寒い。でも日が延びてきた気がします。
さて、今日は昨日の続きをアウトプットしていきます。昨日は高齢者の目標設定の仕方について記述しました。
高齢者の目標は過去と現在が大切であると。
突然ですが、ここで想像してみてください。自分が70才くらいになったときに、突然脳梗塞で倒れ、片麻痺となり、思うように生活が送れなくなる。さぁ現役時代は仕事に費やしたから、老後はのびのび暮らすぞと思いきや遊びにもいけない。家族からは介護の負担が大きいと言われ、ケアマネージャーの勧めでデイサービスに通うことになる。喪失感いっぱいのなかで、職員から何か目標ありますか?目標を決めていきましょう!とキラキラした表情で言われる。きっと心のなかで思うでしょう。「ねーよ!」って。
現実似たような状況になる方は結構います。歳を重ねると、喪失感が増えていきます。その喪失感はどこからくるのでしょうか。それは、役割を失うことからきます。
人は意識していなくても、知らず知らずのうちに役割を担います。例えば、お腹に命が宿るそのときから「胎児」という役割を担います。そして生まれたら「乳児」や「赤ちゃん」、「子ども」、「小学生」、「中学生」、「社会人」、「父親」…などなど。人生のステージごとに役割を担っていきます。そしてその役割を意識することによって、「主体性」も芽生えたりもします。そしてその役割や主体性は人生のなかで増えたり、減ったりもします。ただ、定年後からは何かアクションを起こしていかない限りは基本、役割は減っていきます。それに伴い、主体性も減少していきます。これが老後です。
これは何も社会のなかでの話しだけではなく、家のなかでも起きてきます。例えば、身体能力の低下や体力の減少で家事でできることが少なくなる。力仕事ができなくなる。孫の面倒が見れなくなってくる…など。小さなことから大きなことまで自分のできていた、役割を担っていたことができなくなるのです。そして主体性を失い、何事にも受動的となる。言われないとやらない。言ってもやらない。そんな老人になっていきます。
その状況のなか、未来の目標を決めろと言われても、喪失感や役割がなくなっているのに無理な話しです。
だから、高齢者の目標を定めるときは過去がポイントになるんです。「ちょっと前まではできていたのに、今やれなくなってきたことはありますか?」と一つ一つ丁寧に聞き取りをしていきます。そうすると、前までは洗濯だけはできていたのに、とか仏壇のお水の取り替えはできていたのに、などの過去行えてきたことを知ることができます。そこで初めて「では、まずは洗濯ができるようになることを目標にしましょうか」となるんです。そこから、まずは洗濯に必要な動作(屈むとか、物干しに手をあげるとか、立ってる重心バランスとか)のリハビリ。また、今の身体でも行える環境設定(座れるように椅子を用意するとか、物干しを低くするとか)をします。そして、一つ一つ小さな成功体験を積んでいくと、今度は主体性が芽生えてきます。主体性が芽生えいけば、やる気につながり、次の目標設定であったり、ちがう役割を担っていけるようにもなります。
これが高齢者に対する目標設定の方法です。高齢者はとにかく、主体性と役割を創出させていくのが、リハビリであったり、介護の醍醐味だと思います。
でもこの役割の創出。ここにスポットをあてると、何も高齢者だけの話しではないのです。そう、21世紀最大の問題と言われているのが「孤独」問題です。この孤独問題にも、役割や主体性の創出というのが一つのポイントとなりそうです。
2回に渡って今回は目標設定についてアウトプットというか、言語化してみました。皆さんはどのように老後を迎えたいですか?今日のアウトプットが一つの参考になればとは思います。それではまた会いましょう。では!
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