妙な質問をする試験官を呪うわたくし
寝ていたら、突然思い出したんだが、スピルバーグ総指揮の『インナースペース』を。スピルバーグ版「ミクロの決死圏」なわけだが、そこで体内に入るパイロット役は、デニス・クエイド。なんとなくトム・クルーズの弟みたいな顔をした人であるが、この人ってときどきみますね。私が見た中で一番よかったのは、『グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー』の、ジェリー・リー・ルイス役だね。あの、ピアノに火つけて歌う人だね。私はロックン・ロールとはかくあるべしと思う。ロックン・ローラーが道徳説いたりがんばれニッポンとかいっててどうすんの。彼は14歳と結婚して批判されたわけだが、その顛末を描いたのがこの映画である。14歳の妻をウィノナ・ライダーがやっていた。ウィノナ・ライダーは『恋する人魚達』がよいと思う。というより、ここに出てくるボブ・ホスキンスは天才だと思った。
……という感じで、リンクが続いても何も出てこないんだよな……ウィキペディアと一緒です。
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近藤ようこ『鋼の娘』。近藤氏の作品でどきどきすることが一つある。眼鏡をかけたずんぐりむっくりの男がでてきて、これがよくあるまんがのように差別の対象や狂言回しになっていることがなく、ときどき恋愛の対象だったり、娘が焦がれる父親役だったりするのである。ちなみにわたくし、「水の女」の主人公があこがれる文学青年や『鋼の娘』にでてくる父親に容姿が非常に似ている。正直、私がモデルだとしか思えん。……のは、ともかく、彼らがどうも優しい割には乙女心を解さぬ奴で、主人公の乙女達が不幸になっていくのは、彼らのせいであるかのようである。
ふっ、まあ、現実にもそういう節はあるね……。
『鋼の女』は、母親と娘と父親の三角関係の話である。父親と母親は離婚しているが、この三角関係は娘がちょくちょく父親の家に出入りし、母親が娘を心理的に虐待することで続いている。この関係がやや変化するのは、父親が倒れリハビリが必要になって、母親が看病にいくところからである。そして娘は家庭の外に恋人を持つ……といっても、はじめは父親が病院に移ったために、もぬけの殻になった父親のベットで関係を持つためである。つまり彼女の本当の相手は父親である。……それが次第に他人としての恋人になっていく。
てなかんじの話であるが、なんとなく、私は話がうまくいきすぎているような気がしないでもなかった。というのは、父親がうまいこと病気になったりする展開や、娘の「彼が全部わたしのものじゃないなら いっそなにもいらない」とかいうせりふなどに現れているような主人公の性格は、なんとなく私にはリアリティがなかったからである。……というのはやや嘘で、こういうことを言う若人はいるんだが、「お前は本を読んで勉強せい」と言いたいから、あんまり好きでないだけの話だ。「あんたが全部私のものにならないなら私何もいらない。」あれ?これは『エヴァンゲリオン』(「まごころを君に」)のアスカの言葉だね……。似ているね。
私は、『エヴァンゲリオン』をはじめて観たのは大学院生の時で、アニメは所詮ガキの戯言と陰性室で気炎をあげていたら他のある大学院生からとりあえず全部みとけとテレビ再放送の録画を全部渡されたのである。まあおもしろかったし、テレビアニメーションにしては哲学や宗教関係の勉強ッぷりがすごかったので感心した。ただ、これはある種の宗教的テロリズムとAC男子(シンジ)に対する集団治療の話であって、これを喜んでいるアニメファンの精神状態がとても心配になったのは確かである。
とはいえ、知り合いの大学院生が、「シンジ君て、渡邊君みたいだよね」といっていたので、私は驚いた。人にどう映っているか分かったもんじゃない。私はシンジみたくもてない。したがって、とりあえず、シンジに対してはちゃんと説教しておく必要がある。
シンジ:「父さん、僕はいらない子供なの?」(←知るか!とりあえずいらなかったんじゃないの?)
シンジ:「僕には、何もない。何もないんだ」(←勉強しろ!)
シンジ2:「僕は、君だよ。人は自分の中にもう一人の自分をもっている。自分というのは常に、二人で出来ているものさ。」(←出来てねーよ。責任逃れはよくないね)
シンジ:「誉めてくれるんだ。エヴァに乗ると誉めてくれるんだ。こんな僕を」(←褒める身にもなってみろよ。)
シンジ:「違う、僕に価値はない。誇れるものはない。」(←その通り)
シンジ:「このままじゃ怖いんだ。いつまた僕がいらなくなるのかもしれないんだ。」(←ごめん、俺はお前いらんわ)
シンジ:「みんな僕をいらないんだ。だから、みんな死んじゃえ。」(←こらっ、みょうなこといってると逮捕するぞ)
シンジ:「助けてよ、助けてよ、助けてよ」(←うるさい)
シンジ:「そう、僕は僕だ」(←26話かかってこれですか?あんたバカぁ?)
シンジ:「ただ、他の人達が僕の心のかたちをつくっているのも確かなんだ」(←またなんか違ってきてるぞ……。お前の心は自分で作れよ。)
シンジ:「いつかは裏切られるんだ。ぼくを見捨てるんだ。でも、僕はもう一度会いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから」(←そうですか。もう結構です)
……いくらACでもADHDでも思春期でもキレル大人であっても、こんな状態でいる必要はない。もっと人生いろいろあってもよろしいのではなかろうか。だいたい他人に迷惑ですよ。