何気なく鼻の下を触っていたら、一本の鼻毛が指に触れた。「後で切ろう」と思い、鼻の中に押し入れおいた。ところがすぐに下に降りて来た。
何度かこの作業を繰り返してみたが、埒が明かない。その都度、鼻毛は反発するようにお目見えする。そこでついに「今ここで切ってしまおう」と思いたった。ところが、運悪く身近にハサミが見当たらない。
たかだか一本のことだから、切ることが出来ないのなら抜けばいいじゃかと思うだろう。だが、ぼくの場合「抜く」という行為が問題なのだ。
元々鼻の中の皮膚が強いほうではないぼくは、過去に鼻毛を抜いて炎症を起こたことが何度もある。そのため、気になる鼻毛があっても、いつもその記憶が蘇り、抜くことを躊躇してしまうわけだ。
2,
とはいうものの、このしつこい鼻毛だけは退治しないと気が済まない。そこで恐怖心を振り払って抜くことにした。幸い周りには誰もいない。
鼻からはみ出した鼻毛を指で摘み、一気に引き抜いた。
「!!!」
引き抜いた鼻毛を見て、ぼくは驚いてしまった。どう見ても3センチはある。しかも白毛。こんなに長い鼻毛を見るのは、初めてのことだ。
「今日まで、この鼻毛はどこをどう這い回っていたのだろう」
自ずとそういう疑問が沸いてきた。何せぼくは、毎朝鼻毛をチェックしているのだから。
3,
なぜ、ぼくがそれほどまでして鼻毛を気にしているのかといえば、鼻毛でその人のイメージがガラッと変ることもあるからだ。
高校時代、他のクラスに美人と噂されている人がいた。その噂を聞いて、ぼくもそのクラスに見に行ったことがある。確かに顔立ちがよく、美人と噂されるのも頷けた。
ある日のこと。廊下でその子とすれ違ったことがある。その時、ぼくはその子の鼻から一本の鼻毛が出ているのに気がついた。その人がきれいだっただけに、ぼくはかなりのショックを受けてしまった。
それ以来、ぼくはその子をきれいだとは思わなくなった。そういう経緯があるため、ぼくは鼻毛を気にするのだ。
4,
しかし、この鼻毛はどこをどう這い回っていたのだろう。最近よくくしゃみが出るが、案外この鼻毛が原因だったのかもしれない。ということは、鼻のかなり上の方に潜り込んで、粘膜を刺激していたわけか。
5,
さて、この鼻毛をどうしようか。こういう記念物のような鼻毛にお目にかかるのは、今回が最初で最後かもしれない。
「せっかくだから、保存しておこうかなあ」
なんて考えている時、電話がかかった。
受話器を取った瞬間だった。指で摘んでいた鼻毛は、床に落ちてしまった。電話が終わった後で探してみたが、何せ床と同系色の白毛である。どこに行ったのかわからない。しばらく探していたが、ふと「何と馬鹿らしいことをやっているんだろう」と思い、やめることにした。
昨日は、実に暇な一日だった。
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