吹く風ネット

翌日談

2002年2月25日の日記です。

1,
 昨日の件だが、腑に落ちないことがある。Tさんに「不審な箱」と通報してきた、お客さんのことである。

 昨日の不審な段ボール箱は、駐車場に置いてあった。だが、それは車を停めるのに支障をきたすような場所にあったのではなく、車止めの向こう側にあったのだ。しかも、その段ボール箱はどこにでもある箱だった。
 昨日は、お客さんの通報がある前から、わりと多くの人が2階の駐車場に車を駐めていたのだが、もし一瞥して「不審な箱」と捉えるような目立つ箱であれば、そのお客さん以外にも箱のことを言ってくる人はいたはずだ。しかし、そういう人は一人もいなかった。

 二つ考えられることがある。
 一つは、そのお客さんに段ボール箱を一瞥しただけで、「不審な箱」と感じる能力があるということだ。しかし、それは現実味がない。
 もう一つは、そのお客さんが来るまで箱はなかったということだ。つまり、そのお客さんが来てから、その箱が置かれたということだ。それだと俄然現実味が出てくる。というか、そう考える方が自然だ。となると、その箱を置いたのは・・。
 裏付けはある。実は今日、そのお客さんがまた現れて、「昨日の箱はどうなりましたか?」と聞いてきたというのだ。
 怪しい。犯人は犯行現場に戻るという。
 そういえば昨日駐車場でぼくがドキドキしている時、そのお客さんは横でボーっと突っ立って見ていたのだった。あの時「警察呼ぼう」と言ってみればよかった。そして、そのお客さんの反応を見るべきだった。残念なことをした。

2,
 ところでぼくは今日、朝から店長と会うのを楽しみにしていた。
 店長はぼくを見つけると、案の定「昨日何があったんね」と聞いてきた。ぼくは昨日の日記の順番通りに、わざとゆっくり説明した。
「ほんと、大変でしたよ。12時ごろやったかなあ。お客さんがTさんにですねえ・・。───だったんですよ。それで、駐車場に行ったんですね」
「で、中身は何やんったん?」
「それでですねえ・・・」
「で、中身は?」
「やっぱり、こういう時は誰でも怖いでしょう?そこで、箱をですねえ、───してですねえ、───たんです」
「もう、中身は何なんね?」
 せっかちな店長はイライラしだした。店長はわかりやすい人で、イライラすると顔が赤くなるのですぐにわかる。
 なおもぼくは、「それでですねえ・・・」を繰り返した。そして、最後に中身を教えた。
 店長は大きな声で「イタチー?!」と言った。今度は憤慨して顔が赤くなった。

 店長と話すのは実に楽しい。店長が休みの時に、またこういう事件が起こらんかなあ。

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