前回紹介した『萬福本舗』さんが、バランスのいい豚骨ラーメン(あくまで私の基準だが)だとすると、
好き嫌いが激しく分かれそうなのが、下井草にある『御天』さん。正式名は『博多長浜とんこつラーメン 御天』だ。
その理由は、豚骨を強火でガンガン炊いたスープの強烈な匂い。
ファンにはたまらない豚骨臭のキツさは、私の知る限り都内でナンバーワン。
初めて食べたのが、今から20年以上前。確か西武園競輪場の帰りに寄ったと記憶している。
当時は本格九州ラーメンに慣れていなかったせいか、味について、あまりいい印象はなかった。
こちらのお店は、環七の有名店『なんでんかんでん』出身と聞いていたが、約2年前に読んだ、信用できるネット記事によると、
出身どころか、なんでんかんでんの仕込みを担当、つまり味を作っていたのが、御天のオーナーだと知った。
東京に本場博多の味を広めた、名店(その後「迷店」になってしまったが)の味を築いた方のラーメン…
気になった私は数日後、代々木で友人と飲んだとき、シメに御天・千駄ヶ谷店へ立ち寄ることにした。
千駄ヶ谷店(最寄り駅は代々木)は、私は初訪問だが、友人は何度か利用したことがあるとのこと。
入店した途端に漂う豚骨臭に、テンションが上がるおっさんふたり(私と友人)。
まずはツマミで一杯やろうと、ウーロンハイと「博多鉄鍋餃子(2人前)」をオーダー。
※価格は覚えていないが、現在の下井草店では980円、以下同
九州らしい小ぶりな餃子はなかなかイケた。ただし友人は、「せん菜炒め」がなくなったことを残念がっていた。
せん菜炒めとは、かつて存在した「細いモヤシを大量に炒めたモノ」で、酒のツマミに最適だったそう。
帰宅後、ネット検索してみたら、御天のせん菜ファンが異様に多いことに驚かされた。
下井草店のメニューも、以前「せん菜炒め」が記されていたと思われる箇所は、「もやし炒め」に修正されていたが、
つい最近、下井草店で「せん菜ラーメン」と「せん菜炒め」が復活した模様だ。
2軒目なので、酒は2杯で済ませシメを注文。私は「ニンニクラーメン」を選択。
価格は、友人が頼んだ「ラーメン」が750円、「ニンニク~」は800円、ただし税別。ちと高い気がするね。
豚骨を骨の髄まで炊き、赤茶色に変色したスープからも、例の匂いがプンプン。
期待を胸に、まずはスープをひと口…おや? その直後、友人も私の丼にレンゲを突っ込み味見。
どうやら「オレのラーメンだけ変なのか?」と思い、私のも確かめたらしい。残念ながら、どちらも同じデキだ。
スープに臭みはあるが、豚骨ラーメンならではの旨味がなく、そのくせ妙に苦いのだ。
20年前の私の記憶とは当然ながら、近年まで食べていた友人との記憶とも異なる模様。
「なぜ苦いんだ…」「ま、こんなときもあるわな」と慰め合い、不本意な気持ちのまま退店。
ちなみに私は、文句を言いつつ、麺だけはしっかり食べ切っていたりして。
帰宅後、さきほども触れた、信用できるネット記事著者のブログで確認したところ、
「千駄ヶ谷店は周囲から苦情が来るため店でスープが炊けず、下井草店から運んだスープを温めなおす」とのこと。
で、温めなおす段階で焦がして苦くなったのかも…ということだが、苦くなるほど焦がすのは、プロとしてどうなの。
これは、本店で味を確かめるしかないと決意し、今度はひとりで、久々の下井草店へ向かう。
入店後、シラフだったのでまずはウーロンハイ430円と、「あったかネギチャーシュー」550円、
※「冷たい」バージョンもあり
さらに、豚骨ラーメン店なのになぜか置いてある、「ハンバーグ」500円もオーダー。
チャーシューは可もなく不可もないが、たっぷり盛られたネギがありがたい。
ハンバーグは自家製なのかは不明だが、なかなかウマい。個人的には付け合わせのマカロニがいいね!
