★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

中国の思い出

2012-05-26 23:19:25 | 文学


「中国嫁日記」を読んでいたら、中国を旅行する話が出てきたのだが、6年くらい前にわたくしも同じ国語領域の先生や学生数人などといっしょに中国に旅行したのだった。はじめて中国旅行する時には、なんだか所謂「大陸風邪」という奴にかかるかもしれないと言われていたのだが、それは如何なる症状ですかと中哲の先生にお聞きしたら、インフルエンザみたいなもんだと言われた。日本の中ですら、違う気候の土地に降り立っただけでやや体調がおかしくなるわたくしがかからない訳がないと思っていたら、案の定、二日目に体が鉛のように重く頭がふらふら、関節がみしみしいいはじめた。

前日に西太后のお墓を参ったのであるが、そのとき、わたくしはなにやら「厭な予感」がしたのを覚えている。どうみても祟りである。

紫禁城見学の時が一番酷く、3月の中国は雪も降りだしたのだった。ガイドの人が薬をくれたのだが、バスの中でそれを飲もうとしたら、手が震えて薬がどこかに転がっていってしまった。というわけで、自然治癒に任せてがんばり、ようやくチキンダックを食すところに行っても、フォークが鳥に命中しない。西太后恐るべし。

しかし、北京の一番でかい本屋に行ったら、なんとなく体調回復。中国語の大江健三郎や村上春樹やニーチェの本を大漁に買い込んでホテルで眺めていたら、食欲もでてきたが後の祭りである。

その本を詰め込んだスーツケースは、これまた案の定、日本の空港で出てきたときにゃキャスターが壊れてた……