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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

牛丼チェーン以外の牛丼 パート6 新宿『たつ屋』

2024年05月31日 | 丼もの
前回から約1年10ヶ月ぶりとなる、小好評企画【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズ。ちなみに、拙ブログに大好評企画はない。
過去のシリーズついては、右の数字をクリック。  第1回  第2回  第3回  第4回  第5回
パート6の今回は、かつては、都内に数店舗展開し、現在は新宿の1店舗のみとなったが、根強いファンがついている、
元チェーンでもある非チェーンの牛丼店『たつ屋』にスポットを当てる。
なお、数年前に紹介した、大阪新世界のもつ鍋店『たつ屋』とは、当然無関係である。

たつ屋さんの特徴は、○主要チェーンより安価な牛丼 ○かつ丼や親子丼など丼メニューが豊富の二点。
私は、20世紀に東銀座、21世紀には八丁堀で働いており、東銀座駅近くに存在した店舗には、双方の時代でお世話になった。
牛丼は20世紀が350円、21世紀は280円~と、物価が高い銀座エリアで、この価格でメシが喰える店は貴重であった。
280円時代が続き、その後は350円を長年維持してきたが、消費税10%になった5年前に360円となり、
近年は食材の高騰で400円、今年3月下旬に、丼メニューの大半が30円アップし、430円になった。
それまでは、松屋の牛めし400円と同価格で、すき家の牛丼430円、なか卯の牛すき丼530円、吉野家の牛丼468円より安かった。 ※価格はすべて並盛
最近の松屋は、客に商品を運ばせるセルフ形式で人件費を削り、定食類を値上げした分、牛めし価格を抑えているのは素晴らしい。食べないけど。

私が尊敬するライターの鈴木隆祐先生も、たつ屋さんのファンだったようで、店舗の減少を嘆き、本部に電話したところ、
本部長を名乗る方から、「大体のたつ屋は、『桂庵』というおソバ屋さんにリニューアルした」と説明されたそうだ。 
上記エピソードは、鈴木先生の著書「東京B級グルメ放浪記」より。安ウマ飲食店マニアは必携の書籍である。
水道橋などにある桂庵では、ソバだけでなく、引き続きかつ丼や親子丼も提供しているようだが、牛丼はメニューから消えた模様。
つまり、「たつ屋牛丼」が食べられる店舗は、現在は新宿店のみということになる。

ここで、たつ屋さんの牛丼画像を掲載。商品名は「牛どん」で、下記サイズは「大盛り」。


ご覧のとおり、玉ねぎより肉の割合が断然多く、豆腐が入る
今調べたら、現在の吉野家牛丼は、肉と玉ねぎの割合は2:1らしい。たつ屋さんのは4:1くらいか。
大半のチェーンが、肉と玉ねぎを一緒に煮込むのに対し、こちらは肉・玉ねぎ・豆腐を別々に煮込んでいるらしく、
注文ごとに各パーツをタレで再加熱し、丼で合わせているようだ。

こちらは、店内カウンター席に置いてあるメニュー表。+100円の「定食」は、味噌汁50円とお新香100円が付くので50円お得。


裏側がサイドメニュー。野菜サラダがないところが私好み(笑)。お店のおススメは「納豆牛どん」と「タルタルとりどん」らしい。


お店入口にも、さっきのメニュー表にない商品が掲示されているので掲載。なお、この画像と次の画像のみ、値上げ前の撮影であり、


下記の「とりどん」シリーズも、現在はそれぞれ+30円である。


とりどんシリーズは未食だが、下記の「ぶっかけ鳥煮うどん」は注文したことがある。


実食時の画像がないのと、上記画像はたまたま通りかかった深夜に撮影したため、異様に暗いのはご勘弁。

入口には、店内メニューの画像付きバージョンと、


丼とミニうどんとのセットも貼ってある。


ミニうどんも食べたことがあるが、こちらは関東風の黒いツユで、あまり印象に残らなかった。
私が、東銀座店でよく頼んだのが、牛肉を玉子でとじた「開花丼」。価格は牛どんの70円増しだったかな。
現在の新宿店では販売していないが、かつ丼などを作るときに使う、お玉とフライパンを合わせたような道具(名称は親子鍋らしい)があり、
調理自体は可能だと思うので、ヒマなときに作ってもらえないだろうか。

ここ数年は、新宿に行く機会やお腹のキャパ自体も減ったため、飲み食いしたあとのシメに寄ることも困難になり、
たまたま早朝に訪問したら、営業時間が変わったようで開いてなかったりと、縁遠くなってしまったたつ屋さんだが、
2年前の秋、母校野球部の敗戦にショックを受け(詳細はこちら)、神宮球場を出たあとも、なぜか電車に乗らずさまよい歩き、
気付けばたつ屋さんにたどり着いていた。そのとき食べたのが、最初に載せた牛どん大盛り580(当時は550)円+玉子50円である。
 ※再掲載

黄身ちゃんは溶かずに中央のくぼみに配置し、紅生姜や七味を加え、一気にかきこむ。


たくさんの肉を噛みしめることで、敗戦の悲しさを一瞬忘れさせる、身も心も温まる牛丼であった。
味の方は、肉は脂身が少なく歯応えがあり、タレは醤油の風味を感じるが、決してしょっぱすぎず。
豆腐も入るため、すき焼きの残りをぶっかけたような家庭的な味わいで、パート4で紹介した新橋『なんどき屋』の牛めしに近い。

