明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

さらば『東京チカラめし』! 牛丼チェーン以外の牛丼 パート5

2022年08月22日 | 丼もの

ヤフーニュースを眺めていたら、ちょっとショックな情報が目に留まった。
牛丼チェーン「東京チカラめし」都内唯一の店舗が閉店へ  ※提供元:よろず~ニュース

2011年に創業した、牛丼チェーンの新興勢力『東京チカラめし』は、
新しい牛丼のスタイルを提案したことで支持を集め、都内を中心に支店を展開。
1年ちょいで100店舗出店を達成するも、快進撃は続かず、すぐに閉店ラッシュに見舞われ衰退。
ジェットコースターのような急上昇と急下降で、「栄枯盛衰」という四字熟語をわかりやすく表現した(苦笑)。
現在国内には3店舗しかなく、東京に唯一残っていた、新宿西口1号店も8月28日で閉店する模様。
実はちょうど先月、新宿西口店に入店し、10年ぶりに牛丼を味わったばかりだったので、


急遽、【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズ第5弾として、チカラめしにスポットを当てることにする。

入口の券売機で食券を購入し、カウンター席へ。15時台で店内は空いており、おばちゃん店員たちも小休止、という印象。
この日の注文は、チカラめしの代名詞である「焼き牛丼 並」490円と「温玉」100円に、


サイドメニューの「餃子3個」230円。初めに断っておくけど、餃子はよくある業務用タイプでイマイチ。


さっき書いた、「新しい牛丼のスタイル」とは、焼き牛丼のことであった。

私がもっとも牛丼を食べていた20代の頃は、どのチェーンも似たような牛丼を、似たようなスタイルで提供していた。
①薄切りのバラ肉を醤油ベースの和風タレで煮込む ②一緒に煮込むのは玉ネギ
③卓上には紅生姜、七味、醤油 ④サイドメニューは生玉子、お新香、野菜サラダ

①については、サイコロ状の角切りビーフや、洋風ソースで煮込むのはダメなのか。
②は、長ネギ、白菜など牛鍋に入る食材はどうか。あと、玉ネギも全店同じ形状なのはおかしい。
③は、個人的には黒胡椒とマヨネーズを希望していた。実際、マヨネーズを持ち込んだことは多々あった。
④は、とろけるチーズ、ビールや酒のツマミになるようなサイドメニューも欲しかった。
なお、上記の中には、すき家のチーズトッピングなど、後年には実現したものもある。
結局、後続の牛丼屋は、元祖・吉野家の作ったスタイルをよくいえば追随、悪くいえばパクったに過ぎない。
「牛丼はこういうモノなんだ」という固定観念から抜け出せず、新たな形式を生み出す挑戦もせず、
パクりの分際でエラそうにしている(してないか)、吉野家以外のチェーン店を、不甲斐なく思ったものである。

その点、チカラめしの「焼き牛丼」は、新たなスタイルが4つもあった。
①牛肉を煮込まず焼く ②甘くクドいタレ ③玉ネギなし ④紅生姜ではなくガリ
今振り返れば、それほど斬新でもなく、既存の牛丼チェーンでも可能だった試みばかりである。
松屋には、焼肉丼風の商品「キムカル丼」が既存していたが、当時は期間限定販売で、レギュラーではなかった。
 
私が初めて焼き牛丼を食べたのが、チカラめし元年の2011年。訪問したのは、吉祥寺駅南口からすぐの場所にあった店舗。
当時はお試し価格とかで、並が280円。サラダと生玉子の「セット」が140円なので、合計420円。安い!


11年前のことなので、しばらくガラケー画像が続くが許してくれ。なお、最初の方でお知らせしたように、
都内の店舗はもうすぐ滅亡するので、吉祥寺店も以降で紹介する店舗も、すべて現存しない。

ガラケー画像を漁っていたら、初訪問の数日後にはもう、テイクアウトを購入している。


吉祥寺から中央線に乗り、わざわざ自宅まで持ち帰るとは。匂いが袋から漏れるし、同じ車両の方々に申しわけないぞ。
こちらも、吉祥寺店で食べた「焼き牛からあげ定食」580円。


モヤシ主体の野菜炒めの上に、鶏唐揚げと焼き牛が盛られている。唐揚げの味は記憶ナシ。

安くてウマくて斬新な牛丼を目当ての客で、吉祥寺店はなかなかの繁盛ぶり。
ただし、初入店時から店内床には米粒などのゴミが目立ち、店員さんたちは覇気がなく、お疲れの様子だった。
だがそれは、改善されることなく以後も続き、しかも吉祥寺店だけでなく、他店も同様なのであった。

