獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

総括:コロナワクチン その2 安全性はどうだったのか?

2024-02-29 01:16:43 | 反ワクチン・陰謀論

新型コロナウイルスも度重なる変異を繰り返すことで弱毒化し、国民の多数が感染やワクチン接種による免疫を得ることで、新型コロナの感染者数も落ち着いてきました。

反ワクチンの人々はこの間、いろいろ無責任なことを言ってきましたが、ここらへんで一区切りですね。総括しておきましょう。

 

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
何回かにわけて引用します。


ニューズウィーク日本版 2月20日号

Special Report
VACCINE
HERE ARE THE FACTS
あなたが打った
ワクチンの真実
医療
コロナワクチンのせいで過剰に人が死んでいる? 
国内外のデータを基に誤情報と陰謀論を検証する
國井 修
(元長崎大学熱帯医学研究所教授)

(つづきです)


ワクチンが実際に防いだもの

実社会においてはどうなのか。さまざまな研究が行われてきたが、なかでも世界に先駆けてワクチン接種を全国展開したイスラエルで実施された大規模研究では、ファイザー製ワクチンの接種群と非接種群それぞれ59万人を比較したところ、2回接種により感染率を94%、入院率を87%、重症化率を92%下げていたことが分かった。
米疾病対策センター(CDC)の報告ではモデルナ製でも似たような高い有効性が示され、イギリスからの報告ではアストラゼネカも1回接種の発症予防効果は73%と悪い結果ではなかった。
しかし、ワクチン接種が増えても流行が続き、接種しても新型コロナに感染した人の話を聞くと、「ワクチンは本当に効いているのか」と疑問に思った人も多いのではないか。
実際、新型コロナワクチンには2つの難しさがあった。1つはmRNAワクチンの免疫誘導力は強いが、その自然減衰も速いということ。ファイザー製ワクチンでは接種6カ月後に抗体価が約10分の1に低下してしまうとのデータもある。
2つ目は新型コロナウイルスの変異速度が速いため、変異株に対してはワクチンの有効性が下がる傾向にあることだ。特にオミクロン株には起源株で開発したワクチンを接種しても感染してしまう「ブレークスルー感染」を引き起こし、イギリスのデータではオミクロン株に対する発症予防効果がファイザー製で8.8% モデルナ製で14.9%と大きく下がっていた。
日本の調査でも発症予防効果はほぼ半減との結果だ。さらに最近では XBB1.5やEG.5、JN.1などオミクロン株の亜系統も出現し、起源株によるワクチンの効果が下がっているとの報告もある。
ではワクチン接種は意味がないのかというと、そうではない。3回目の追加接種をすることで2回接種に比べて発症率を75%、入院率を80%下げるとのイギリスの報告をはじめ、入院率を93%、重症化率を92%、死亡率を81%下げるとのイスラエルの研究結果もあり、追加接種の高い有効性を示している。
また、4回目の追加接種により、3回接種に比べてオミクロン株流行下のブレークスルー感染率を3分の1程度に抑え、発症や重症化も半分から3分の1に減少させるとのデータのほか、60歳以上では発症率を55%、入院率を68%、死亡率を74%下げる、という研究結果もある。これ らのエビデンスにより、多くの国で特にリスクの高い人々に対する追加接種が推奨されているのだ。
さらに起源株のワクチンだけでなく、BA.1やBA.4-5などオミクロン株に対応したワクチンの有効性も示され、アメリカの研究では発症予防とともに、73%の入院予防効果を示した。
オミクロン株の出現で30歳未満の若年層も多く感染し、さらに起源株ではあまり見られなかった5歳未満児の感染・重症化が目立つようになった。特にアメリカでは新型コロナによる子供の1日当たりの死亡数がオミクロン株流行後は10倍に増加し、子供へのワクチン接種も推奨されるようになった。5~11歳の子供を対象としたアメリカの研究では、ワクチン接種群は非接種群に比べ感染率を74%、重症化率を76%、集中治療を要する入院率を85%下げている。
ワクチン接種によるパンデミック収束を期待していた人々にとっては劇的な効果に見えなかったかもしれないが、世界のさまざまなデータを基に推計すると、20年12月からの1年間だけでワクチン接種によって世界で1980万人の命が救われたとの推計もある。
つまりワクチンがなければ今の5倍以上に死者が増えていた可能性がある。京都大学の西浦博教授らの研究でも、ワクチンがなければ日本国内の21年2~11月の死者は約36倍に増えていた可能性が指摘されている。
では安全性はどうだったのか? 
まずワクチン接種で留意すべき副反応はアナフィラキシーショックである。急性のアレルギー反応で、軽いものは蕁麻疹程度だが、くしゃみ、吐き気、下痢など複数の症状が現れ、重篤になると呼吸困難や動悸、さらに血圧と意識が低下して命に関わることもある。これらがわずか30分以内に起こることもあるのだ。