ハンバーグはダブルで800円、トリプルで1000円と、複数頼んだ方がお得だが、ひとりじゃ無理だ(笑)。
ちなみに御天さんは、カレーライスにハヤシライスもあり、さらにつまみメニューも豊富なので、
居酒屋として利用するお客も多い。お店の地下には焼酎バーがあったと聞いたこともある。
サイズ2倍のお得サイズ・ウーロンハイ700円をお替わりしたのち、いよいよシメのラーメン。
千駄ヶ谷店と同じく、「ニンニクラーメン」を注文してみた。ビジュアルはほぼ一緒。
まずはスープ…苦みは少しだけ。けれどもやはり、豚骨スープ独特の旨味は、さほど感じられず。
それでもペロリとたいらげ、今度は卓上のタレを加え、「替玉」130円まで追加してみた。
替玉もしたし、スープもだいぶ飲んではみたものの、最後まで物足りなさは残ったままだった。
こちらは創業25年。「これぞ本物の味ばい」と言い放つ、熱烈なファン(語尾の「ばい」は創作)も多い店なので、
この日はたまたま失敗したのか、私の舌がおかしい、の二択しか考えられない。
どうも、後者の可能性の方が高い気がする(苦笑)ので、また日を改めて来ようと決意。
ちなみに、従業員は男性とバイト女性のふたりだったが、接客や提供スピードなどの応対は良かった。
男性の方は、おそらくオーナーだったと思うが、気難しい頑固職人タイプではなく、愛想のいい方だった。
御天下井草店を再訪したのは、前回から1年以上経過した、今年の2月頃。
営業時間変更のお知らせが提示してあったが、コロナと関係があったのかは覚えてない。
※最近は、さらに営業時間を短縮した模様。詳細は文末で
さきほど書き忘れたが、こちらの店舗はスープを炊いているだけあって、匂いは千駄ヶ谷店以上。
この日なんて、店舗まであと100mくらいの地点で突然、激しい豚骨臭に襲われた。
たまたま通りかかった、幼稚園児くらいのお子さんとお母さんがいて、
子供が「くちゃーい」と叫ぶと、お母さんも「そうね、くちゃいねー」と笑顔で応え、立ち去った。
この母子はおそらく、たまに通行する程度なので、笑ってられるのだろうが、近隣の住人は正直キツイだろうね。
そのエリアから、お店に近づくにつれて消えていった豚骨臭が、店内に入った途端ぶり返す。
匂いには慣れたので、まずは酒のツマミとして、以前頼んだ博多鉄鍋餃子とは異なる、「黒豚焼餃子」500円と、
期間限定メニューの「もつ煮」500円をオーダー。
餃子は失礼ながら、よくあるテイストだったが、もつ煮の方は、いろんな部位を使用してあり個性的。
途中で、卓上の紅生姜や辛口高菜も入れると、さらに酒がススム味わいに。おろしニンニクが卓上にあればなあ。
この日のシメは、「インド式ラーメン」1050円に「玉子」100円を追加。
インド式とは要するにカレー風味のラーメンで、他にもトムヤムクン風味の「タイ式」もある。
「博多式」、いわゆる基本のスープがもしハズレても、カレーが包みこんでくれると期待したのだ。
カレーペーストが、徐々に豚骨スープに溶け込んでいき、いい具合のカレーラーメンに変化していく。
玉子は、今どき珍しい固ゆでの完熟タイプ。これはこれで嫌いじゃないよ。
デザートに「手作り杏仁豆腐」200円も注文したが、品切れとのこと。それは残念。
先述したように、この日は安全策(?)に出て、カレーで味をごまかしたが、
いつの日か、マニアたちを感涙させた、こちらの絶好調時のスープに遭遇したいものだ。
あと、ハンバーグやもつ煮はなかなかイケルし、未食の「ホルモン炒め」や復活した「せん菜炒め」も気になる。
ラーメンも食べられる居酒屋として、御天さんは今後も利用させていただく。
博多長浜とんこつラーメン 御天 井草本店
東京都杉並区井草1-29-3
西武線下井草駅から徒歩約4分