これは確か、高円寺店で食べた「チーズ牛丼」で、価格は忘れた。


上記画像はさすがにヒドいので、HPからメニュー画像を拝借。あまり変わらない気もするが。


正式名は「チーズたっぷり焼き牛丼」で、現在新宿西口店で提供しているものとは、チーズの質や配列が異なっている。
タレが甘じょっぱクドいので、チーズとの相性は、すき屋のチーズ牛丼よりよかった。

私を含む愛好家を中心に、大勢のファンをつかんでいたチカラめしが、急降下した理由は、
『いきなり!ステーキ』が同じことを繰り返しているので、もうおわかりだと思うが、
店舗拡大に人員が、質量ともに追い付かなかったためである。
思えば、吉祥寺店の店内ゴミや従業員の疲弊した様子に、その兆候が出ていたことになる。

煮るタイプの牛丼は、極端なハナシ、鍋に肉を入れて放置しておけば完成するし、いっぺんに大量の仕込みが可能だが、
焼くタイプの牛丼は、放置したら即焦げてダメになるし、焼き置きだと味が落ちるので、大量仕込みは難しい。
さっき触れた、松屋がキムカル丼をレギュラー化しなかった理由も、要するにメンドーだからである。
また、焼くタイプは油や脂が、厨房だけでなく客席にも飛び散り、店内床が滑るという報告もあった。
ただでさえ調理と清掃に手間がかかるのに、それを指導・管理する社員は、たぶん足りていなかったはず。
バイトや人数さえ確保しておけば、店が運営できると思ったら大間違いである。
バイトなんて、マジメに働いてもチンタラ働いても時給は変わらないので、管理者がいなければ絶対にサボる。
私が行かなくなった理由になった、チカラめし八重洲店はどうしようもなかった。
厨房では、日本人店員がひとりで調理を担当し、ホールのアジア系外国人店員ふたりは、ただ突っ立っているだけ。
客席には食べ終わった食器が散乱しているのに、外国人コンビは見向きもせず私語に夢中。
私の席に置かれた、飲料水用ポットの水が残りわずかだったので、補充をお願いしたら、
片方の外国人が「マダハイッテル」と返答し、動こうとしないのには驚いた。※その後当然、怒鳴り散らした
日本人店員は指導をあきらめている様子で、もはや学級崩壊というか、店舗崩壊状態であった。
先日、大阪の西成区で、かなりダメな店で飲み喰いしたけど(笑)、あっちの方がまだマシだったよ。
たぶん、八重洲店のような状況が他店舗でも見られたから、チカラめしはダメになったのだろう。
店舗数だけに執着し、従業員の育成を怠った、チカラめし上層部の罪は重い

チカラめしを見限り、10年間足を運んでいなかった私が、久しぶりの食事をしたのが7月29日。
さっきの続きだが、こうして温玉を中央に乗せ、


愛しの黄身ちゃんを、お肉とご飯にトロ~リと絡め、


後半ではガリを投入し、お口の中をサッパリさせたところで、ラストスパート。


こちそうさまでした! という私の挨拶に、おばちゃん店員が「またよろしくお願いしまーす」と返答してくれた。
あのときはまさか、30日後に閉店を迎えるとは思わなかったなあ。
ちなみに、閉店まで残りわずかなのに値上げをしたらしく、焼き牛丼の並は550円になっているのでご注意を。

7月29日に寄った理由は、その日は神宮球場で、母校野球部を応援していたから。

※西東京大会準決勝。詳細はこちら

明後日には決勝戦を控える母校のゲン担ぎとして、チカラめしを食べておきたくなったのだ。
滅亡しかけているチェーン店で食べるなんて縁起悪い、という意見もあるだろうが、
滅亡しかけているのに、東京で唯一生き残っていた新宿西口店のように、母校野球部もしぶとく戦ってほしかったのだ。
結果、母校は劣勢にもあきらめず、しぶとく戦い優勝。4年ぶりの甲子園出場を決めた。※決勝戦の詳細はこちら
チカラめしにも逆転を期待しているが…ちょっと無理かなあ。
「焼き牛丼」のアイデア自体はよかったので、体制を立て直し、東京に再び店舗を出してほしいものである。
再オープンのそのときまで、東京のチカラめしよ、いざさらば。



東京チカラめし 新宿西口1号店
東京都新宿区西新宿1-15-3
JR新宿駅から徒歩約2分、他の私鉄、地下鉄新宿駅からも近いし、西武新宿駅からも10分もあれば着くはず
営業時間 9時~22時
定休日 無休だが8月28日に閉店
※閉店までは、結構混雑すると思われます
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 27744時間かけたとんかつカレ... | トップ | 50年以上愛され続ける大盛メ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

丼もの」カテゴリの最新記事