萩の里自然公園では最も良く見られるのはオトギリソウだ。
オトギリソウ(弟切草) オトギリソウ科 オトギリソウ属
山野の日当りの良いところに生える50㎝ほどになる多年草。
葉は茎を抱くように対生する。葉には赤から黒色の斑点が点在する。
花の径は1.5~2㎝ほど。花弁には黒い線と葉の縁には黒点がる。
花期:7~8月 分布:北海道~九州
水をはじくオトギリソウ
葉や花弁の斑点は腺点といわれ、蜜や油、粘液などの分泌や蓄積に関係しているという。
水をはじく物質を分泌しているのだろうか?
和名の由来の物騒な物語
昔、ある鷹匠は、鷹が傷ついたときの秘薬として弟切草を使っていたが、弟がうっかり他の鷹匠に話してしまう。兄の鷹匠は弟を斬り殺してしまう。これが「弟切草」という物騒な名前の由来だという。葉の斑点は弟の血しぶきの跡だという。
このオトギリソウを大きくしたような、トモエソウ(巴草)も昨年(2015年)よりはるかに多く咲いた。
トモエソウ(巴草)オトギリソウ科 オトギリソウ属
山地の日当たりの良い草地や林縁に生える多年草。茎の高さは 50 ~ 130㎝で4稜ある。
葉には柄がなく茎を抱くように対生する。
花は直径 5~6㎝ほどと大きく見事だ。5個の花弁が鎌状にゆがんで花が巴状になる。多数のおしべがよく目立つ。
「オトギリソウの親分」といった感じだ。
花期:7-8月 分布:北海道~九州。
コケオトギリ(苔弟切) オトギリソウ科 オトギリソウ属
高さ10㎝ほどになる、湿地や水辺に近い裸地に生える1年草。
茎の断面は四角く先に直径5~8ミリの黄色の花をつける。対生する葉は広卵形で、長さ5~10㎜程度と小さく先はややまるい。
花も小さく5~6㎜ほど。
和名はコケ(苔)のように小さいからだろう。
花期:7~9月上旬 分布:北海道(南半分)~九州
ヨコスト湿原 2010/08/04
萩の里自然公園 ウヨロ川入口近くの湿地
我家の庭の草
萩の里自然公園のウヨロ川入口近くの荒地で、すこし様子が違うオトギリソウを見つけた。
早速調べてみた。
生育地や葉の形状などから、北アメリカ原産の外来種 オオカナダオトギリ と判断された。
オオカナダオトギリ(大カナダ弟切)オトギリソウ科 オトギリソウ属
水辺に近い草地や原野・道端に生える、20~50㎝ほどになる多年草。
茎には4稜があり、上部で枝分かれする。
葉は白みを帯びた緑色で、披針形で先が尖る。斜め上を向いて対生する。
花は径6㎜前後。
花期:7~9月上旬
次は、科は同じオトギリソウ科だが、ミズオトギリ属の仲間
ミズオトギリ(水弟切)オトギリソウ科 ミズオトギリ属
湿地や沼地・水辺に生える、高さ30~70㎝ほどになる多年草。
茎は普通赤紫色を帯びる。
葉は柄がなく対生。葉身はやや厚く長さ3~7㎝の狭長楕円形で先はとがらない。
花は葉腋につき、淡紅色で、直径約1㎝ほどで花弁は5枚。午後に開き夕方にはしぼむという。
花期:7月下旬~9月 分布:北海道~九州
ヨコスト湿原 2010/08/02
萩の里自然公園 ウヨロ川入口近くの湿地にも見られる。