忘己利他

書道をやっています。大切な仲間に恵まれ、ふれあい、共に楽しむために・・・

風信雲書

2014-12-18 22:07:03 | 教室
クリスマスのイルミネーションが街のあちらこちらを飾り、
華やいだ景色に心沸き立ちます。
例年以上に寒い12月。
雪國には、厳しい寒波がおしよせ、
少しでも被害が少なくとお祈りしています。

ご紹介が遅くなりましたが、麗川会の教室で、
10月の課題として、「風信帖」の冒頭を書きました。

風信帖は、空海の書の最高傑作で、
空海が最澄に宛てた尺牘3通の総称です。
風信帖(1通目)、忽披帖(2通目)、忽恵帖(3通目)の3通を1巻にまとめたもので、
その1通目の書き出しの句に因んで「風信帖」という名前があります。

風信雲書、(自天翔臨)・・・風の(ような)便り、(たなびく)雲の様な美しい筆跡が天より舞い降りた
そんな素敵な書き出し、空海のロマンが伝わります。

ボリュームのあるふくよかな温かみのある線質、
潤渇の変化が巧みで、
文字は右へ傾き踏ん張っています。
行書と草書が混じり、線の繋がりは勿論、
気脈を繋げて書く事が大きなポイントです。



その秀作をご紹介します。

貞翠さんの作品です。
生き生きとした筆勢から、自信に満ちた伸びやかな筆の動きが観てとれます。
以前、書展に風信帖を出品した経験も生きていますが、
当時よりも一段と進歩が見えます。



紫陽さんの作品です。
紙面に対する文字の大きさと配置がよく、さすが熟練者。
滲みの強い紙を使い、空海の重厚な線を存分に表現していると思います。



千鳳さんの作品です。
落ち着きのある作品。一筆一筆堅実で筆法が確実。
かと言って固まらず、明るさを兼ね備えている。
最後の「書」を小さくし、作品への心憎い配慮がみえます。
内なる力をまだまだ蓄えている作品です。


この「風信帖」は、あまりにも有名な作品で、書を学ぶものならば誰もが書かなげればならないものです。
でも、改めて書いてみると、やっぱり難しいと実感しました

麗川会の1月のお稽古予定

上大岡教室   1/10(土)  1/17(土)  1/31(土)
杉田教室    1/11(日)  1/17(土)  1/25(日)  1/31(土)
阪東橋教室   1/15(木)  1/29(木)
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