営業時間 月~金11時半~14時、17時~22時 土日祝は中休みナシ
定休日 無休
※最近の営業時間はお店のインスタグラムで確認
好き嫌いが激しく分かれそうなのが、下井草にある『御天』さん。正式名は『博多長浜とんこつラーメン 御天』だ。
その理由は、豚骨を強火でガンガン炊いたスープの強烈な匂い。
ファンにはたまらない豚骨臭のキツさは、私の知る限り都内でナンバーワン。
初めて食べたのが、今から20年以上前。確か西武園競輪場の帰りに寄ったと記憶している。
当時は本格九州ラーメンに慣れていなかったせいか、味について、あまりいい印象はなかった。
こちらのお店は、環七の有名店『なんでんかんでん』出身と聞いていたが、約2年前に読んだ、信用できるネット記事によると、
出身どころか、なんでんかんでんの仕込みを担当、つまり味を作っていたのが、御天のオーナーだと知った。
東京に本場博多の味を広めた、名店(その後「迷店」になってしまったが)の味を築いた方のラーメン…
気になった私は数日後、代々木で友人と飲んだとき、シメに御天・千駄ヶ谷店へ立ち寄ることにした。
千駄ヶ谷店(最寄り駅は代々木)は、私は初訪問だが、友人は何度か利用したことがあるとのこと。
入店した途端に漂う豚骨臭に、テンションが上がるおっさんふたり(私と友人)。
まずはツマミで一杯やろうと、ウーロンハイと「博多鉄鍋餃子(2人前)」をオーダー。
※価格は覚えていないが、現在の下井草店では980円、以下同
九州らしい小ぶりな餃子はなかなかイケた。ただし友人は、「せん菜炒め」がなくなったことを残念がっていた。
せん菜炒めとは、かつて存在した「細いモヤシを大量に炒めたモノ」で、酒のツマミに最適だったそう。
帰宅後、ネット検索してみたら、御天のせん菜ファンが異様に多いことに驚かされた。
下井草店のメニューも、以前「せん菜炒め」が記されていたと思われる箇所は、「もやし炒め」に修正されていたが、
つい最近、下井草店で「せん菜ラーメン」と「せん菜炒め」が復活した模様だ。
2軒目なので、酒は2杯で済ませシメを注文。私は「ニンニクラーメン」を選択。
価格は、友人が頼んだ「ラーメン」が750円、「ニンニク~」は800円、ただし税別。ちと高い気がするね。
豚骨を骨の髄まで炊き、赤茶色に変色したスープからも、例の匂いがプンプン。
期待を胸に、まずはスープをひと口…おや? その直後、友人も私の丼にレンゲを突っ込み味見。
どうやら「オレのラーメンだけ変なのか?」と思い、私のも確かめたらしい。残念ながら、どちらも同じデキだ。
スープに臭みはあるが、豚骨ラーメンならではの旨味がなく、そのくせ妙に苦いのだ。
20年前の私の記憶とは当然ながら、近年まで食べていた友人との記憶とも異なる模様。
「なぜ苦いんだ…」「ま、こんなときもあるわな」と慰め合い、不本意な気持ちのまま退店。
ちなみに私は、文句を言いつつ、麺だけはしっかり食べ切っていたりして。
帰宅後、さきほども触れた、信用できるネット記事著者のブログで確認したところ、
「千駄ヶ谷店は周囲から苦情が来るため店でスープが炊けず、下井草店から運んだスープを温めなおす」とのこと。
で、温めなおす段階で焦がして苦くなったのかも…ということだが、苦くなるほど焦がすのは、プロとしてどうなの。
これは、本店で味を確かめるしかないと決意し、今度はひとりで、久々の下井草店へ向かう。
入店後、シラフだったのでまずはウーロンハイ430円と、「あったかネギチャーシュー」550円、
※「冷たい」バージョンもあり
さらに、豚骨ラーメン店なのになぜか置いてある、「ハンバーグ」500円もオーダー。
チャーシューは可もなく不可もないが、たっぷり盛られたネギがありがたい。
ハンバーグは自家製なのかは不明だが、なかなかウマい。個人的には付け合わせのマカロニがいいね!
