気味の悪い訪問者

家のインターホンは、録画機能がついている。在宅不在関係なく、ピンポンを鳴らした人を録画してくれる。ぼくたち夫婦は、それを見るのが好きで、毎晩不在時に誰が訪ねて来たのかを確認している。
そのほとんどが宅配関係だ。たまにセールスが来ることもあるが、数年前に比べると、はるかに少なくなっている。

最近新手の訪問者（男）が来るようになった。身なりはちゃんとしている。が、何かおかしい。何がおかしいのかというと、その人の笑顔だ。何か臭うのだ。気持ち悪いのだ。ぼくだけがそう感じているのではなく、嫁さんも、その笑顔が気持ち悪いと言っている。

昨日のことだ。
家に帰って、いつものように録画を見ていると、その男が映っていた。
と、そこに年配の男が割り込んできた。
その男は、スーツ男よりもさらに気味の悪い笑顔で立っている。

その笑顔が引っかかる。
「そういえば、郵便受けにチラシが入っていた。もしかしたら、その中にヒントがあるかもしれん」と思ってチェックしてみた。

チラシは『家を売りませんか？』とか『一戸建てを買いませんか？』といった不動産絡みがほとんどだ。が、そこに一枚だけ、毛色の違ったチラシが入っていた。それは映画のチラシで、宗教絡みの映画だった。
「やっぱりそうだったか」
その笑顔に臭さや気味悪さを感じたのは、きっとその人たちに宗教団体のにおいがしたからだろう。