『架空の犬と嘘をつく猫』寺地はるな を読む。
題名から想像したのとは違うお話でした。
3人目の子供を亡くしたことを受け容れられず空想の世界で生きる母、
愛人の元にすぐ逃げる父、
それの全てに反発する姉、
そして、思い付きで動く適当な祖父と、
商店街で少し不思議な店を営む祖母……。
夕食を家族全員でとることはまれな生活の中で
辛いことがあると「架空の犬」をなでる主人公。
なぁんて、登場人物を紹介するとなんだかツライ話のようでもありますが
断片的に、その気持ち、感じたことがあるかもしれない、
と私には思えてきました。
「●●をする」と「してあげている」とかいう言葉の、
ほんの小さな、もしかしたら無意識に選んだ言葉の違い程度のこと、と思うのかもしれないけれど
そんなつもりでしていないことでも
モヤッとしたり、小さく引っかかりを感じたことの原因や理由を
突き詰めて考えていくと、自分の傲慢さや間違いに気づいたり
する気がするのよ。
すべてを分かり合うことはできない、というのが私の考え方だけれども
理解しようとする努力とか
私とは違うけれども、受け入れる、とか、認める、とか
拒絶しないとか…
そんなことって意外と大切かもしれない。
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