獅子風蓮のつぶやきブログ

日記風に、日々感じたこと、思ったことを不定期につぶやいていきます。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(5)

2023-11-18 01:07:09 | ガーシー

ガーシーには嫌悪感が先に立つほどだった私ですが、ガーシーのおかげで救われたという人もいたのですね。
また彼は家族思いで、母や妹には今でも慕われているようです。
ガーシーについて、好奇心がわきました。
ガーシーはどのように育ったのでしょうか。
彼なりの正義とはいったいどういうものなのでしょうか。

そこで、ガーシーの自伝的な本があるというので読んでみました。

ガーシー(東谷義和)『死なばもろとも』(幻冬舎、2022.07)

かいつまんで読んでみたいと思います。

(目次)
□序章 ジョーカー誕生
□第1章 逃亡者
■第2章 しゃべりだけで成り上がる
□第3章 芸能界への扉
□第4章 アテンダーという裏稼業
□第5章 酒と女とカネと反社
□第6章 死なばもろとも
□第7章 社会の不満が生んだ怪物

 

第2章 しゃべりだけで成り上がる
□朝鮮学校の在日コリアンと襲撃合戦・リアル『パッチギ!』ワールド
□走り屋をやっていたリアル『ナニワトモアレ』
□イベントサークルで入学したての女子大生とヤリまくる
□入社3日目に車を3台売ったらブチギレた上司
□中古車のブローカーとイベント業・二足のわらじで独立
□阪神・淡路大震災によって到来した中古車市場バブル
■中古車販売で儲けたカネを裏カジノで2億円熔かす
■十三の「ヌッキーマウス」から
■西淀川警察署での手打ち式
□ヤクザになるかアナウンサーになるか
□ロンブー田村淳との初めての出会い


中古車販売で儲けたカネを
裏カジノで2億円熔かす

阪神・淡路大震災によって復興特需が起きると、自動車販売のビジネスでめっちゃ儲かった。仲間と2人で始めたビジネスやのに、1カ月の純利益が3000万~4000万円も上がったんや。23歳の若造が1カ月3000万~4000万円なんて大金を手にしてもうたら、使い方なんてようわからん。若気の至りや。見事にキャバクラ にハマってもうた。
当時、大阪の梅田東通りに「キングスナイト」というキャバクラがあった。このキャバクラにハマってもうて、従業員を連れてアホみたいにカネをバラまいた。俺は酒が飲めん体質やから、酒好きな従業員に代わりにメチャクチャ飲んでもらうわけや。サラリーマンなんて辞めて良かったわ。自分の得意なことを生かすのがやっぱ一番大切やで。
湯水のようにカネを使っとると、悪い人間が近寄ってくるもんや。キャバクラへ通っているうちに、ある人間からカジノを教えられた。もちろん違法賭博、裏カジノや。
バカラだの賭け麻雀だので、最終的に勝ち抜けるギャンブラーなんておらん。博打は胴元が必ず勝つに決まっとる。もちろん大勝ちする日もあるが、それ以上に大負けする日のほうが多い。
現金はいつも金庫に満載してあった。負けが込むと、従業員に電話をかけて「今すぐカネもってきてくれるか」と頼む。100万円、200万円ともってこさせても、そんなカネはすぐになくなってまう。せっかく大勝ちしたのに、結局1~2年でカネが全部吹き飛んでもうた。あのときだけで2億円はきれいに負けてるんちゃうかな。もっと負けとるかもしらんけど。

 

十三の「ヌッキーマウス」から
風俗嬢を20人引き抜いた

あれもこれも手を出したがる俺は、たくさんの仕事を同時にやっとった。女の子に声をかけて口説くのが得意やったから、20代前半のころはスカウトをやってた時期も ある。友だちが経営してたソープランドやファッションヘルスに人を送りこみ、報酬 をもらうわけや。
あの当時、十三(大阪市淀川区)の繁華街はめっちゃ治安が悪かった。
十三に「ヌッキーマウス」というふざけきった名前の有名な風俗店があったので、友だちと一緒に繰り出してナニを抜きつつ、女の子そのものを店から引き抜きにかかった。その店でナンバー1の子を指名して、仲良うなったら電話番号を交換する。
1時間で数万円も売り上げたとしても、風俗嬢に払われるギャラはたかが知れている。体を売ってキツイ仕事をしてるのに、彼女らだってアホらしゅうなる。俺から小遣いもらったほうが、風俗の仕事やるより儲かるわけや。「俺の彼女にならんか」と誘ってセックスをかましながら「もっと儲かる店の仕事紹介したるで」ともちかけた。
するとその子が「ほかの子も私にみんなついてくると思う」と言うわけや。1人か2人ついてくるのかと思ったら、なんと「ヌッキーマウス」のお嬢が20人もついてきよった。店に残ったのはナンバー2の女の子だけや。
ここまで派手にオネエチャンを引き抜いたら、「ヌッキーマウス」のオーナーだって黙っとるわけあらへん。あるとき女の子の一人から「ご飯食べよう」と誘われたので車で迎えに行ったら、ベンツ3台に囲まれて「おい、お前降りてこいや」と言われた。女の子にハメられたんや。
こういうときは、ちょっとでも弱気を見せたらやられてまう。車を降りて「お前らなんやねん」と言い返したった。周りに人だかりがめっちゃできとるから、いきなりドツかれたり刺されたりすることもあらへん。
「とりあえず事務所来いや」
「ああっ!? お前、どう見たってどこかのカタギちゃうやんけ。なんでお前のワケわ からん事務所までいきなり行かなアカンねん。ナメとんか。明日でええやろ。俺と一 緒にネエチャン引き抜いたダチも一緒に連れてったるから、とりあえず場所言えや」 「ざけんな。今から来いや」
「今から俺用事あるんじゃ。信用できん言うなら、この車のカギ渡したるわ。この車、人質で取っとけ。明日行くから待っとけ」
こんなやり取りをしたら、ひとまずその日はさらわれることなく終わった。


