この歌を聴いてみてください。
知らない方のために記しておくと、この歌は、RCサクセションの『COVERS』というアルバムに入った、『シークレットエイジェントマン』という曲だ。
最初と最後の女性の声は、大韓空港機爆破事件(1987年)の実行犯の一人金賢姫で、これだけでも、当時相当話題になった。
だが、ぼくが注目したのは忌野清志郎と一緒に歌っている女性だ。このおどろおどろしい声の持ち主は、おわかりのとおり坂本冬美なのだ。このアルバムが発売されたのは1988年だから、彼女がデビューした翌年ということになる。
ぼくはそれまで演歌をあまり聴いたことはなく、坂本冬美も名前だけは知っていたのだが、歌は聴いたことはなかった。しかし、この声を聴いて彼女を好きになり、『夜桜お七』がヒットした後に、この人のベストアルバムを買うことになる。