詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(87)

2020-08-06 14:44:12 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (時間の荒野というものだろうか)

ぼくに関りのあるものは何一つない存在のぜんたいの動きだ

 そこには「ぜんたい」がある。だから、「ぼく」には「関りのあるものは何一つない」というのだ。もし「ぜんたい」ではなく何かが動いているのなら、「ぼく」はそれについて「関り」をもつことができる。

 そんなことは書いていない、かもしれない。

 しかし、「ぜんたい」ということばが「完璧」な何か、完成されたものを感じさせるので、考えてしまうのだ。「完璧な存在」は、いつも「ぼく」を拒んでいる、と。




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)


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