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二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

「がん」と「こころ」のもちかた

2015年02月02日 | 癌(ガン)

ガン医療に関しては、分子生物学や遺伝子レベルでの発展は目覚ましいものがあり、日々様々な方法で研究が進められています。

ips細胞や、本当はあったのでは?とも思われる事実もある○○○○細胞など、科学や物理の世界での最先端の技術開発が医療の世界にも活かされてきていますし、今後、さらなる進歩を遂げるのではないでしょうか

現在、各医療機関で行われているガン医療において命を助けられる人もいれば、その逆の人も多く存在するのも真実であり、日本の統計では現在、死亡原因の二人に一人はガンで亡くなられているのが現状です。

高齢者が多くなったから仕方ないという話もチラホラ聞こえてきますが、本当にそれだけなんでしょうか

今後、現在の超高齢社会がピークを迎える2025年に向けて地域包括ケアシステムという仕組みが各地方自治体で骨子がまとめられ、来るべき時期に備え、介護や医療、そして地域の高齢者に関るすべての人たちが協力して、高齢者をみていくことができるシステムづくりのために、医療、介護、行政が知恵を出し合い、認知症予防をはじめ多くの課題に向き合っています。

高齢になってくると、どうしても身体的機能が衰えてきます。これは自然の摂理です。いくら運動しても、いくらいい物を食べても、この自然の摂理からは逃れることはできません。
では、何が理想なのか 「身の周りのことは、ほぼ自分でできる」元気な高齢者、「あの人、昨日まで元気に話とったのに~」「朝、部屋に起こしに行ったら息をしていなかった」等のピンピンコロリではありませんが、天寿を健康長寿で全うできる高齢者がたくさんいれば、日本の未来も明るくなるんじゃないでしょうか

逆に「まだまだ、お前たちに任せておけんわい」と、元気に活動される人生のベテランが若者を圧倒するかもしれませんね。

さて、高齢になれば細胞が新生される時のプリントミスも多くなり、血流や免疫力を含めた身体機能が低下してガンを発症する確率が多くなることは想像できることです。が、それでは予防はできないものなのでしょうか 病院で「もう治りませんよ」「これ以上良くなりませんよ」と言われれば、本当にそうなのでしょうか

ここで大切になってくるのが表題にもあります「こころ」の在り方向かう方向なのだと思いますね
「こころ」で全ての病気や症状が治るかと言われると、それはノーだと思いますが、同じ病気をしていても、「こころ」が前向きで、明るく、積極的なほうが、同じ人生を歩むことを考えると、そのほうが楽なのではないでしょうか

人間は他の動物にはないものを神様からいただきました
それは、「こころ」です。本能や感情ではなく、ものごとを思い、考え、判断し行動する能力です。その能力が現在の物質文明を創造し、いろんな夢を形に表現してきました。
その創造や夢は、宇宙にまで広がり、遠くは光の速さで132億年まで、ミクロの世界ではニュートリノなどの素粒子の世界まで捉えられるようになってきました。自然の摂理を利用し恩恵を受けた発明も数多く人間は生みだしてきました。

これすべて、人間の「こころ」が創造した産物とは言えないでしょうか

東洋医学では、人間を取り巻き恵みを与えてくれる(時に試練を)自然を大宇宙とし、人体はその大自然の中に存在する小宇宙であるという捉え方をしています。

ということは、「こころ」のもちかた、在り方、向かう方向によって、どれだけでも自分の中の小宇宙はコントロールし、その可能性を引き出すことができるのではないかと考えるのは私だけでしょうか

ここで、素問八王子クリニック院長で医師の真柄俊一先生の著書、『がん、自然治癒力のバカ力』で書かれていることを少し引用させていただきます。
これは、「天国の青い蝶」というDVDのお話です。

   引 用   

 簡単にあらすじだけをお話しましょう。主人公は重い脳腫瘍に侵された10歳のカナダ人少年ピートです。余命数ヵ月を宣告されたピート少年はただ一つの夢がありました。それは、世界で最も美しく神秘的といわれる蝶ブルー・モルフォを自分の目で見たい、直接手で触れたいということでした。その夢を叶えさせたいと、母親がピート少年を連れ、有名な昆虫学者アランを訪ね、蝶を探す旅へ連れていってほしいと懇願します。
 しかし、車イスのピートが熱帯雨林の旅に耐えられそうもなく、また季節的にブルー・モルフォを見つけるには遅すぎることから、アランはそっけなく断りました。

 それでも、ピート少年の「死ぬ前にどうしても青い蝶を見たい、触れたい」という想いはつのるばかり、その熱意に負けたアランは二人を連れて中南米の熱帯雨林に向かいます。
 ジャングルの中をアランはピートを肩車して歩きながら、蝶を探し続けますが、見つかりません。それどころか、崖から落ちて骨折したりと、さんざんな目にあいます。

 ほとんど蝶をあきらめかけていたころ奇蹟的なことが起こりました

 の少女がベンチに座っている時、この村でほとんど見ることができないはずのブルー・モルフォが飛んできて少女が手で捕まえたのです。ピートの想いを知っていた少女は、「あなたに」と言って少年に蝶をプレゼントします。

