていたら、どうなっていたのだろうか?
さすがにうちの家族構成を話したら、そこだけは驚いていたな……。
あと女性キャラクターに関して、設定が甘いか。
まあクレッシェンドのヒロイン泉は、高校生時代の初デートの相手永井泉から取っただけ。
しかも、現実の俺は泉からフラれているのだ。
処女作というのもあり、せめて小説の中くらいは好かれていたいというつまらない見栄が、ヒロインの泉の女性像を思い切り崩しているのだろう。
そりゃあ俺が勝手に理想像として書いた泉だから、頭悪いよな……。
しかしそれにしても、本当にしほさんの批評は勉強になる。
彼女を唸らせられるようなものを果たして俺は書けるのだろうか?
より高見へ。
構成力の向上。
キャラクターの肉付け。
物語に沿ったエピソード。
文章の勢いを消さず、いかにしてこれらを埋め込めるか。
しほさんの指摘点は、俺にとって苦手分野なのだろう。
自然とできるものと、意識して直さなければいけないところ。
文学は奥が深い故に難しい。
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