「重篤な副反応」疑いの例

CDCによると、ファイザー製ワクチンの初回接種によるアナフィラキシーの発生頻度は100万回接種して4.7例、モデルナ製では2.5例、日本ではファイザー製で100万回接種当たり3.6例、モデルナ製で1.6例が報告されている。
適切な問診と処置をすればアナフィラキシーによる死亡はめったに起こらないが、アメリカではカンザスシティーに住む68歳の女性などがアナフィラキシーの疑いで死亡している。世界14カ国にわたるの研究では新型コロナワクチンによるアナフィラキシーは7942例、うち死亡は43例だった。
インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーの発生頻度は接種100万回当たり1.3例で、それに比べるとやや多いが、食物によるアナフィラキシーを経験したことのある小中高生は日本で100万人当たり約6200人、食物によるアナフ ィラキシーで死亡する人が毎年3人ほどいることを考えると、新型コロナワクチンのアナフィラキシーが必ずしも多いとは言えない。
ワクチンに関連する重篤な副反応の疑いとして心筋炎や心膜炎もある。メカニズムは不明だが、ワクチン接種による発熱や免疫反応の活性化により心筋などの炎症が引き起こされる可能性が考えられている。世界中から報告があるが、日本ではワクチン接種後に10代男性で起こる心筋炎の発生頻度はファイザー製で100万人当たり3.69件、モデルナ製で28.8件である。
一方、新型コロナの感染自体による心筋炎の発生は100万人当たり220件、特に新型コロナに感染したアメリカの平均19歳のスポーツ選手では2.3%、100万人当たりにすると2万3000人に心筋炎が発生する計算になる調査結果もあり、心筋炎・心膜炎はワクチンによって起こるリスクよりも、ワクチンを接種せずに新型コロナに感染して心筋炎にかかる可能性のほうが圧倒的に高いことが示されている。
さらに、ワクチン接種によって起こる心筋炎や心膜炎のほとんどは回復するが、感染に伴う場合は「コロナ後遺症」として長期に症状が続くケースも多い。
顔面神経の機能不全で顔の片側の筋肉が突然動きにくくなったり動かなくなるベル麻痺も、特にmRNAワクチン接種後の発生が報告された。通常でも毎年100万人当たり150~300人の発生がある疾患だが、アメリカの600万人以上のデータを含む調査研究ではワクチン接種による過剰な発生は見られていない。
四肢の脱力、しびれ感が急速に全身に広がるギラン・バレー症候群(GBS)も、ワクチン接種後の副反応疑いとして報告されている。
GBSは一般的に風邪や下痢などの症状から発症するが、時にインフルエンザやポリオなどのワクチン接種や抗ウイルス薬、抗癌剤などの医薬品による副反応としても発症する。アメリカでの報告数は新型コロナ以前で年間100万人当たり10~20例で、インフルエンザワクチン接種によるGBS発生は100万回で1~2例であった。
新型コロナに対するファイザー製とモデルナ製ワクチン接種後のGBSの報告数は、アメリカで接種100万回当たり10例と自然発生率とほぼ同じだったが、ヒトのアデノウイルスをワクチン成分のベクター(運び手)に利用するジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)ワクチンではその15~30倍の発生率と高く、チンパンジー由来のアデノウイルスをベクターに利用するアストラゼネカ製ワクチンでも接種100万回当たり10例前後の超過発生が起こるとの研究結果もあり、注意が必要だ。
一方、新型コロナ感染によってもGBSは発症するが、イスラエルの研究ではその発症リスクが非感染者の6倍と高いため、mRNAワクチンで感染を予防したほうがGBSの発症リスクは低いと考えられた。
ウイルス感染後やワクチン接種1~4週間以内に起こる脳・脊髄の疾患に、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)がある。
人口100万人当たり8人ほどが罹患するまれな病気で、子供に多い。発熱や頭痛、吐き気などから始まり、意識障害やけいれん、手足が動かしにくい、目が見えにくい、しゃべりにくい、ふらつくなどの症状が現れる。多くは数日以内に回復し、6カ月以内にはほとんどの人が回復すると言われている。
新型コロナワクチン接種後の副反応疑いとして、世界で20件の研究報告から54症例が報告されたが、発生頻度は100万人当たり0.2例程度。これをワクチンによる副反応とするには頻度が低く、むしろ新型コロナ感染後に発生するADEMのほうが多いとの報告もある。

