今年は蚊が少ない。外でも、家でも、あまり刺された覚えがない。平年なら、汗ばんだ体に蚊が何匹もまとわりつくのがうっとうしいのだが、今年はそれがない。7月の頭に何度か刺されたものの、それを最後に今月はまだ刺されていない。
毎年この時期になると、蚊取り線香のにおいを嗅ぐのを楽しみにしているのだが、どうやら今年はこの季節の風物詩を味わうことが出来そうにない。
さて、その蚊に刺された時だが、以前はよくムヒやウナコーワといった類の塗り薬を塗っていた。こういうのを塗ると、一時的にはスッとして痒みが治まる。しかし時間がたつと、また痒くなってくる。もう一度ムヒ等を塗るのだが、今度はあまり効き目がない。
効き目がないとなると、変にこの痒みに執着してしまうことになる。刺された場所によっては、あまりの痒さにのた打ち回ることもある。
ある時、忍者関係の本を読んでいると、「鼻の脂が炎症に効く」と書いてあった。半信半疑でこれを試してみたのだが、痒みがスッと引いてしまった。その後痒みがぶり返すことはなかった。ほどなく腫れのほうも引いてしまった。
それ以来、ぼくは蚊に刺されると、この「鼻の脂の術」を使うことにしている。
しかし、今年は蚊が少ないから、この術も使わなくてすみそうだ。