運動会のメインエベントといえば、何といっても騎馬戦である。
ぼくたちの学校では、騎馬戦と呼ばず、川中島と呼んでいた。
今のように帽子取りや旗取りをするのではなく、真剣勝負だった。
入場する時も、有名なあの「鞭聲粛々 夜河を渡る~」という詩吟をかけ、演出を盛り上げていた。
大将は、はちまきに三日月マークをつけていて、かっこよかったのを覚えている。
だいたい大将になるのは、体の大きな相撲の強い子だった。
この時ばかりは、PTAの子息であろうが何であろうが、無視である。
先生は勝ちにいっていたのだ。
とにかく、させるほうも、やるほうも、真剣だった。
運動会が終わった後も、しばらく川中島の話題で盛り上がったものだ。
やはり、運動会は騎馬戦である。