西淀川警察署での手打ち式
「金融モノ」「事件モノ」って聞いたことあるか? ワケありの車や。街金や闇金からカネを借りるとき担保につけたせいで、差し押さえられる車がある。人を轢き殺し たあとの事故車なんかも、普通の人は気味悪がって乗りたがらない。そういうワケあ りの車が、前の所有者の名義のまま闇市場に流れてくることがあるんや。
前の所有者の名義のまま、俺の名前に名義変更してないのやから、そのまま乗り捨てたところでかまわへん。どうせ俺の名義ちゃうし。あんな車要らんわ。ヤクザの事務所でシバかれてもオモロないし、このまま放っとこう。そうやって無視しとったら、 下4ケタ「1234」の西淀川警察署から電話がかかってきた。
「東谷だな。警察のモンや。今から出頭しろ」
「なんでですか?」
「ええから。すぐ出頭せんかったら逮捕状出すぞ」
しゃあないので出頭して取調室に入ったら、刑事とあのときのヤクザが一緒に座って俺をにらんどる。
「ここでお前ら2人で話し合いしろ。ちゃんと平和的に解決せぇよ」
刑事から命令されたので、仕方なくヤクザと話し合いを始めた。
「ホンマやったらお前のことカタぁハメたろうと思ったけど、警察にも話してもうたからそんなことできひんのやわ。とりあえずお前がさらってったウチの子を全部戻せ。女の子を全部戻したら、明日『申し訳なかった』という示談書を作って、十三の喫茶店にもってこい。お前と一緒に女の子をスカウトしたヤツも連れてくるんやぞ」
翌日、俺と友だちの2人で十三の指定された喫茶店に出かけた。するとそこにヤクザだの風俗店のマネージャーだの、7~8人の人間が集合しとる。店の前を通りかかった人間も何事かと驚いた顔をしとる。当時は携帯電話なんてない時代やから、みんな「写ルンです」で俺ら2人のガンクビをバシバシ撮影しまくる。
「おい、なんでコイツら勝手に写真撮んねん」
「十三のキャバクラ、飲み屋、風俗、全部にお前らの写真貼っとくわ。お前らもう出 禁や。二度と十三の街に出入りすんなよ」
結局女の子を全員戻したあと、損害賠償金を払うこともなく騒動は終わった。今から考えると、「ヌッキーマウス」から急に女の子が20人もいなくなったことを知って、西淀川警察署が先回りして手を打ってくれたんやろな。警察が手を打ってくれへんかったら、俺のガラはどうなってたかわからんわ。

読者のみんなも、俺みたいに怖い思いをすることが一生に一度はあるかもしれん。 ヤクザ者や怖い兄ちゃんにからまれたときは、ひるんだらアカン。怯えた顔を見せた
瞬間、向こうのいいようにやられてまう。
「お前、ここで帰りたきゃ帰ってもええぞ。その代わり、お前の家族がどうなるかわ からんからな」
こういう定番の脅し文句がある。「子どもを歩けへんようにしたるぞ」とか「女房を手ごめにされてもええのか」なんて言われても、ヤクザ者はまず手を出してはこない。
カタギに手なんて出したら、マル暴(ヤクザ担当の刑事)が黙っとらん。何かの手違いでカタギを再起不能にしたり殺したりしたもんなら、本人は死刑か無期懲役刑が確定、親分や主だった幹部は殺人教唆で根こそぎ引っ張られて、組はつぶされてまう。
ボッタクリに引っかかって脅されたり、自分に非がないと思ったりするのであれば、強気で行って問題ない。
自分に非があると思うのなら、素直に「ごめんなさい」すりゃええ。相手に迷惑をかけたという自覚があるのなら、迷惑料を払って示談すればええだけの話や。相手によって態度を変えたらアカン。自分の筋を通すことが大切や。腹をくくったときの気合は相手に伝わる。こういう処世術も、頭の片隅に置いておくとええ。

 


解説

湯水のようにカネを使っとると、悪い人間が近寄ってくるもんや。キャバクラへ通っているうちに、ある人間からカジノを教えられた。もちろん違法賭博、裏カジノや。
バカラだの賭け麻雀だので、最終的に勝ち抜けるギャンブラーなんておらん。博打は胴元が必ず勝つに決まっとる。もちろん大勝ちする日もあるが、それ以上に大負けする日のほうが多い。
現金はいつも金庫に満載してあった。負けが込むと、従業員に電話をかけて「今すぐカネもってきてくれるか」と頼む。100万円、200万円ともってこさせても、そんなカネはすぐになくなってまう。せっかく大勝ちしたのに、結局1~2年でカネが全部吹き飛んでもうた。あのときだけで2億円はきれいに負けてるんちゃうかな。もっと負けとるかもしらんけど。

この時からギャンブルにはまっていったのですね。

今現在、ガーシーは大金を支払って保釈されているようです。

その際、「反省」を口にしたようですが、反省するなら、少なくともこの時点からの自分をよく見つめて、しっかりギャンブル依存症を克服してほしいと思います。

 

獅子風蓮



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