(つづく)


解説
世界に先駆けてワクチン接種を全国展開したイスラエルで実施された大規模研究では、ファイザー製ワクチンの接種群と非接種群それぞれ59万人を比較したところ、2回接種により感染率を94%、入院率を87%、重症化率を92%下げていたことが分かった。

実社会においても、ファイザー製コロナワクチンは、きわめて高い有効性を示しました。


実際、新型コロナワクチンには2つの難しさがあった。1つはmRNAワクチンの免疫誘導力は強いが、その自然減衰も速いということ。ファイザー製ワクチンでは接種6カ月後に抗体価が約10分の1に低下してしまうとのデータもある。
2つ目は新型コロナウイルスの変異速度が速いため、変異株に対してはワクチンの有効性が下がる傾向にあることだ。

しかし実際には、このようにワクチンには、2つの難しさがありました。

 

ワクチン接種によるパンデミック収束を期待していた人々にとっては劇的な効果に見えなかったかもしれないが、世界のさまざまなデータを基に推計すると、20年12月からの1年間だけでワクチン接種によって世界で1980万人の命が救われたとの推計もある。
つまりワクチンがなければ今の5倍以上に死者が増えていた可能性がある。

このことは、了解しておく必要があります。

 

安全性はどうだったのか?
(中略)
心筋炎・心膜炎はワクチンによって起こるリスクよりも、ワクチンを接種せずに新型コロナに感染して心筋炎にかかる可能性のほうが圧倒的に高いことが示されている。

アナフィラキシーの発生頻度は他のワクチンに比べてやや高かったことは事実だが、ワクチン接種現場で適切な処置が行われればめったに死亡することはありません。
心筋炎や心膜炎は重篤な副作用ですが、ここに書いてあるように、ワクチン接種せずに新型コロナに感染した場合のリスクの方が高いのです。

ギラン・バレー症候群(GBS)についても、同じような考察がなされています。

 

獅子風蓮



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど (獅子風蓮)
2024-02-29 09:05:38
yoshikazu0416さん、コメントありがとうございます。

>インターロイキン6等が心筋や心膜に炎症起こす事です。
Virus感染で起きる心筋炎/心膜炎もインターロイキン6が関わっていますが心筋/心膜細胞でVirusが増殖しているために炎症が継続的に成りますのでね。

なるほど。
お詳しいですね。
そういうメカニズムのため、ワクチン接種せずに新型コロナに感染した場合のリスクの方が高いのですね。
ご教示、ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。

獅子風蓮
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Unknown (yoshikazu0416)
2024-02-29 07:28:43
mRNAワクチン接種での心筋炎/心膜炎の原因は、サイトカインのインターロイキン6等が心筋や心膜に炎症起こす事です。
Virus感染で起きる心筋炎/心膜炎もインターロイキン6が関わっていますが心筋/心膜細胞でVirusが増殖しているために炎症が継続的に成りますのでね。
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