 ついに夢の叶ったピート少年は、神秘的な青い蝶に触れた後、「君は生きられる、いつか天国で会える」と語りかけ、空に放しました。

 そして、カナダに帰国するのですが、余命数ヵ月だったピート少年の脳腫瘍がいつの間にか消え、治っていたのです。

 ストーリーをたどると、いかにも良くできた作り話の映画と思われるかもしれません。しかし、これは1987年にカナダで実際にあったことを映画化したものであり、実話です。
 ピート少年と昆虫学者アランのモデルになった人たちが来日し、私はたまたまそのドキュメンタリー番組をテレビで見て知り、もちろん映画化されたものも見て、深い感動を覚えました。

 ピート少年の場合は、神秘的な美しい蝶を見たいという夢でしたが、肝心なことは、一心に何かを想い、願い、行動することです。そういう心の持ち方が体に反応し、医学的には"奇跡”と呼ばれるような結果を生むことがあります。実話に基づく映画は、それを見事に表現していると思います。

   終 了   

 心の持ち方と言われても・・・と仰る方もおられるかもしれません。
 私はそんなに強くない・・・そんな心になるのは無理と仰られる方もおられるかもしれません。

ガンの存在は忘れることはできないとは思いますが、それを上回る自分のやりたいこと、興味のあること、夢を実現するために行動すること、その積極的で、ワクワクする楽しい心が体の免疫系や神経系、内分泌系を含めた生体防御機構や修復機能、恒常性維持機構に働きかけ始めるのだと思います。

それは「青い蝶が見たい!」でも、「富士山へ登りたい」でも、「世界旅行へ行きたい」でも、「あの人のためにこれをしたい」「ボランティアで最後は世の中のために貢献したい」、「絵を描きたい」なんでもいいんだと思います。
何か熱中できる、情熱を傾けることができるものをみつけることが、人のあらゆる眠っていた機能をゆり起こすのかもしれませんね

また、上と同じ書籍からの引用です。

   引 用   

 アメリカの著名な心理学者エルマー・グリーンがいます。

 グリーンは、ほかの二人の学者が医学文献の中から集めた四百例にのぼる”がんの自然退縮”を分析し、そこに共通する要素を探り当てようと試みました。そのグリーンの研究について、自らもガンを体験し、患者サポートの会を組織している川又文夫氏が著書でこう紹介しています。

 「(がんが自然退縮した患者の)全員に共通することは、必ず何かの方法を固く信じていたということです。ある人は、ニンジンジュースがガンを殺すと思い続けていましたし、ある人は、グレープフルーツジュースが、また別の人は、高山での生活が、ガンを殺してくれると信じていたのです。四千個のパンが、ガンを殺すと信じた人もいます。もちろん四千個のパンに、ガンを殺す力はありませんがね。 しかし、もしあなたが心からそう信じることができるなら、きっとそうなるに違いありません。パンでガンを殺すことができるのです。

 深く信じる心は、脳の中の視床下部を通じて免疫機能を左右し、高めます。病気に対する態度を変え、心を変え、感情を変えるなら、身体の免疫システムは必ずそれに反応するのです。いいですか・・・。四百人がそれぞれに試みた方法は、じつにさまざまでした。結局、一番大切なことは、どんな方法を試みるかということよりも、何かをどこまで信じられるかということなんです。信仰で治ることがあるのも、そのためなんです。」

   終 了   

「信じること」ここは大事なことです。プラセーボ効果というものは、これも患者の「信じる」心や精神が関り効果を及ぼしているのだろうと思います。

日本でもガン患者の緩和医療現場において、患者をチーム医療で支え、「こころ」の面をもサポートする取り組みが多くの医療機関で行われるようになってきました。アメリカでは、サイコオンコロジスト(精神腫瘍科医)というスペシャリストが対応する取り組みが全米各地で行われているようです。

サイコオンコロジー(精神腫瘍学)は、さらに発展してきました。ストレス、性格、行動パターン、ライフイベント(人生の様々な出来事)、コーピング(対処)などが、身体症状や身体疾患と関連性があることは昔からよく知られたことでした。そして、そのメカニズムについては、これまで自律神経系(交感・副交感神経)や内分泌系(ホルモン系)が話題にされてきましたが、ここにこれら二つの系をすべて包含した意味での免疫系(ネットワーク)があり、これらのメカニズムを解明しようとする方法論である「精神神経免疫学」が学問分野として確立していきました。

その「信じる心」に付け込んでくるビジネスもあることは確かですが、それをここでお話していると永遠に終わらなくなってしまいます この辺りは判断の難しいところもあるのですが、前向きに、または今の自分を受け入れ、信じることができる何かを持つということは、がん患者さんだけではなく、他の病気を持つ人も、いろんな意味で苦しい境遇にある人も同じではないかと思いますね

やはり長くなってしまいましたが

心が変われば、運命も、そして人生も変わりうるということでないでしょうか。

心が変われば、空気も変わり、見える景色も変わり、そして体も心が思うように変わる、ということではないかなと推測しております

長~い文章、最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

  二葉鍼灸療院 田中良和


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