※なんどき屋の「牛めし並」と「玉子」

その後は再び間隔が空き、今年3月、飲んだ帰りに久々の訪問。店内壁の「数日後に値上げ」のお知らせを見たのは、そのときである。
酔っていたため、温かいツユを欲したので、うどんシリーズの「牛肉たっぷりぶっかけうどん」を注文。
さきほどのぶっかけ鳥煮うどんと同じ650円で、この2種だけは値上げせず、価格据え置きだった。


茹でたうどんに、牛どんのアタマと白髪ネギを乗せたものだが、本当に肉がたっぷりである。
大盛りと同等か、そもそもここは、牛どん並サイズでも、他チェーンより肉が多いのではないか。
ツユは牛どんよりしょっばかった。見てのとおりツユだくすぎるので、うどんの出汁も少し入っていたかもしれない。


こちらにも紅生姜を入れて、肉とうどんを食べ切り「ごちそうさまです」。さすがにツユは残した。
パート1で紹介した、『リンガーハット』の期間限定メニュー「牛・がっつりまぜめん」に似ているが、
あちらの商品は肉の臭みを感じたが、たつ屋さんのは臭みは皆無。さすがは牛丼専門店である。

そしてつい最近、たつ屋さんに今年2度めの訪問。値上げ後のメニューも撮影したかったからね。
いつものように、新宿駅東南口改札を出て、階段を下りてお店に向かう。前回も感じたのだが、新宿はどこもインバウンド客が多く、
たつ屋さんの並びにある、『Gong cha』というタピオカミルクティーの店(?)は、大陸系の方々が大行列を作っている。
そして、驚いたことにたつ屋さんにも、外国人観光客と思われる連中が来店しているではないか。
他国の方々にも認められるのは、たつ屋ファンとしてはありがいたが、円安で苦しむ日本国民のひとりとしては、
異邦人よ、どうせならもっと高い店でお金を落としてくれ! と切に願う。たつ屋さんで10杯喰うのも可。

この日は、厨房内の調理風景が拝める、奥のカウンター席に案内された。
働いているのは、ベテラン風の男性ふたりと、若い外国人のバイト君。ベテランふたりが接客、会計、牛どんを担当し、
バイト君はさっき触れた親子鍋で、かつどんなどの具材を煮る担当。牛どんより注文は少ないとはいえ、重要な役割だ。
日本人の若者でさえ大半が使ったことがなく、おっさんの私も、使用したことはあるが今日まで名称を知らなかった(恥)親子鍋を、
彼は同時に3個扱い、溶き玉子を注ぎ、かつどんのアタマ3人前を手際よく仕上げていた。たいしたモンだ。
そのうちのひとつが、私がオーダーした「かつ牛どん」780円に用いられる。
バイト君が仕上げたかつ煮を、ベテランがご飯を盛った丼に移し、最後に豆腐を1個(牛どんには2個入る)乗せ、
かつ丼と牛丼の双方が楽しめる、たつ屋さんの人気商品・かつ牛どんが完成。


さすがのボリュームだが、牛どん350円・かつどん450円・かつ牛どん550円の時代が長かったため、
申しわけないが、780円は高くなったと感じてしまった。3月の値上げ時は、他はだいたい30円なのに、この商品だけ80円上がったし。
とはいえ、牛肉は既述のとおり、半分でも他店より多く感じるし、かつも半分とはいえ、5切れあるし薄くもない。


ハシで崩してしまったが、バイト君は、飾りの三つ葉も丁寧に盛っていたよ。
画像はないが、かつ部分の半熟黄身ちゃんを、牛肉やご飯に絡めて食べるのは当然ウマいし、
途中、紅生姜や七味で味変し、無我夢中で一気に食べ切ってしまった。


ここの紅生姜は、妙に着色料が効いていて、いかにも身体に悪そうな味だし(笑)、七味も辛さがキツいタイプである。
紅生姜と七味はやはり、着色料も辛さも控えめで、上品な味付けの吉野家がナンバー1だ。

食べ終える直前に気づいたのだが、具材だけでなく、ご飯の量自体も、以前のかつ牛どんより多い気がする。
かつての商品は、ご飯は並で、牛とかつが半分ずつだったと記憶しているが、
このとき提供されたのは、ご飯は大盛、牛は半分よりやや多く、かつは一般的な1人前はある、+150円の大盛りバージョンに感じられた。
食後は結構な満腹になったため、これが並だとしたら、大盛りや+250円の特盛りは、相当危険な量のはず。
感想としては、かつ牛どんは、味・量ともに素晴らしく、780円でも全然高くなかった!
大盛りだとどれくらい増量されるのか、胃腸が元気なうちに試しておきたい。

メジャーの対義語はマイナーだが、あえて「インディー」という言語を用いた、かつてのプロレス業界を真似て、
僭越ながらたつ屋さんも、「インディー牛丼店の雄」と呼ばせていただく。
同じく1店舗しか残っていない、パート3で紹介した丼太郎と同様、今後も安価な商品と独自のテイストで、チェーン店に対抗してほしい。
そういえば、系列店のソバ屋さん桂庵では、まだ食事をしたことがないので、ここも訪問しなくてはな。



たつ屋 
東京都新宿区新宿3-35-2
JR新宿駅東南口改札から徒歩約90秒(人混み次第)、地下鉄新宿三丁目駅のE9出口から出てすぐ。他の私鉄・地下鉄新宿駅からも近い
営業時間 10時~21時 20時40分ラストオーダー 
定休日 基本なし
※営業時間は、店員さんに直接聞きました
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