ハンバーグはダブルで800円、トリプルで1000円と、複数頼んだ方がお得だが、ひとりじゃ無理だ(笑)。
ちなみに御天さんは、カレーライスにハヤシライスもあり、さらにつまみメニューも豊富なので、
居酒屋として利用するお客も多い。お店の地下には焼酎バーがあったと聞いたこともある。
サイズ2倍のお得サイズ・ウーロンハイ700円をお替わりしたのち、いよいよシメのラーメン。
千駄ヶ谷店と同じく、「ニンニクラーメン」を注文してみた。ビジュアルはほぼ一緒。
まずはスープ…苦みは少しだけ。けれどもやはり、豚骨スープ独特の旨味は、さほど感じられず。
それでもペロリとたいらげ、今度は卓上のタレを加え、「替玉」130円まで追加してみた。
替玉もしたし、スープもだいぶ飲んではみたものの、最後まで物足りなさは残ったままだった。
こちらは創業25年。「これぞ本物の味ばい」と言い放つ、熱烈なファン(語尾の「ばい」は創作)も多い店なので、
この日はたまたま失敗したのか、私の舌がおかしい、の二択しか考えられない。
どうも、後者の可能性の方が高い気がする(苦笑)ので、また日を改めて来ようと決意。
ちなみに、従業員は男性とバイト女性のふたりだったが、接客や提供スピードなどの応対は良かった。
男性の方は、おそらくオーナーだったと思うが、気難しい頑固職人タイプではなく、愛想のいい方だった。
御天下井草店を再訪したのは、前回から1年以上経過した、今年の2月頃。
営業時間変更のお知らせが提示してあったが、コロナと関係があったのかは覚えてない。
※最近は、さらに営業時間を短縮した模様。詳細は文末で
さきほど書き忘れたが、こちらの店舗はスープを炊いているだけあって、匂いは千駄ヶ谷店以上。
この日なんて、店舗まであと100mくらいの地点で突然、激しい豚骨臭に襲われた。
たまたま通りかかった、幼稚園児くらいのお子さんとお母さんがいて、
子供が「くちゃーい」と叫ぶと、お母さんも「そうね、くちゃいねー」と笑顔で応え、立ち去った。
この母子はおそらく、たまに通行する程度なので、笑ってられるのだろうが、近隣の住人は正直キツイだろうね。
そのエリアから、お店に近づくにつれて消えていった豚骨臭が、店内に入った途端ぶり返す。
匂いには慣れたので、まずは酒のツマミとして、以前頼んだ博多鉄鍋餃子とは異なる、「黒豚焼餃子」500円と、
期間限定メニューの「もつ煮」500円をオーダー。
餃子は失礼ながら、よくあるテイストだったが、もつ煮の方は、いろんな部位を使用してあり個性的。
途中で、卓上の紅生姜や辛口高菜も入れると、さらに酒がススム味わいに。おろしニンニクが卓上にあればなあ。
この日のシメは、「インド式ラーメン」1050円に「玉子」100円を追加。
インド式とは要するにカレー風味のラーメンで、他にもトムヤムクン風味の「タイ式」もある。
「博多式」、いわゆる基本のスープがもしハズレても、カレーが包みこんでくれると期待したのだ。
カレーペーストが、徐々に豚骨スープに溶け込んでいき、いい具合のカレーラーメンに変化していく。
玉子は、今どき珍しい固ゆでの完熟タイプ。これはこれで嫌いじゃないよ。
デザートに「手作り杏仁豆腐」200円も注文したが、品切れとのこと。それは残念。
先述したように、この日は安全策(?)に出て、カレーで味をごまかしたが、
いつの日か、マニアたちを感涙させた、こちらの絶好調時のスープに遭遇したいものだ。
あと、ハンバーグやもつ煮はなかなかイケルし、未食の「ホルモン炒め」や復活した「せん菜炒め」も気になる。
ラーメンも食べられる居酒屋として、御天さんは今後も利用させていただく。
博多長浜とんこつラーメン 御天 井草本店
東京都杉並区井草1-29-3
西武線下井草駅から徒歩約4分
営業時間 月~金11時半~14時、17時~22時 土日祝は中休みナシ
定休日 無休
※最近の営業時間はお店のインスタグラムで確認
下井草だったら、ちょっとあるけど歩いて行けるから、今度行ってみるね
獣臭いラーメン、九州で食べ以来食べてないから食べたいッス
よ(^-^)
コメントありがとうございます。
私も獣臭いのは好きなのですが、
旨味が乏しいときがあるので、ご注意ください。
あ、飲む場合は「メガジョッキ」がお得ですよ!