獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ゼレンスキー大統領とトランプ、バンスの口論(その2)

2025-03-09 01:21:29 | 政策・政治

d-マガジンで興味深い記事を読みました。
引用します。


ニューズウィーク日本版 3月11日号

世界で炸裂するトランプの理不尽外交
__ゼレンスキーを独裁者呼ばわりし、国連総会でロシアに擦り寄り、欧州とは距離を置く――その先にあるものは?
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)


もう行きすぎとしか言いようがない。ドナルド・トランプは外交面で、歴代の米大統領の誰よりも多くの「あり得ない」行動に出た。
ウクライナの国民に支持されるウォロディミル・ゼレンスキー大統領を「独裁者」と呼んで糾弾。ウクライナも欧州諸国も外す形で、ウクライナ戦争の和平協議をロシアと模索。ドイツの総選挙ではネオナチ政党にほぼ肩入れした。 
特に2月24日には想像を絶することをした。ウクライナ戦争をめぐってロシアの味方に付いたのだ。この戦争の意味について、彼はロシアのウラジーミル・プーチン大統領の見解に全面的に賛同した。過去15年の米外交からの根本的な離脱はこの日、3つの段階を踏んで起こった。
まず、ロシアのウクライナ侵攻に対する国連の非難決議案をめぐって。それは侵攻から丸3年という節目の日に、国連総会がウクライナ支持を鮮明にするための採決だった。法的な拘束力を持つ決議ではないが、なんとアメリカは反対票を投じた。ほかに反対したのは、ハンガリーやベラルーシ、北朝鮮、ニカラグアなどまごうことなき親プーチンの国々も含めて17カ国だった。
第2段階として国連の米代表は、戦争終結を求めると言いながら、侵略国に言及しない決議案を提出。これに対し欧州諸国は、ロシアを侵略者と名指しするなど3つの修正を加えた。修正後の決議案はすんなり可決されたが、アメリカは投票を棄権した。
確かに国際的な緊張関係を和らげるため、あるいは中国の勢力拡大に対して共通の防壁を築くために、ロシアとの間で何らかの和解を図りたいという考えもある。私は以下の理由から、それに反対だ。
まず、プーチンは帝国主義的な妄想をしぼませる気など全くない。中国はロシアにとって、最も豊かで頼もしい技術の供給国。従って、ロシアがアメリカと反中同盟を結ぶと考えるのは甘すぎる。
そもそも落ち目のロシアと協力しても、アメリカが得るものはない。それでも国防次官(政策担当)に指名されたエルブリッジ・コルビーや、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授(国際政治学)などは米ロが反中国で手を結ぶべきだと主張する。

