吹く風ネット

疲れる話

2003年1月6日の日記です。

1,
「おめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
 今日この言葉を、仕事始めの取引先の人からさんざん聞かされた。おかげで今日は頭を下げっぱなしだった。
 普通はここで終わりなのだが、しかし、中にはおかしなことを聞いてくる人もいる。
「正月はどう過ごされましたか?」
<え?店が3日から開くことぐらい、よくご存じでしょう。あんたは正月休みかもしれんけど、こちらはただの連休。どういう正月を過ごせと言うんですか>
などと思いながらも、ぼくは笑顔で、
「風邪引いてねえ。正月どころじゃなかったですよ」と答えた。
「いや、4日に高校の同窓会があってですね、・・・。しんたさんも、おとといあたり同窓会とかやったんじゃないですか?」
<だから、3日から仕事だったと言ってるでしょうが!>
「やりませんよ」
「そうなんですか。ぼくなんか、まだその時の酒が抜けなくて」
「へえ」
「しんたさん、飲む方ですか?」
「飲む方ではないけど。まあ、たしなむ程度ですね」
「またまた、ご謙遜を。けっこういける口だと聞いてますよ。正月もガンガンやったんじゃないですか?」
<風邪引いてそれどころじゃなかった、と言ったでしょうが!>
「いや、そんなに飲んでないですよ。・・ゴホゴホ・・」
「えっ、風邪引いたんですか?」
「・・・」
こういう人を相手にするのは疲れる。

2,
 昨日の話。閉店30分前に店に入ってきた女性のお客さんがいた。テレビを見せてくれというので、ぼくが商品の説明をすることになった。
 5分も説明しただろうか。突然そのお客さんが別の話をしだした。
「私、隣の家の人から嫌がらせされてるんよね。出かける時に待ち伏せされたり、風呂に入っている時に勝手に人の家の窓を開けたりするんよ」
「気味が悪いですね」
「でしょ? もう何年も続いてるのよぉ」
「警察に相談しましたか?」
「もう何回も届けた。でも、相手にしてくれんのよね」
「そうでしょうね。警察は事後処理しかしませんからね」
「最近は盗聴もされよるみたいなんよ」
「そこまでやるんですか?」
「そう、ホントしつこいんだから。ノイローゼになりそうよ」
「それは困りましたねえ」
「弁護士にも相談したし、本人に直接文句を言ったこともあるんよ」
「で、本人は何と言ったんですか?」
「『偶然ですよ』とか言うんよ。ねえ、どうしたらいいと思う?」
「探偵雇ったらどうですか?証拠写真撮って、警察に見せればいいじゃないですか」
「だって、探偵雇うとお金がかかるんでしょ? 高いって聞いてるわよ」
「でも、証拠がないと、警察も動かんでしょう」
「うーん。でもねえ・・。何でこんなことになるんかねえ。私もう一つ家があるんやけど、そこではそういうことはないんよね」
「あのう、こういうこと言いたくないんだけど・・」
「え?」
「その家に何か因縁でもあるんじゃないですか?」
「ああ、そういうことも考えられるねえ。ということはお祓いしてもらわないとね。ねえ、誰かいい人知らん?」
「いや、知りません」
「そう、困ったねえ・・」
と、そこで蛍の光が鳴り出した。
「あ、もうこんな時間。 じゃあ、お祓いする人、探しといて」
「えっ!? 心当たりもありませんよ」
「ね、探しといて。今度の土曜日に来るから」

 延々30分もつき合わされた。以前ぼくもストーカーまがいの行為をされたことがあるので、その気持ちはよくわかる。しかし、ぼくは人生相談の先生ではない!
 今度の土曜日、休もうかなあ・・・。

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