まるでロシアの工作員
だがロシアが侵略者であることは、論をまたない事実だ。開戦は2014年。クリミア半島を併合し、東部ドンバス地方の分離独立派を支えるために特殊部隊を派遣した。いずれドンバス地方も併合しようという魂胆は明白だった。これは小競り合いなどではなく、その後8年間で1万4000人以上が命を落とした。さらにウクライナ全土への多角的な侵攻作戦へと拡大すると、プーチンはこの国の完全消滅が目的だと宣言した。
3段階目はホワイトハウスで。欧州諸国のウクライナ政策を協議するために訪れたフランスのエマニュエル・マクロン大統領との共同記者会見の時だ。プーチンを「独裁者」と呼ぶかと尋ねられたトランプは、「私はそういう言葉を軽々しく使わない」と答えてはぐらかした。
だが、わずか5日前にトランプはゼレンスキーを独裁者と呼んでいた。トランプに言わせるなら、ゼレンスキーは6年にわたり選挙を実施しておらず、その間に支持率は4%にまで落ち込んだ。実際にはウクライナはロシアの侵攻を受けて戒厳令下にあり、憲法の定めによって選挙が禁止されている。また独立系の世論調査によると、ゼレンスキーの支持率は57%ある。
対するプーチンは不正選挙、反体制派の殺害、言論の自由の弾圧など、独裁者のやりそうなことをたくさんやってきた。国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪の容疑で逮捕状を出されてもいる。
トランプについては以前から、ロシアの工作員ではないかという疑惑がある。私は違うと思うが、仮にそうだとしてもトランプの行動は今とさほど変わらないだろう。それより彼の行動について納得のいく説明は、トランプは単に独裁者に憧れ、独裁者になりたがっているというものだ。
トランプは18年、北朝鮮の金正恩総書記と初の首脳会談を行った直後、インタビューで彼についてこう語った。
「彼は一国のトップだ。強いトップだ。彼が話すと国民は背筋を正して注目する。私も国民にそうしてほしい」
同じように大統領選直前の昨年10月、トランプはインタビューで中国の習近平国家主席を「すごい人物」と評した。
「14億の人々を鉄拳で支配している。聡明な男だ」。つまり、強権で多くの人々を支配することはすごいことであり、聡明な男でなければ成し遂げられない、というわけだ。
トランプはそんな人物になりたいのだ。彼はホワイトハウスに返り咲いて最初の1カ月間で、国内の民主的なプロセスや国外の民主的な指導者に特別な愛情や思い入れがないことを示した。民主的プロセスは煩わしく、同盟国との拘束力のある関係は高くつくと彼は感じている。
トランプの姿勢は、現実的政治理論の最も粗野なバージョンと大きく重なる。この理論では外交政策の形成に価値観は関係なく、大国は広大な影響圏を支配する権利があるとされる。
この考え方の多くの問題点の1つは、ある国の勢力圏の拡大は他国の目には帝国主義的な拡張と映る可能性があることだ。このような世界ではパワーバランスが微妙になるかもしれないし、戦争という大惨事がもたらされるかもしれない。

(つづく)

 


解説
だがロシアが侵略者であることは、論をまたない事実だ。開戦は2014年。クリミア半島を併合し、東部ドンバス地方の分離独立派を支えるために特殊部隊を派遣した。いずれドンバス地方も併合しようという魂胆は明白だった。これは小競り合いなどではなく、その後8年間で1万4000人以上が命を落とした。さらにウクライナ全土への多角的な侵攻作戦へと拡大すると、プーチンはこの国の完全消滅が目的だと宣言した。


日本でも、ウクライナ戦争の最初の責任はウクライナ側にあるなどと主張する政治家がいます。
佐藤優氏を情報源とする鈴木宗男氏です。
佐藤氏や鈴木宗男氏の情報は偏りが見られるので注意が必要です。


それより彼の行動について納得のいく説明は、トランプは単に独裁者に憧れ、独裁者になりたがっているというものだ。
トランプは18年、北朝鮮の金正恩総書記と初の首脳会談を行った直後、インタビューで彼についてこう語った。
「彼は一国のトップだ。強いトップだ。彼が話すと国民は背筋を正して注目する。私も国民にそうしてほしい」
同じように大統領選直前の昨年10月、トランプはインタビューで中国の習近平国家主席を「すごい人物」と評した。
「14億の人々を鉄拳で支配している。聡明な男だ」。つまり、強権で多くの人々を支配することはすごいことであり、聡明な男でなければ成し遂げられない、というわけだ。
トランプはそんな人物になりたいのだ。彼はホワイトハウスに返り咲いて最初の1カ月間で、国内の民主的なプロセスや国外の民主的な指導者に特別な愛情や思い入れがないことを示した。民主的プロセスは煩わしく、同盟国との拘束力のある関係は高くつくと彼は感じている。

なるほど、トランプは独裁者になりたいのか。
納得しました。「アメリカ・ファースト」は、アメリカ帝国主義という意味だったのですね。

彼の周囲に、彼を諫める者が誰もいないという悲劇。
ここは民主主義を標榜する西側諸国の首脳が一致団結して、トランプを抑えるべきです。


獅子風蓮



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。